前クールと比較してその視聴率の苦戦ぶりも伝えられる春の連続ドラマが、いよいよ終盤を迎える。これまでのところ、そうした状況のなかで視聴者の話題を盛り上げ、視聴率も好調な数字をキープしているのが、『帰ってきた時効警察』(テレビ朝日系)だ。ORICON STYLE調査のドラマ満足度ランキング(放送中間)では、なんと前回調査に続いて全世代で1位を獲得。2連覇を達成している。
『帰ってきた時効警察』は、金曜23時台の放送ながら、毎回コンスタントに10%台の視聴率を稼ぎ出し、5月28日の放送では週間ドラマ視聴率ランキング(ビデオリサーチ調べ)で10位にランクイン。21〜22時台の各局の強豪ドラマを押さえての大健闘ぶりが目立っていた。
この『帰ってきた時効警察』による満足度の全世代制覇は、前回調査の放送開始直後ランキングに続いて2度目。個人の趣味・嗜好が多様化し、テレビの視聴スタイルも昔とは変わりつつあるなかで、いわゆる“王道ドラマ”とは異なる新たなタイプのドラマが、世代を超えて支持を受ける結果になった。
その人気の理由のひとつは、気楽に安心してみられるというところだろう。23時台の放送ということもあり、年配層をターゲットにした小ネタやギャグが満載されているが、それを若年層も楽しんでいるようだ。テレビ朝日の横地郁英プロデューサーは「そもそも時効の事件を捜査するということからそうですが、やってもやらなくてもいいような謎解きが安心してみられるのではないでしょうか。年配向けの小ネタやギャグが多いのですが、幅広い世代でいろいろな楽しみ方をされていればうれしいですね」と語る。
昨年の1月期に放送され大人気を博した『時効警察』は、深夜枠で30〜50代をターゲットに想定しながら、その枠だからこそできる思い切った試行があり、その結果、幅広い層からの支持を得た。
そこには、演劇や舞台、映画など、いろいろなジャンルの要素を混ぜ合わせたストーリー、演出が取り込まれ、それをドラマで観る楽しさが受け入れられたといえる。横地氏が三木ワールドと呼ぶ、三木聡監督による出演者の独特の会話のテンポも人気を得た。
こうした試みが浸透していったことは、これまでの人気ぶりが示しているが、その路線を踏襲しつつ発展させたのがシリーズ第2弾となった今回の『帰ってきた〜』だ。
横地氏はその発展の例として、本作でもっとも成長しているのが、三日月しずか(麻生久美子)という。「オダギリさんも現場でアイデアを出しているんですが、今作では、麻生が三日月を演じるというよりも、三日月のほうが麻生に近づいているんです」。そこに新キャラである真加出が登場し、新しい風を吹き込むとともに全体が深みを増している。そして、現場を踏むたびに出演者、スタッフからアイデアが生まれ、個性豊かなそれぞれのキャラクターがそれを吸収してさらに発展していく。そんなところがコアファンを飽きさせず、新たなファン層も獲得していった。
前作と今作で、世代を超えて幅広いファン層を獲得していることを示した『時効警察』シリーズ。横地氏は、この先の「Part3」については、まったく未定としながらも「個人的にはやりたい」と語る。また、『TRICK』などこれまでの金曜ナイトドラマの成功例にみる、放送時間のプライム帯への移行や映画化についても現段階ではコメントを避けた。
その一方、オンエアで落とした小ネタはDVDで復活させたいとしながら、DVD向けのネタも台本に入っており、そのための収録を行っていることを明かした。「DVDで初めてみられるネタは、テレビ以上におもしろいですよ」(横地氏)。
多くの視聴者から支持を集め、すでに次回作への熱い期待を背負う本シリーズ。その最新作が登場するときは、これまで以上に大きな話題を呼ぶことだろう。
2007/06/08