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“スニーカー投資”個人で儲ける方法「地方の実家に住んでいる若者たちにチャンス」【スニーカー解説】

 スニーカーをあらゆる側面から解説した『スニーカー学』(KADOKAWA刊)が発売された。著者は、スニーカーショップ「atmos」創設者で、スニーカービジネスの表と裏を知り尽くす業界のキーパーソンとしても知られる本明秀文氏。二次流通、プレ値、SNS消費 インバウンド 投資 NFT 真贋鑑定 コラボ テック系といったキーワードをもとに、スニーカーブームのからくりや、「投資財」としての役割なども解説する。同書から、個人ベースでスニーカー投資で儲けるポイントについて解説した内容を、一部抜粋して紹介する。

クリスティアーノ・ロナウド とのコラボレーション「NIKE AIR MAX 97 CR7」

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■個人ベースのスニーカーの投資で儲けている人はいるのか

 チームで動く転売ヤーやbot、さらにはスーパーコピーなど、これから実際にスニーカー投資をはじめようと思っている人には想像以上の障害が立ちはだかっています。

 では、個人でスニーカー投資を実践することは無理なのかというと、十分に可能です。ただし、転売ヤーと同じ土俵で戦わずに独自の路線を行く必要がありますし、2022年までのような、人気モデルの発売日に並んで手に入れるやり方は通用しません。

 では、いったいどうやればよいのか。たとえばスニーカー投資を実践している某アカウントがあるのですが、その人はフォロワー数も2桁と、ほとんど注目されていませんが、おそらくスニーカー業界に長く身を置き、きっと副業として成立するほどの儲けを出しているのでしょう。もちろん、その人は転売ヤーのように誰もが欲しがるスニーカーの抽選にキャパを揃えて応募するような買い方もしていません。では、彼は一体どういう手法を用いてスニーカー投資で儲けを出しているのか。

 ひとつは、発売直後に値上がりすることが確実な大人気モデルではなく、そこまで人気ではないモデルを選ぶこと。次に重要なのが、海外で人気のモデルを選ぶということです。

 たとえば人気モデルであるエアジョーダン1 OGがリリースされた時も、彼はエアジョーダン1を買い集めるようなことはやりません。その代わりに比較的人気が落ち着いていて、定価から1000円プラスしたほどの価格で集められるエアジョーダン4を数年寝かせるつもりで「メルカリ」や「ヤフオク」、スニーカー専門二次流通サイトを駆使して買い集めています。ジョーダン4は日本での人気はそれほどでもありませんが、アメリカで人気があるモデルです。しかし現在はプレ値が付いていないので、みんな普段用として履き潰す。さらに人気モデルのエアジョーダン1よりもエアジョーダン4のほうが圧倒的に生産数が少ないため、数年経った時には市場から新品が無くなって高騰する、という仕組みです。

 すなわち、転売ヤーが価値に気づいたことで争奪戦が過熱し、エアジョーダン1よりもエアジョーダン4を狙う二次流通市場ができあがるのです。

 私も2021年に「絶対にこれから値上がり確実なスニーカーを教えてくれ」と尋ねられた時に定価割れしていたエアジョーダン1 OGシャドーを薦めたことがあるのですが、現在は7万円を超える価格で取引されています。これも安定的な人気を誇るOGでありながら同じく定価割れしていたスニーカーのため、履き潰されて市場から無くなると必然的に値段が上がっている例と言えるでしょう。

 また、慣れていない人は使い慣れた「ヤフオク」や「メルカリ」で転売することが多いものですが、スニーカー投資に長けた人は販売する際に値段が上がっているタイミングでオークションサイトだけでなく、「StockX」をはじめとしたスニーカー専門の二次流通のサイトに同一のスニーカーをアップし、日本国内だけでなく世界に対して販売する。日本で人気のないアイテムでも海外に向けて売ることで利益を確保しつつ、どこかひとつのサイトで売れたらその他の出品を取り下げる、という売り方をします。

キリアン・エムバペとの コラボレーション「NIKE AIR MAX 98 KM」

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 そして、もうひとつの方法はアウトレットモールを回って、セールになっている不人気スニーカーを海外向けに転売する、という方法です。これは先ほど紹介した人とは別人なのですが、アウトレットの近くに住んでいる人が学生に依頼して学割を使ったり、会員割や誕生日割を使ったりと、あの手この手で安くスニーカーを手に入れて海外向けにせどりをおこなっています。

 また、それらの不人気スニーカーの多くは数年経てば履き潰されてしまう宿命にあります。その結果、市場から無くなったタイミングで需要と供給が逆転し、プレ値が付く可能性も大いにあります。

 ただし、これらの方法は都心部に住んでいる人には不可能な方法です。なぜなら数年スパンで寝かせることが必要なうえにスニーカーは予想以上に嵩張(かさば)るため、ワンルーム住まいの学生ではスニーカーを100足長期保管することは不可能だからです。言い換えるとショップに並びやすい都心部在住者ではなく、地方の実家に住んでいる若者たちにチャンスのある方法と言えるでしょう。2018年に厚生労働省から「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が提示され、国としても積極的に副業を推奨していく流れになりつつあります。スニーカー業界が一億総転売ヤーとも言える状況になったのは、生まれるべくして生まれた流れなのかもしれません。

■本明秀文プロフィール
atmos創設者。元Foot Locker atmos Japan最高経営責任者。1968年生まれ。90年代初頭より、米国フィラデルフィアの大学に通いながらスニーカー収集に情熱を注ぐ。商社勤務を経て、1996年に原宿で「CHAPTER」をオープン。2000年に「atmos」を開き、独自のディレクションが国内外で名を轟かせ、ニューヨーク店をはじめ海外13店舗を含む45店舗に拡大。2021年8月、米国の小売大手「Foot Locker」が約400億円で買収を発表。スニーカービジネスの表と裏を知り尽くす業界のキーパーソン。

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