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菅野美穂、10年ぶり映画主演「運命を感じる役」 高畑充希・尾野真千子と描く母親たちの物語

 女優の菅野美穂(43)が、椰月美智子氏の原作を映画化した『明日の食卓』で、主演を務めることが10日、発表された。菅野にとって、映画主演は『ジーン・ワルツ』(2011年)以来、10年ぶり。高畑充希(28)、尾野真千子(39)が共演し、3人の母たちの物語が描かれる。菅野は「私自身が育児中ということもあり、運命を感じる役との出会いでした」と振り返る。公開は2021年春。

映画『明日の食卓』に出演する(左から)尾野真千子、菅野美穂、高畑充希(C)2021「明日の食卓」製作委員会

映画『明日の食卓』に出演する(左から)尾野真千子、菅野美穂、高畑充希(C)2021「明日の食卓」製作委員会

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 原作者の椰月氏は、02年に「第42回講談社児童文学新人賞」を受賞した『十二歳』で作家デビュー。『しずかな日々』で「第45回野間児童文芸賞」「第23回坪田譲治文学賞」、『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で「第69回小学館児童出版文化賞」を受賞している。

 菅野が演じるのは、元フリーライターで、やんちゃ盛りの2人の息子を育てながら仕事復帰を目指す母親・留美子。高畑は、若くして子どもを産み、非正規の仕事を掛け持ち、時間に追われながらも息子のために大阪で健気に生きるシングルマザーの加奈。尾野は、年下の夫と優等生の息子に囲まれ、一見何不自由なく幸せを手に入れているあすみを演じる。

 住む場所も、環境もまったく違う3人の共通点は「石橋ユウ」という名前の子どもを持つこと。それぞれが息子の「ユウ」を育てながら、忙しくも幸せな日々を送っていた3人。しかし、ささいなことがきっかけで少しずつ、その生活が崩れていく。無意識に子どもに向いてしまういら立ちと怒り。それぞれの「石橋家」が交錯し、たどり着く運命の物語が描かれる。

 子を持つ親なら誰もが直面する社会問題の映画化に挑んだのは、『64−ロクヨン−前編/後編』(16年)、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17年)や『糸』(20年)などを手掛けている瀬々敬久監督。クランクインは、今年の8月18日。9月7日にクランクアップを迎え、撮影は茨城県、千葉県、埼玉県など都内近郊で行われた。

■キャストコメント
・菅野美穂
私自身が育児中ということもあり、運命を感じる役との出会いでした。留美子を演じながら、子どもへの愛情と、母性の狂気を改めて見つめ直すような気持ちになりました。
瀬々監督の作品に参加させていただくのは今回が初めてだったのですが、寡黙なお人柄ですが熱い思いでお芝居を受け止めてくださいました。瀬々組のあうんの呼吸スタッフの皆さんのおかげで、集中して取り組むことができたのだと思います。
毎日抜け殻になるまで撮影をした、という気がします。高畑充希さん、尾野真千子さんという素晴らしい女優さんたちと一緒にこの作品に参加させていただけてとても幸運に思っています。

・高畑充希
はじめての瀬々組。とてつもなくパワフルな現場で、あれよあれよという間に時間が過ぎてゆきました。1日1日の密度があまりにも濃すぎて、撮影期間の記憶がほとんどありません。笑
でも、スタッフさんたちの瀬々監督作品への愛を毎日肌で感じていたことだけは覚えていて、きっとその愛情が、できあがる映画からも溢れているんだろうなと思います。自分自身が生まれ育った大阪の、空気とか匂いとかを思い出しながら懐かしみながらこの加奈という役をやらせていただけて、本当に幸せでした。

・尾野真千子
母を演じることはやはり難しいです。母の気持ち、子の気持ち、まだいくら考えてもわかりません。いくら歳をとっても経験者当事者でないとわかりません。この役を演じて怖くもありました。でも繋がりとはすてきで美しい大切なものなのですね。

■監督・原作者コメント

・瀬々敬久監督
一見平穏で楽しそうな子育て中の3つの家族がゆっくりと崩壊していく様子を、決して悲観的にならず最後は希望を持って描いている原作にまず惹かれました。
それはどんな家族にも訪れうる悲劇で、他者の身になって想像するという、今の分断化された世界の中で一番必要なテーマだと思えました。より広い世界観につながる映画にしたい、そう思いました。3人の母にはこの上ない方たちに集まってもらえました。
菅野美穂さんは実際に子育て中であり、ご自身の経験を生かしてチャーミングなお母さんを演じてくれました。そしてラストは一線を超えた迫力です。高畑充希さんが演じるのは大阪のシングルマザー、これも高畑さん自身が大阪出身ということもあり、頑張るオカンを等身大で気丈に演じていただき感動的です。尾野真千子さんが演じるのは、ちょっとサイコな小学生の母親です。
複雑な性格の彼の暴走を食い止めるには体当たりの魂の叫びしかなく、まさにそこに至っています。映画の中では、やがてこの3人の姿が微妙に繋がっていきます。映画ならではのその醍醐味も楽しんでもらえたらと思います。

・椰月美智子氏
『明日の食卓』が映画化されると聞いたとき、これほど映像化にぴったりな小説はないんじゃないかと、自身はじめての映像化に胸が高まりました。
そして、瀬々監督!主役の三人である菅野美穂さん、高畑充希さん、尾野真千子さん!のお名前を耳にし、この映画は成功するに違いないと確信しました。「三人の母親」と「虐待」は、どのような経緯をたどって、どのような結末になるのでしょうか。いろいろな意味で問題作となるはずです。期待しかありません。

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