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withコロナ時代に本当に新しい番組とは? テレビだからできることを忘れずに

 テレビ東京系で20日に放送される『電気ネズミとチーズ泥棒 〜泥棒くっきー!地上10cmのお宅訪問〜』(後10:00〜10:54)は、これまでの収録方法とは異なる、全く新しいwithコロナ時代のテレビの作り方に挑戦した新番組の一つだ。これまで通りの番組制作が出来ない中で生まれた、今回の番組の裏側はどのようになっていたのか? 出演者のくっきー!(野性爆弾)と企画立案者でもある上出遼平プロデューサー(テレビ東京)にオンラインインタビューを行った。

オンラインインタビューに応じたくっきー!(左)と上出遼平プロデューサー(スクリーンショット)=話題の『電気ネズミとチーズ泥棒 〜泥棒くっきー!地上10cmのお宅訪問〜』は7月20日、テレビ東京系で放送

オンラインインタビューに応じたくっきー!(左)と上出遼平プロデューサー(スクリーンショット)=話題の『電気ネズミとチーズ泥棒 〜泥棒くっきー!地上10cmのお宅訪問〜』は7月20日、テレビ東京系で放送

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 まず番組について説明しよう。“天下御免のチーズ泥棒”くっきー!が、最新鋭の四輪ドローン(電気ネズミ)をあやつり、遠隔で大物タレントの自宅に潜入し、お目当てのチーズを探し出す、というミッションに挑む。視聴者は、電気ネズミと一緒に地上10センチから見た世界で探検を楽しむ新感覚の“ファンタジーバラエティー”と銘打っている。あえて“ファンタジー”を打ち出している理由も、後に語られる。

 今回、標的となっているのは、白亜の大豪邸から凄技DIY邸、さらにはうら若き女性タレントが住むアパートなどの4軒。部屋のあらゆる場所に電気ネズミ対策の罠が張りめぐらされている中、家主に気づかれないように(?)家のどこかに家主が隠したチーズを見つけ、“盗む”までの冒険を見どころ。

■3密を避けて作れる番組の企画募集で採用

――この番組制作に至った経緯からお聞かせください。

【上出P】くっきー!さんとファンタジーな世界を作りたいな、というのがありました。一方で、ドローンメーカーの代表格であるDJI社が圧倒的な走破性能を持つ四輪ドローン(つまり高性能カメラを積んだラジコン)を発売したのを知って、これを使って何かやってみたいと思っていました。コロナ禍で、3密を避けて作れる番組の企画募集があり、ちょうどいいな、と思って提出したら、まさかの採用でした。

――四輪ドローンをラジコンのようにあやつって標的のタレントさんの家に侵入する。番組の企画でなければできないことですが、覗いてみたいという好奇心は湧きますね。

【上出P】そうですね(笑)。今回の標的はタレントさんたちのリアルな自宅です。電気ネズミの侵入用に玄関ドアをちょっと開けてもらったり、段差に板を渡してもらったり、家主にご協力いただいているのはご愛嬌というか、お互いに設定をわかっている上で、知らないふりをしてもらっています。そういう曖昧な共犯関係がベースになっている番組って最近のテレビにないな、と思っているんです。リアルにドッキリを仕掛けるか、完全にフィクションのコントか、どっちかしかない。もっと穏やかに緩やかに、何がリアルで何がフィクションかわからないような、善人と悪人とが設定として存在しているのに、互いが補完しあっているような、素敵な共犯関係で進んでいく番組ができたらいいな、と思いました。なので、「ファンタジー」なんです。

――くっきー!さんは、今回の出演オファーを受けてどう思われましたか?

【くっきー!】どうもこうも、スケジュールに「テレビ東京 特番」と書いてあって、概要を知らないまま打ち合わせに行ったら、「カッコいいラジコンで番組やります」みたいな説明を受けて。どうなるのか謎やったんやけど、実際にやってみたら、芸人人生で一番楽しかったと言っても過言ではないですね。圧倒的に面白かったです。ただ、どういう感じで放送されるのか、想像つかないですよ。

――今回のネズミの目の高さが地上10センチ。まるでおもちゃの視点からデザインされた世界を描いた『トイ・ストーリー』みたいな映像になるんですかね。

【上出P】ちょっと大きめなアリエッティみたいな目線ですね。

――アリエッティ? スタジオジブリ作品の?

