テレビ東京「ドラマ24」の『生きるとか死ぬとか父親とか』が9日よりスタート(毎週金曜 深0:12〜0:52※テレビ大阪のみ翌週月曜 深0:00〜0:40)。ジェーン・スーの同名タイトルの小説を原作とした同作は、愛きょうはあるが自由奔放な父と、それに振り回される中年の娘のおもしろおかしくて、ときどき切ない家族の愛憎物語となっているが、ジェーン・スー自身をモデルにした主人公・蒲原トキコを演じる吉田羊が、作品の大きな核のひとつであるラジオパートや自身の家族観などを語った。
■田中みな実との共演シーンに達成感 安住・おぎやはぎ・バナナマンのラジオの魅力
――トキコの冠ラジオ『トッキーとヒトトキ』では、番組を進行するアナウンサー・東七海を田中みな実さんが演じられています。
田中みな実ちゃんは無敵でした(笑)。彼女は本当にかわいくて、美人で、可憐で、スタイルもよくて、クレバーで、やさしくて、ユーモアもあって…本当に非の打ち所がない方でしたね。彼女はアナウンサー出身で現在もラジオの番組を持っていらっしゃいますから、現場の誰よりもラジオをわかっている方でした。細かい小道具の使い方ですとか、台本に関しても「ここではこういうコメントはしません」といった、たくさんのアドバイスをいただきました。お芝居も、ご本人がもともと持っていらっしゃる勘みたいなものがあって、集中力と演技力で本当にステキな表情を毎回見せてくれましたし、私のお芝居を受けてくださったので、とても心強いパートナーでした。なにより、みな実さんはスーさんと仲が良く、よくご存知ですので、「相談メールを読んでいる間、スーさんがどういうことをしているか」とかも教えていただきました。
――好きなシーンはどこですか?
やはり、ラジオシーンですね。膨大なせりふ量でひーひー言いながら撮影した記憶がありましたけど、大変な思いをしたシーンは、それだけ思い入れもひとしおです。撮影では、ラジオのリアルな雰囲気を出すために、みな実ちゃんとカメラの回っていない間もずーっとしゃべっていたんです。何気ないおしゃべりの延長線上で「よーいスタート」みたいな感じで入って。その空気感が伝わったらうれしいですし、カットがかかるまでの間はリアルにアドリブでつないでいるんです。みな実ちゃんはしゃべれちゃうから、カットかかるまで延々としゃべっているんですね。だから、監督さんも最初は台本あった方がいいですかって確認していたのが、早々にアドリブでって丸投げするようになっちゃって(笑)、毎回必死でつないでいましたけど、それがどれくらい使われるかわかりませんが、どこまで台本かなあとか想像して楽しんでいただけたらうれしいです。
――TBSラジオを忠実に再現したセットも話題になっています
TBXラジオというラジオ局の名前も含めて、限りなくTBSさんを匂わせているんですよ(笑)。スーさんもご自身の番組でドラマの話をしてくださって、TBSラジオでテレビ東京のドラマの宣伝をするという局の垣根をこえた、すばらしい世界が実現しています。この先、このドラマが何か奇跡を起こすんじゃないかなと期待しています(笑)。
――羊さんご自身のラジオ体験についてお聞かせください。
私のラジオに関する最初の記憶は中学生の時に聞いていたラジオ番組。そのロケが家の近くで行われていることを知って、急いで行って、インタビューされました(笑)。その時のテーマが「最近あった、うれしかったこと」だったのですが、私は当時好きな人に告白をして「いいよ」という返事をもらいましたっていうことをしゃべったのですが、インタビューの人は「それがどうした?」っていう顔をされていましたね(笑)。最近はリスナーとしてTBSラジオを聞いていることが多いです。『安住紳一郎の日曜天国』は好きでよく聞いていて、テレビで見せない黒い安住紳一郎さんが好きです。あとは、共演された方のラジオはよく聞いています。去年でいうと『木曜JUNK おぎやはぎのメガネびいき』や『金曜JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD』だったり。バナナマンさんの番組はちょっと最後まで聞くのに力が必要ですね(笑)。下ネタ満載になってくると、ちょっと…。
――先日は、スーさんのラジオに「ジェーン・ヨー」としてメールを出されていましたね。
そうなんですよ(笑)。あの日が情報解禁で、スーさんがラジオで宣伝してくださったのですが、撮影現場でみんなといて「これって、送ったら読んでくれるのかな」と思って、最初はインスタのDMから番組宛てに送ったんです。すると一向に既読にならず、これはオンエアに間に合わないぞと思って、慌ててメールに切り替えたら、マネージャーさんにも言わずに送ったので「これはご本人ですか?」と、スーさんの番組スタッフさんから私のマネージャーさんに確認が入り、マネージャーさんと私で「羊さん、出しました?」「すみません、出しました」っていうやりとりがありました(笑)。番組の最後に取り上げてくださって、盛り上がったので、よかったです。
