俳優・光石研の12年ぶり映画単独主演作、かつ二ノ宮隆太郎監督の興業デビュー作でもある映画『逃げきれた夢』が、「第76回カンヌ国際映画祭」ACID部門へ正式出品されることになり、二ノ宮監督と光石からコメントが届いた。
南仏・カンヌに世界中から映画人が集まる「カンヌ国際映画祭」。今年は5月16〜27日に開催される。ACID部門は、監督週間と批評家週間に並ぶカンヌ映画祭の3つの並行部門のひとつであり、1993年に芸術的な作品を支援するために映画作家たちが創設した「インディペンデント映画普及協会(ACID)」が独自に立ち上げ、作品選定・運営を行っている。
30年の歴史を持つ重要な部門では、毎年世界の先鋭的な9作品を紹介しており、今年は約600作の応募作品から『逃げきれた夢』が見事正式出品作のひとつとして選出。昨年同部門に出品された『やまぶき』(山崎樹一郎監督※崎=たつさき)に続けて日本映画では2本目なる。
選定委員による選定理由には、「非常に深みのある作品」、「演出、そしてシーンの構築が素晴らしい。儚さを受け入れなければならないが、そこに飛び込むと、逸品が待っている」といった言葉が並び、作品が高く評価されたことがうかがえる。
二ノ宮監督は「尊敬するキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できましたこと、そして素晴らしい環境で上映できることに感謝しかないです」、主演の光石は「カンヌでの上映、観ていただいた方々の反応が楽しみです。そして、個人的には我が九州弁がカンヌに轟(とどろ)く快感、身震いします」といった歓喜のコメントを寄せている。
同映画は、光石の故郷でもある北九州を舞台に、定時制高校で教頭を務める中年男・末永周平が人生のターニングポイントに気付き、不安定な心を抱えながらもテキトーにこなしてきた「これまで」に区切りをつけ、「これから」のために新たな一歩を進もうとする姿を描く。
■二ノ宮隆太郎監督のコメント(全文)
福岡県北九州市の黒崎の街を、光石研さんと歩かせていただいたのがこの映画の始まりでした。そこは光石研さんが生まれ育った街で、過ごされた時間への想いが、この映画に詰まっています。北九州オールロケの作品です。撮影時には地元の皆様に本当に支えていただきました。尊敬するキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できましたこと、そして素晴らしい環境で上映できることに感謝しかないです。
■光石研のコメント(全文)
カンヌ映画祭、ACID部門正式出品の一報を聞き、本当にうれしい限りです! この映画は、小さな町の小さな男の話です。でも、例えばEUの小さな町の小さな男の話でもあるのです。すなわち、グローバルな話です。ヨーロッパの人々にも共感していただけると思います。カンヌでの上映、観ていただいた方々の反応が楽しみです。そして、個人的には我が九州弁がカンヌに轟く快感、身震いします。二ノ宮監督、良かったね! そして、ありがとう!
■ACID部門 選定委員のコメント(翻訳)
非常に深みのある作品。トルストイの「イワン・イリッチの死」の登場人物や設定を現代に置き換えているようで、題材こそ新しくはないが、現代に生きる男が人生の意味に向き合う姿を描いている。それはまさに現実の狭間といえる。社会情勢が異なる19世紀と時は異なるが、すべてが繊細で、非常に一般的かつ重要な問題を表現している。(リナ・ツリモヴァ)
演出、そしてシーンの構築が素晴らしい。儚さを受け入れなければならないが、そこに飛び込むと、逸品が待っている。(ヴィケン・アルメニアン)
南仏・カンヌに世界中から映画人が集まる「カンヌ国際映画祭」。今年は5月16〜27日に開催される。ACID部門は、監督週間と批評家週間に並ぶカンヌ映画祭の3つの並行部門のひとつであり、1993年に芸術的な作品を支援するために映画作家たちが創設した「インディペンデント映画普及協会(ACID)」が独自に立ち上げ、作品選定・運営を行っている。
30年の歴史を持つ重要な部門では、毎年世界の先鋭的な9作品を紹介しており、今年は約600作の応募作品から『逃げきれた夢』が見事正式出品作のひとつとして選出。昨年同部門に出品された『やまぶき』(山崎樹一郎監督※崎=たつさき)に続けて日本映画では2本目なる。
選定委員による選定理由には、「非常に深みのある作品」、「演出、そしてシーンの構築が素晴らしい。儚さを受け入れなければならないが、そこに飛び込むと、逸品が待っている」といった言葉が並び、作品が高く評価されたことがうかがえる。
二ノ宮監督は「尊敬するキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できましたこと、そして素晴らしい環境で上映できることに感謝しかないです」、主演の光石は「カンヌでの上映、観ていただいた方々の反応が楽しみです。そして、個人的には我が九州弁がカンヌに轟(とどろ)く快感、身震いします」といった歓喜のコメントを寄せている。
同映画は、光石の故郷でもある北九州を舞台に、定時制高校で教頭を務める中年男・末永周平が人生のターニングポイントに気付き、不安定な心を抱えながらもテキトーにこなしてきた「これまで」に区切りをつけ、「これから」のために新たな一歩を進もうとする姿を描く。
■二ノ宮隆太郎監督のコメント(全文)
福岡県北九州市の黒崎の街を、光石研さんと歩かせていただいたのがこの映画の始まりでした。そこは光石研さんが生まれ育った街で、過ごされた時間への想いが、この映画に詰まっています。北九州オールロケの作品です。撮影時には地元の皆様に本当に支えていただきました。尊敬するキャスト、スタッフの皆さんとご一緒できましたこと、そして素晴らしい環境で上映できることに感謝しかないです。
■光石研のコメント(全文)
カンヌ映画祭、ACID部門正式出品の一報を聞き、本当にうれしい限りです! この映画は、小さな町の小さな男の話です。でも、例えばEUの小さな町の小さな男の話でもあるのです。すなわち、グローバルな話です。ヨーロッパの人々にも共感していただけると思います。カンヌでの上映、観ていただいた方々の反応が楽しみです。そして、個人的には我が九州弁がカンヌに轟く快感、身震いします。二ノ宮監督、良かったね! そして、ありがとう!
■ACID部門 選定委員のコメント(翻訳)
非常に深みのある作品。トルストイの「イワン・イリッチの死」の登場人物や設定を現代に置き換えているようで、題材こそ新しくはないが、現代に生きる男が人生の意味に向き合う姿を描いている。それはまさに現実の狭間といえる。社会情勢が異なる19世紀と時は異なるが、すべてが繊細で、非常に一般的かつ重要な問題を表現している。(リナ・ツリモヴァ)
演出、そしてシーンの構築が素晴らしい。儚さを受け入れなければならないが、そこに飛び込むと、逸品が待っている。(ヴィケン・アルメニアン)
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2023/04/18