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ライト感覚のゲームが人気!マーケットに新たな成長

個人の趣味嗜好に応じてエンターテインメントが多様化するなか、今、ゲーム業界も大きく変わりつつある。ゲーム市場を熱狂させたファミリーコンピュータ誕生から23年。メインユーザーである小中学生が少子化により減少しているという現状もさることながら、ゲーム市場は、既存のユーザー以外の層をとりこみながら拡大する方向へ進んでいる。ハードもソフトも多様化しながら国民的娯楽に成長しつつあるゲーム市場の現状を探ってみた。


ライト感覚のゲームが一気にブレイク!

 「自分の脳年齢はいくつだろう?」。
 松嶋菜々子のちょっとコミカルなCMを見て、おもわず購入した人も多いであろうゲームソフト、『東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』。前作の『脳を鍛える大人のDSトレーニング』とともに、遊び感覚で脳を活性化させ若さを保つというコンセプトが、熟年層を中心に大好評で、累積販売数は約550万本という驚異的なヒットとなった。

 同ソフトを楽しめるハード『ニンテンドーDS』の販売台数推計も、発売の04年12月から06年8月末までで約642万台、その進化型で06年3月発売のDS Liteは約400万台である(エンターブレイン調べ)。

 DS人気の要因は、タッチスクリーンに“触って”みるだけで簡単に操作できることだ。この操作性に加え、2枚の液晶画面、無線LAN対応機能、マイク入力機能などの各種機能、そして前述のような人気ソフトの出現も相まって、ゲームから縁遠かった中高年や女性の市場を一気に掘り起こしたのである。

 現在のゲーム人気のルーツは、83年7月の任天堂ファミリーコンピュータの登場だ。2年後には大人気ソフト『スーパーマリオブラザーズ』が発売。当時の熱狂を知るゲーム第一世代の中には40歳を超える人もいる。
 その後、『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といったビッグソフトが随所で登場。ゲーム市場は新しいハードの発売に合わせてソフトを充実、87年から04年の間に市場規模を1.5倍にまで成長させたといわれている。しかし、発売点数・売上規模は97年のピークを境に停滞、00年にはSCE(ソニー・コンピュータエンタテインメント)のプレイステーション2が発売になり、ソフト市場は活性化したが、市場規模拡大までには至らず、ゲーム業界はヒット商品を渇望していた。

 そんな時期に登場したのが、『ニンテンドーDS』なのである。直後にはライバル・SCEも携帯ゲーム機プレイステーションポータブルを発売。オンラインや携帯電話でできるゲームも増え、ライト感覚なゲーム市場は一気に広がりをみせている。
 日本最大のゲーム見本市・東京ゲームショウを主催するCESA((社)コンピュータエンターテインメント協会)によると、05年のゲーム総出荷額(輸出を含む)は1兆3598万円と前年比約49.6%増、国内市場規模(ソフト・ハード合算)は4965億円と前年比約13.8%増となった。06年に入ってもその勢いは衰えない。

ユーザー、開発者双方に魅力的な携帯ゲーム

 では、携帯ゲーム機がユーザーの絶大な支持を受けることとなった要因は何なのだろう。『週刊ファミ通』などでおなじみの(株)エンターブレイン代表取締役社長・浜村弘一氏はこう話す。
「一家に一台電話がある時代から一人一台になって久しいですが、ゲームも一人にひとつがライフスタイルに合ってきたのでしょう」。ゲームがiPodや携帯電話と同じレベルになりつつある証といえよう。

 「DVDを見たりテレビドラマをチェックしたり、いろいろ時間を取られるので、移動中に遊べて便利です」(25歳 OL)「メールをチェックする感覚で、空き時間に楽しめるのがいい」(22歳女子大生)との声のように、最近電車の中やカフェで、DSに向かう女性の姿が目立つようになってきた。ソフトの平易さや面白さもさることながら、彼女たちのライフスタイルにしっくりくる点が大きいのかもしれない。

 「当店は元々、客層が幅広いのですが、ここ最近はさらに顕著になってきました。年齢や趣味嗜好に応じたソフトが増えたことが大きいと思います。最近では、お孫さんがおじいちゃんおばあちゃんへのプレゼントでゲームを買っていくという光景も見られるようになっています」。そう証言するのは、ビックカメラ新宿西口店ゲームコーナー主任の渡辺基博氏。ユーザー多様化の実感は日々増しているとのこと。それゆえ人気ソフトも様々だ。

 「やはり『脳を鍛える大人のDSトレーニング』をメインとする、脳トレ系のソフトの人気は根強いです。さらに最近大人気なのが『しゃべる! DSお料理ナビ』です」(ビックカメラ渡辺氏)。調理ナビゲーションともいえる同ソフトは、もはやゲームといえるのかどうかもわからない。

 ほかには、『nintendogs』など動物を育成しながら癒される“癒し系”、ゲームの中のキャラクターとのふれあいを楽しむ“コミュニケーション系”の『おいでよ どうぶつの森』、『New スーパーマリオブラザーズ』などファミコンヒット作の進化型など、小中学生から女性やお年寄り、往年のファミコン世代まで、あらゆる層が自分の楽しみ方で遊べるソフトが続々と出現している。そんな市場を睨み、各メーカーはソフト開発において今後影響を受けるのだろうか?

 「低い開発費で作ることができる携帯用ゲーム機や携帯電話のソフトに注力するメーカーは増えると思います。とくに中小メーカーは美麗なCGや膨大なボリュームといった“人海戦術”を要するソフトでは大手に勝てないので、ゲーム性の面白さで勝負できる携帯機用のソフト開発は魅力的です」とは、『all About』で、任天堂ゲームのガイドも務めるゲームライターの川島圭太氏。ちなみに06年9月〜11月のDS Liteのライセンシーソフト(自社以外のソフト)のラインナップには26社が参入しており、今後ますます新たなメーカーが入り込みそうだ。

ゲーム市場はますます熾烈な競争になる

 現在、業界やゲームファンの話題の中心は、06年11月11日発売のSCEのプレイステーション3、12月2日発売の任天堂のWiiという家庭用ゲーム機の2大勢力の行方についてである。
 先行するPS3は、Cellという高性能プロセッサを搭載し、ブルーレイディスクの再生も可能など、ゲーム機というよりは次世代デジタル家電という感じだが、価格は発売前に変更され4万9980円。一方の任天堂Wiiは、ゲームらしさを前面に打ち出し、直感操作のリモコン、懐かしのゲーム機の旧作ソフトをダウンロードできるバーチャルコンソールという機能があり、価格は2万5000円である。

 「結論からいうとどちらも生き残ると思います。Wiiはゲームに特化してむしろ玩具に近い。PS3は情報家電として音楽や映画やゲームをダウンロードして最先端のCGを楽しめる。そんな双方の特性でユーザーの住み分けができますから。ただ、今後注目すべきなのは今までの枠を超えたゲーム業界の広がり方についてです。ソフトメーカーは、ゲーム用だけではなく、携帯電話用やPCにダウンロードできるソフトを作っていますし、ユーザーも新しい方向を見ていますから」(エンターブレイン浜村氏)。

 先日の東京ゲームショウでは、PC向けのオンラインゲームが脚光を浴び、10 月24日から開始される携帯電話のナンバーポータビリティ制度を機に、各社はゲームコンテンツを充実させてきそうだ。いずれにせよ、ゲームが音楽や映像と同様に国民的エンターテインメントとしての地位を築きつつあることだけは間違いなさそうだ。
(取材・文/伊波達也)






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