■松岡茉優の成長に感慨 自身の家族観は「一番大切で一番怖い人たち」
――トキコの元カレ役の岩崎う大さんについて
ご自身も脚本を書かれる方なので、すごく台本を読み込まれている印象でした。書かれているせりふをないがしろにしないというか、自分が気持ち悪いと感じることがあったとしたら、そっちを優先するのではなくて、あくまで脚本に書かれているせりふを言うにはどういう感情の流れなんだろうかと、脚本を軸に役を構築されていく様(さま)が、作家さんに対するリスペクトがあるなと。あとは「羊さんって、クールで強い役をやっているイメージがあるので、かっこいい方かと思っていましたが、かわいい方なんですね」って言っていただきました(笑)。真意はわからないですが(笑)。
――本人役で出演された岩井勇気さん、平子祐希さんについて
アルピー平子さんと岩井さんは、ご本人たちが「芝居合戦だ」「俳優としての代表作になった」などとコメントされていますが(笑)、そうだったんだって思いました(笑)。芸人の方は、呼吸と間が抜群にお上手でいらっしゃるので、特別打ち合わせすることもなく、本当に一発で呼吸を読んでくださったので、それはすごいなと感じました。シーン自体は残念ながらそこまで長くないんですが(笑)、アドリブに強いっていうのが存分に生かされたお芝居だったなと。こっちがどんな球を投げても確実に返して、しかも面白くして返してくださりました。
――20代のトキコを演じた松岡茉優さんについて
松岡茉優ちゃんとは4年ぶりのドラマ共演だったのですが、クレバーさに磨きがかかっていて、聡明な若スーさんを演じられる方は彼女以外いないなと思わせるたたずまいでした。数少ない共演シーンでも繊細な表現で心を動かされましたね。この4年間で、彼女も数多くの現場を経験されてきて、どっしりされたというか、良い日々を過ごされているなという母親のような気持ちで見ていました(笑)。茉優ちゃんは毎回なついてくれるんですよね。カメラが回っていないところは昔と同じで、相変わらずの人たらしっぷりも健在だなと思いました(笑)。
――羊さん自身は、実際に悩み相談を受けるタイプ、人に相談するタイプ?
厳密に言うと、どちらでもないのですが、それだとつまらないので、する方が多いかな(笑)。人に相談する時は答えが決まっていることが多くて、自分の意見に自信が持てるように再確認するような感じです。相談を受けるのは苦手です。仕事ができる役をいただくことが多いので、相談をしたらスパスパと返してくれるんだろうなみたいな期待値の高さを感じてそれがプレッシャーとなり自爆(笑)。だから最初に予防線を張って「話を聞くだけなら」と伝えています(笑)。
――家族を題材にしている作品ですが、羊さんの子どもの頃の印象に残っている思い出は?
小学生の時に、末っ子ということもあり、きょうだいの中でも一番父にかわいがられていたんです。ある時、父が長い出張から帰ってきて、私がうれしくて離さなかったんですよ。父が「ちょっと着替えてくるから」って、自分の部屋に引っ込んだ瞬間に、母が鬼のような形相で「アンタだけのお父さんじゃないのよ」と、私に向かって言ったんです(笑)。それくらい、ウチの両親は、死ぬまでお互いが一番で愛し合っていた夫婦でした。母が亡くなった後、きょうだいで生前のエピソードを話していたんですけど、全部の話を総合すると、結局「お母さんにとってお父さんが一番だったんだね」という結論に行き着きました。そういう両親のもとに生まれたのは幸せだったなって思いますし、今回こういう作品のお話をいただいて、父に対する思いを新たにして、自分の実際の父に対する思いも重ねて、役作りをすることができたのは幸せだなと思います。
――コロナ禍での撮影について
コロナになってから1年以上になりますから、消毒・検温から始まって、フェイスシールドをつけて撮影がスタンダードになりました。最初こそ面倒でしたけど、感染対策は一見自分のためにやっているようで、実は大切な人のためにやっているんですよね。一人一人の感染対策の向こうに、たくさんの人がいるんです。コロナは本当にしんどいですし、大変なことですけど、相手を思いやる気持ち、なかなか会えないからせめて連絡をしてみようとか、大切な人を思う気持ちは強くなったのかなと。コロナが収束した後も、こういう温かい部分は残っていけばいいなと感じています。
