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ブレイク寸前!Jーレゲエ・シーンその人気の理由


 レゲエ・シーンが盛り上がっている。今年に入って、MEGARYUのブレイク、湘南乃風「純恋歌」も好調で、夏に向けて今までになくレゲエ関連作品がリリースされている。また、全国各地でレゲエイベントも定期的に開催されており、集客も好調であるという。レゲエが若者の心を捉える理由は? なぜこれほど人気があるのだろうか。本特集ではレゲエ・シーンの現状とその魅力に迫る。

日本レゲエ界を盛り上げるダンスホール・シーン

 日本のレゲエ・シーンがここ数年凄まじい人気を集めている。湘南乃風やMINMI、FIRE BALL、PUSHIMといったアーティストはチャートの上位に名を連ね、インディーながら、KEN-Uの『DOKO』もスマッシュヒットを記録した。MIGHTY CROWNが主催するビッグ・フェスティバル〈横浜レゲエ祭〉は昨年2万人以上の動員を記録し、今年は横浜スタジアムを舞台に3万人規模で開催。

 また、大阪ではMIGHTY JAM ROCK主催の〈HIGHEST MOUNTAIN〉が2万人規模で行われる他、日本各地で日本人レゲエ・アーティストを中心にした大規模な野外イべントが開かれることになっている。こうした動きは〈横浜レゲエ祭〉が初の野外開催を成し遂げた03年(1万人規模での開催)あたりから顕著になってきたものだが、ここ数年はさらに上昇傾向を見せており、シーンとしても過去例のないほどのブームを継続している。

 ただし、ひと口に〈日本のレゲエ・シーン〉と言っても、ダンスホールやスカ、ルーツ・レゲエ、そして他のクラブ・ミュージックの要素を採り入れたハイブリッドなレゲエ・アクトなどいくつかのシーンに分かれており、上記の動向はダンスホール・スタイルのアーティストを中心にしたものである。もちろんスカやルーツ・レゲエのシーンも成熟、定着を見せており、異なるシーンの間で影響を与え合ったりコラボレーションもたびたび行われているが、シーンとしてはそれぞれ別の流れから形成されていると思っていただいて間違いない。
 ここでは、日本レゲエ界のダンスホール・シーンを中心に紹介しながら、その人気の秘密を探ってく。

  強い連帯意識はピースフルなムードとして表面化  

 現在のダンスホール・シーン人気を牽引するアーティストたち――後にFIRE BALLやMIGHTY JAM ROCKを結成することになる面々やRYO the SKYWALKER、PUSHIM、H-MANらが活動を本格的にスタートさせたのは、90年代初頭から半ばにかけてのこと。この時期はジャマイカン・アーティストたちが大挙して出演する巨大フェスティバルが夏の風物詩となっていた。

 上記アーティストたちの多くはこれらのフェスティバルを観客として体験し、その衝撃を元にマイクを握り始めた世代にあたる。その少し前の80年代にはランキン・タクシーや彼が主宰するサウンドシステム〈TAXI HI-FI〉の他、横浜を拠点とするサウンドシステム〈BANANA SIZE〉などが活動をスタートさせ、東京では彼らに続くようにBOY-KENらを擁するレーベル/サウンドシステム〈V.I.P〉が活発な活動を展開するようになっていたが、90年代半ばのシーンはまさに谷間の時期。イベントの観客動員も芳しいものではなかったようだが、そういった苦境を共に乗り越えてきたことが現在のシーンの主要メンバーの間に連帯意識を持たせることになったようだ。

 そうした仲間意識はピースフルなムードとして表面化し、ダンスホール人気を支えることにもなった。例えば、主だったビッグ・イベントのほとんどに出演するダンスホール・バンド、Home Grownの「OASIS」や「IRIE MUSIC」といった楽曲は90年代半ばから活動をスタートさせた世代の多くがマイクを回し合う(ヒップホップで言うところの)ポッセ・カットだが、これらの楽曲が放つ“ピース&ハッピー”なムードは、現在のシーンを象徴するものと言えるだろう。

 また、21世紀に入ってシーンが急激な成長を遂げた理由のひとつとしては、そういったピースフルなムードがストリート・カルチャーに基づいたポップスの一種としてリスナーに受け入れられたことがある。パンクやヒップホップ・シーンの成長/定着にも同様の後ろ盾があったと言えるが、ダンスホールはポップスとの親和性が高いぶん、より広いリスナーから求められることになった。

 ダンスホール・シーンの成長を考えた時、もうひとつ重要なのはこのシーンが一都市で集中的に形成されたものではなく、大阪や横浜、名古屋の他、全国のローカル・シーンでしっかりと育まれてきたことが挙げられる。その基盤となっているのが、各地のクラブで毎夜行われているイベント。〈横浜レゲエ祭〉や〈HIGHEST MOUNTAIN〉といったビッグ・イベントもこうしたローカル・イベントから始まったものであり、一極集中のムーブメントではないことがシーンの底力となっていることを忘れてはいけない。

自由な表現形態をもつレゲエ

 現在のレゲエ・シーンは実に多様化している。ルーツ・レゲエ〜ラヴァーズの要素をバランス良く織り交ぜたDUBSENSEMANIAや、伸びやかな女性ボーカルをフィーチャーしたBAGDAD CAFE THE TRENCH TOWN、活動休止中のDRY & HEAVYの各メンバーもソロ活動で忙しい。RUB-A-DUB MARKETやSLY MONGOOSEのようなハイブリッドなレゲエ・アクトも魅力的な近作を残しており、挙げていけばキリがないほどだ。

 ただ、レゲエに対するアプローチは異なれど、ジャマイカで生まれたこの音楽に対し、日本人としてどのように接していくのか、という態度はそれぞれに共通するもの。Def Techやタカチャのようにレゲエ・フィーリングを採り入れたポップ・アーティストも多く登場し、レゲエの持つ境界線が一見見えにくくなっている現在のシーン。だが、それぞれのやり方で、実は自由な表現形態を持つレゲエという音楽と格闘し、自身の音楽スタイルを獲得しようとしているのだ。(文・大石始)

2006年 主なレゲエイベント地図と一覧はこちらから


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