細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』(公開中)に、主人公スカーレットの宿敵クローディアスの家来の一人、ギルデンスターン役で参加した染谷将太。『おおかみこどもの雨と雪』(2012年)から10年以上にわたって細田作品への出演歴を持つ染谷だが、今回は“声からキャラクターを作る”という、これまでにないアプローチを求められたという。プレスコならではの収録体験、長年の細田組への思い、作品に込められたテーマについて聞いた。
■プレスコ・CG・中世世界――“挑戦する細田守”を現場で実感
これまで細田作品では『おおかみこどもの雨と雪』で雪の小学校の先生役、『バケモノの子』(15年)では主人公の九太、『竜とそばかすの姫』(21年)では主人公の同級生・カミシンを演じてきた染谷。しかし、今回はギルデンスターンというキャラクターを「声から作ってほしい」と監督に求められた。
「今までは自分の声の延長線上の自然な芝居を求められてきたと思うのですが、今回はまったく違って。ローゼンクランツ役の青木崇高さんと一緒に録ったんですが、監督から“もっと誇張して、大きくやってください”とたくさん言われました。結果、最終的には“もう自分の声じゃなくなっていた”という感覚で(笑)。完成版を観て“これ俺の声だっけ?”と思いました。毎回全然違うキャラクターを任せてもらえるのはすごくうれしいですし、光栄です」
『果てしなきスカーレット』では、既存のセル(=手描きのセル画)では不可能な表現にCGを活用するなど、細田監督は新たな挑戦に踏み出していた。そのため音声収録では初めてプレスコ(せりふを先に収録し、その音源に合わせて映像を制作する手法)が採用され、アニメーションが完成していない状態での収録も新鮮だったと振り返る。
収録手法は変わっても細田監督ならではの演出については「問いかける演出」が特徴だという。
「“このシーンで、このキャラクターはどういう気持ちなんだろうね?”と問いかけてくださる。そこから自分で想像を広げて芝居で返していく。答えを一緒に探しながら進んでいく感じは以前と変わらずで、それがすごく好きです」
今回は現代を生きる等身大の女の子ではなく、16世紀のデンマークの王女を主人公にするという設定も、細田監督にとって初めての挑戦となった。作品を観て「細田作品らしさと、新しさの両方を強く感じた」と語る。
「世界観が違う分、一味違う細田監督を感じましたが、その中にも確かに“細田監督らしさ”がある。新しい世界の広がりは、この作品が伝えようとしているテーマを表現するために必要なものなんだと感じましたし、避けて通れないテーマを正面から描こうとしている覚悟も伝わってきました。一方で、細田監督がこれまでの作品で描いてきたさまざまなテーマが『果てしなきスカーレット』では一つにつながっていると感じました。家族の物語には愛があり、愛は友情にも広がっていく。人と人が関わる以上、そこには衝突もあれば和解もある。どれか一つを切り離すことはできなくて、すべてが密接に重なり合い、一つの大きなテーマを形づくっている作品だと思いました。でも現場に行くと、いつものひょうひょうとした細田さんがいる(笑)。その自然体で挑戦し続ける姿がすごくかっこいいと思います」
特に心に残ったシーンは、後半の“階段を上がる場面”だという。
「閉ざされた世界の中から希望が見えた瞬間、無条件に涙があふれたんです。解放されていく瞬間が本当に美しく描かれていました。でも、それで“終わり”ではないんですよね。その先にまた壁がある。現実と向き合うしかないという厳しさもあって…すごく深い場面だと思いました」
■細田作品は“人生の節目を照らす存在”
19〜20歳の頃、『おおかみこどもの雨と雪』で初参加して以来、数年おきに作品へ参加してきた中で、細田作品は「人生の補給地のような存在」だと語る。
「作品ごとに、その時代に響く“今”が反映されていますし、自分も歳を重ねる中で価値観や考え方が変わっていく。その節目ごとに作品に参加して、自分自身と向き合う時間をもらっているような感覚があります」
作品を観終えたときには、必ず“価値観が更新される瞬間”があるという。
「作品を観て自分はこう感じた──その気づきを通して、自分の価値観を少し改めるような感覚があるんです。細田さんの作品が公開されるたびに、旧作を見返すたびに、“新しい栄養をもらう”ような、補給地のような存在ですね。人生を豊かにしてくれる方だと心から思っています」
最後に、観客へのメッセージをこう語った。
「スカーレットという主人公がとても魅力的で、その冒険は容赦なくて、これまでにない体験をさせてくれるはずです。誰も無関係ではないテーマを描いている作品なので、ぜひ劇場で観て、この世界の“当事者”になってほしいですね。スカーレット役の芦田愛菜さん、現代から来た看護師役の岡田将生さんの演技がとても素晴らしいです」
■『果てしなきスカーレット』あらすじ