――最後に、羊さんにとって家族という存在は何か聞かせてください。
一番大切で一番怖い人たちです。絶対にお互い見捨てない存在だからこそ、この人たちを悲しませることがはできない。胸を張る生き方をしないといけないなと思わせてくれる存在です。
■田中みな実との共演シーンに達成感 安住・おぎやはぎ・バナナマンのラジオの魅力
――トキコの冠ラジオ『トッキーとヒトトキ』では、番組を進行するアナウンサー・東七海を田中みな実さんが演じられています。
田中みな実ちゃんは無敵でした(笑)。彼女は本当にかわいくて、美人で、可憐で、スタイルもよくて、クレバーで、やさしくて、ユーモアもあって…本当に非の打ち所がない方でしたね。彼女はアナウンサー出身で現在もラジオの番組を持っていらっしゃいますから、現場の誰よりもラジオをわかっている方でした。細かい小道具の使い方ですとか、台本に関しても「ここではこういうコメントはしません」といった、たくさんのアドバイスをいただきました。お芝居も、ご本人がもともと持っていらっしゃる勘みたいなものがあって、集中力と演技力で本当にステキな表情を毎回見せてくれましたし、私のお芝居を受けてくださったので、とても心強いパートナーでした。なにより、みな実さんはスーさんと仲が良く、よくご存知ですので、「相談メールを読んでいる間、スーさんがどういうことをしているか」とかも教えていただきました。
――好きなシーンはどこですか?
やはり、ラジオシーンですね。膨大なせりふ量でひーひー言いながら撮影した記憶がありましたけど、大変な思いをしたシーンは、それだけ思い入れもひとしおです。撮影では、ラジオのリアルな雰囲気を出すために、みな実ちゃんとカメラの回っていない間もずーっとしゃべっていたんです。何気ないおしゃべりの延長線上で「よーいスタート」みたいな感じで入って。その空気感が伝わったらうれしいですし、カットがかかるまでの間はリアルにアドリブでつないでいるんです。みな実ちゃんはしゃべれちゃうから、カットかかるまで延々としゃべっているんですね。だから、監督さんも最初は台本あった方がいいですかって確認していたのが、早々にアドリブでって丸投げするようになっちゃって(笑)、毎回必死でつないでいましたけど、それがどれくらい使われるかわかりませんが、どこまで台本かなあとか想像して楽しんでいただけたらうれしいです。
――TBSラジオを忠実に再現したセットも話題になっています
TBXラジオというラジオ局の名前も含めて、限りなくTBSさんを匂わせているんですよ(笑)。スーさんもご自身の番組でドラマの話をしてくださって、TBSラジオでテレビ東京のドラマの宣伝をするという局の垣根をこえた、すばらしい世界が実現しています。この先、このドラマが何か奇跡を起こすんじゃないかなと期待しています(笑)。
――羊さんご自身のラジオ体験についてお聞かせください。
私のラジオに関する最初の記憶は中学生の時に聞いていたラジオ番組。そのロケが家の近くで行われていることを知って、急いで行って、インタビューされました(笑)。その時のテーマが「最近あった、うれしかったこと」だったのですが、私は当時好きな人に告白をして「いいよ」という返事をもらいましたっていうことをしゃべったのですが、インタビューの人は「それがどうした?」っていう顔をされていましたね(笑)。最近はリスナーとしてTBSラジオを聞いていることが多いです。『安住紳一郎の日曜天国』は好きでよく聞いていて、テレビで見せない黒い安住紳一郎さんが好きです。あとは、共演された方のラジオはよく聞いています。去年でいうと『木曜JUNK おぎやはぎのメガネびいき』や『金曜JUNK バナナマンのバナナムーンGOLD』だったり。バナナマンさんの番組はちょっと最後まで聞くのに力が必要ですね(笑)。下ネタ満載になってくると、ちょっと…。
――先日は、スーさんのラジオに「ジェーン・ヨー」としてメールを出されていましたね。
そうなんですよ(笑)。あの日が情報解禁で、スーさんがラジオで宣伝してくださったのですが、撮影現場でみんなといて「これって、送ったら読んでくれるのかな」と思って、最初はインスタのDMから番組宛てに送ったんです。すると一向に既読にならず、これはオンエアに間に合わないぞと思って、慌ててメールに切り替えたら、マネージャーさんにも言わずに送ったので「これはご本人ですか?」と、スーさんの番組スタッフさんから私のマネージャーさんに確認が入り、マネージャーさんと私で「羊さん、出しました?」「すみません、出しました」っていうやりとりがありました(笑)。番組の最後に取り上げてくださって、盛り上がったので、よかったです。
■松岡茉優の成長に感慨 自身の家族観は「一番大切で一番怖い人たち」
――トキコの元カレ役の岩崎う大さんについて
ご自身も脚本を書かれる方なので、すごく台本を読み込まれている印象でした。書かれているせりふをないがしろにしないというか、自分が気持ち悪いと感じることがあったとしたら、そっちを優先するのではなくて、あくまで脚本に書かれているせりふを言うにはどういう感情の流れなんだろうかと、脚本を軸に役を構築されていく様(さま)が、作家さんに対するリスペクトがあるなと。あとは「羊さんって、クールで強い役をやっているイメージがあるので、かっこいい方かと思っていましたが、かわいい方なんですね」って言っていただきました(笑)。真意はわからないですが(笑)。
――本人役で出演された岩井勇気さん、平子祐希さんについて
アルピー平子さんと岩井さんは、ご本人たちが「芝居合戦だ」「俳優としての代表作になった」などとコメントされていますが(笑)、そうだったんだって思いました(笑)。芸人の方は、呼吸と間が抜群にお上手でいらっしゃるので、特別打ち合わせすることもなく、本当に一発で呼吸を読んでくださったので、それはすごいなと感じました。シーン自体は残念ながらそこまで長くないんですが(笑)、アドリブに強いっていうのが存分に生かされたお芝居だったなと。こっちがどんな球を投げても確実に返して、しかも面白くして返してくださりました。
――20代のトキコを演じた松岡茉優さんについて
松岡茉優ちゃんとは4年ぶりのドラマ共演だったのですが、クレバーさに磨きがかかっていて、聡明な若スーさんを演じられる方は彼女以外いないなと思わせるたたずまいでした。数少ない共演シーンでも繊細な表現で心を動かされましたね。この4年間で、彼女も数多くの現場を経験されてきて、どっしりされたというか、良い日々を過ごされているなという母親のような気持ちで見ていました(笑)。茉優ちゃんは毎回なついてくれるんですよね。カメラが回っていないところは昔と同じで、相変わらずの人たらしっぷりも健在だなと思いました(笑)。
――羊さん自身は、実際に悩み相談を受けるタイプ、人に相談するタイプ?
厳密に言うと、どちらでもないのですが、それだとつまらないので、する方が多いかな(笑)。人に相談する時は答えが決まっていることが多くて、自分の意見に自信が持てるように再確認するような感じです。相談を受けるのは苦手です。仕事ができる役をいただくことが多いので、相談をしたらスパスパと返してくれるんだろうなみたいな期待値の高さを感じてそれがプレッシャーとなり自爆(笑)。だから最初に予防線を張って「話を聞くだけなら」と伝えています(笑)。
――家族を題材にしている作品ですが、羊さんの子どもの頃の印象に残っている思い出は?
小学生の時に、末っ子ということもあり、きょうだいの中でも一番父にかわいがられていたんです。ある時、父が長い出張から帰ってきて、私がうれしくて離さなかったんですよ。父が「ちょっと着替えてくるから」って、自分の部屋に引っ込んだ瞬間に、母が鬼のような形相で「アンタだけのお父さんじゃないのよ」と、私に向かって言ったんです(笑)。それくらい、ウチの両親は、死ぬまでお互いが一番で愛し合っていた夫婦でした。母が亡くなった後、きょうだいで生前のエピソードを話していたんですけど、全部の話を総合すると、結局「お母さんにとってお父さんが一番だったんだね」という結論に行き着きました。そういう両親のもとに生まれたのは幸せだったなって思いますし、今回こういう作品のお話をいただいて、父に対する思いを新たにして、自分の実際の父に対する思いも重ねて、役作りをすることができたのは幸せだなと思います。
――コロナ禍での撮影について
コロナになってから1年以上になりますから、消毒・検温から始まって、フェイスシールドをつけて撮影がスタンダードになりました。最初こそ面倒でしたけど、感染対策は一見自分のためにやっているようで、実は大切な人のためにやっているんですよね。一人一人の感染対策の向こうに、たくさんの人がいるんです。コロナは本当にしんどいですし、大変なことですけど、相手を思いやる気持ち、なかなか会えないからせめて連絡をしてみようとか、大切な人を思う気持ちは強くなったのかなと。コロナが収束した後も、こういう温かい部分は残っていけばいいなと感じています。
――最後に、羊さんにとって家族という存在は何か聞かせてください。
一番大切で一番怖い人たちです。絶対にお互い見捨てない存在だからこそ、この人たちを悲しませることがはできない。胸を張る生き方をしないといけないなと思わせてくれる存在です。
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2021/04/09