父の敵への復讐に失敗した王女・スカーレットは、《死者の国》で目を覚ます。ここは、人々が略奪と暴力に明け暮れ、力のない者や傷ついた者は〈虚無〉となり、その存在が消えてしまうという狂気の世界。敵である、父を殺して王位を奪った叔父・クローディアスもまたこの世界にいることを知り、スカーレットは改めて復讐を強く胸に誓う。そんな中、彼女は現代の日本からやってきた看護師・聖と出会う。時を超えて出会った二人は、最初は衝突しながらも、《死者の国》を共に旅することになる。
【動画】芦田愛菜が歌うエンディングテーマ「果てしなき」特別PV
■プレスコ・CG・中世世界――“挑戦する細田守”を現場で実感
これまで細田作品では『おおかみこどもの雨と雪』で雪の小学校の先生役、『バケモノの子』(15年)では主人公の九太、『竜とそばかすの姫』(21年)では主人公の同級生・カミシンを演じてきた染谷。しかし、今回はギルデンスターンというキャラクターを「声から作ってほしい」と監督に求められた。
「今までは自分の声の延長線上の自然な芝居を求められてきたと思うのですが、今回はまったく違って。ローゼンクランツ役の青木崇高さんと一緒に録ったんですが、監督から“もっと誇張して、大きくやってください”とたくさん言われました。結果、最終的には“もう自分の声じゃなくなっていた”という感覚で(笑)。完成版を観て“これ俺の声だっけ?”と思いました。毎回全然違うキャラクターを任せてもらえるのはすごくうれしいですし、光栄です」
収録手法は変わっても細田監督ならではの演出については「問いかける演出」が特徴だという。
「“このシーンで、このキャラクターはどういう気持ちなんだろうね?”と問いかけてくださる。そこから自分で想像を広げて芝居で返していく。答えを一緒に探しながら進んでいく感じは以前と変わらずで、それがすごく好きです」
今回は現代を生きる等身大の女の子ではなく、16世紀のデンマークの王女を主人公にするという設定も、細田監督にとって初めての挑戦となった。作品を観て「細田作品らしさと、新しさの両方を強く感じた」と語る。
「世界観が違う分、一味違う細田監督を感じましたが、その中にも確かに“細田監督らしさ”がある。新しい世界の広がりは、この作品が伝えようとしているテーマを表現するために必要なものなんだと感じましたし、避けて通れないテーマを正面から描こうとしている覚悟も伝わってきました。一方で、細田監督がこれまでの作品で描いてきたさまざまなテーマが『果てしなきスカーレット』では一つにつながっていると感じました。家族の物語には愛があり、愛は友情にも広がっていく。人と人が関わる以上、そこには衝突もあれば和解もある。どれか一つを切り離すことはできなくて、すべてが密接に重なり合い、一つの大きなテーマを形づくっている作品だと思いました。でも現場に行くと、いつものひょうひょうとした細田さんがいる(笑)。その自然体で挑戦し続ける姿がすごくかっこいいと思います」
特に心に残ったシーンは、後半の“階段を上がる場面”だという。
「閉ざされた世界の中から希望が見えた瞬間、無条件に涙があふれたんです。解放されていく瞬間が本当に美しく描かれていました。でも、それで“終わり”ではないんですよね。その先にまた壁がある。現実と向き合うしかないという厳しさもあって…すごく深い場面だと思いました」
■細田作品は“人生の節目を照らす存在”
19〜20歳の頃、『おおかみこどもの雨と雪』で初参加して以来、数年おきに作品へ参加してきた中で、細田作品は「人生の補給地のような存在」だと語る。
「作品ごとに、その時代に響く“今”が反映されていますし、自分も歳を重ねる中で価値観や考え方が変わっていく。その節目ごとに作品に参加して、自分自身と向き合う時間をもらっているような感覚があります」
作品を観終えたときには、必ず“価値観が更新される瞬間”があるという。
「作品を観て自分はこう感じた──その気づきを通して、自分の価値観を少し改めるような感覚があるんです。細田さんの作品が公開されるたびに、旧作を見返すたびに、“新しい栄養をもらう”ような、補給地のような存在ですね。人生を豊かにしてくれる方だと心から思っています」
最後に、観客へのメッセージをこう語った。
「スカーレットという主人公がとても魅力的で、その冒険は容赦なくて、これまでにない体験をさせてくれるはずです。誰も無関係ではないテーマを描いている作品なので、ぜひ劇場で観て、この世界の“当事者”になってほしいですね。スカーレット役の芦田愛菜さん、現代から来た看護師役の岡田将生さんの演技がとても素晴らしいです」
■『果てしなきスカーレット』あらすじ
父の敵への復讐に失敗した王女・スカーレットは、《死者の国》で目を覚ます。ここは、人々が略奪と暴力に明け暮れ、力のない者や傷ついた者は〈虚無〉となり、その存在が消えてしまうという狂気の世界。敵である、父を殺して王位を奪った叔父・クローディアスもまたこの世界にいることを知り、スカーレットは改めて復讐を強く胸に誓う。そんな中、彼女は現代の日本からやってきた看護師・聖と出会う。時を超えて出会った二人は、最初は衝突しながらも、《死者の国》を共に旅することになる。
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2025/11/26