【上出P】もともと僕、シルバニアファミリーとか好きで、ミニチュアのものとかついつい買ってしまいがちで…。そういうミニチュアの世界で遊びたいなって。

【くっきー!】(爆笑)

【上出P】アリエッティの目線でタレントさんのお宅を覗き見するだけで画的に面白いと思います。ベンツの下ってこうなっているのかとか、ちょっと床が汚いなとか。

【くっきー!】テレビの裏の配線にほこりがたまっている感じも見えちゃう(笑)。

【上出P】家主が仕掛けた罠も手作り感があって、ほんわかした感じもありますね。

【くっきー!】笑ってまうくらい手作り感がありましたね。

■演者が楽しみすぎるとスベる「あるあるですね」

【上出P】番組用に1台、四輪ドローンを購入したら予算の大部分を使ってしまいました。なので、番組のロゴもくっきー!さんに現場で描いていただくという、おんぶにだっこ状態。

【くっきー!】ロケとロケの合間に車で待機していたらスケッチブック渡されて、「よければタイトルを描いていただけませんか」って。お金ないって聞いていたので、何の抵抗もなく描かせていただきました。

【上出P】ありがとうございます。ネズミ目線の映像もありますが、くっきー!さんのワンマンショーでもあります。ただただくっきー!さんが楽しそうにラジコンを操縦していたり、腹を抱えて笑っていたり。くっきー!さんのやさしさで、成立している番組です。

【くっきー!】僕はガキみたいにはしゃぎながら、リモコンでラジコンを操縦して、ゲームをしている感覚。恐いのは演者だけがめちゃめちゃ楽しいやつって、意外とスベったりするんですよ。ネタもそう。超おもろいのできた!って思っても、いざ舞台でやったらスベるっていうのがあるんで、そうならないように、気をつけないといけないんですけど、純粋にキャッキャ楽しんでしまいました。

【上出P】我々もそれを恐れているところですね。伝わらなかったらどうしようって。自分たちが楽しすぎた分、そう思います。

【くっきー!】あるあるですね。

【上出P】1軒目より2軒目、2軒目より3軒目…とくっきー!さんの操縦テクニックの上達ぶりがすごくて。僕らも映像を見ながら、さすがにここは入って行けないなってところも行くんですよ。片輪走法とかいつの間にか習得しちゃっていた。図らずもくっきー!さんとネズミの成長物語にもなっていると思います。

【くっきー!】そこまで誰も求めてないでしょう(笑)。ラジコンはガキの頃にすごく流行った時期があったので少し覚えはありました。ちょうどラジコンブームの真っ只中にいた人間は絶対ハマると思う。めちゃくちゃ操縦しやすかったので、おもろかったです。

――おふたりはよく、お仕事されているんですか?

【上出P】今回がはじめましてでした。ずっと恋い焦がれていて、いつかご一緒させていただきたいな、と思っていたもんですから、今回の企画を受けてくださって、光栄でございました。

【くっきー!】何をおっしゃいますか。仕事ははじめましての方とすることがめちゃくちゃ多いので、そういうことは抵抗ないんです。今回は番組のタイトル『電気ネズミとチーズ泥棒』を聞いて、面白そうな番組だなと思いました。

■タイトルの「電気ネズミ」に某アニメは全く関係ありません

――タイトルの「電気ネズミ」って、御社で放送しているのアニメと関係は?

【上出P】全く関係ないです。社内でもパクるなって指摘されました(笑)。番組名の本当のきっかけは映画『ブレードランナー』の原作になったフィリップ・K・ディックのSF小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」です。「電気羊」ってめちゃくちゃかっこいいな…と思っていたのでこうしました。

――テレビも新型コロナウイルスによって大きな制約を受けた業界のひとつだと思います。スタジオ内で出演者同士の距離が取られたり、リモート出演になったり、収録現場での制約が大きい中で、番組制作に対して意識していたことはありますか?

【上出P】今回の番組は、リモートを意識して考えたというより、くっきー!さんがラジコンを操縦して、タレントの家を捜索したら面白いだろうなっていうアイデアが、結果的にものすごくリモートな番組になったという例だと思うんです。そういう意味ではほかのリモート番組とはだいぶ雰囲気の違うものができたと思います。制約があっても出来ることがあるよね、とポジティブに考えています。

【くっきー!】僕もネガティブには捉えていないです。リモート出演が多くなって、自宅にいるから気持ち的にはすごく楽ですよね。思いついたらすぐにボケられるアイテムがその場にあるっていうのはいいですよ。七つ道具を背負った弁慶みたいなもの。いままでは体一つでスタジオに乗り込んでいって、極真空手みたいに無差別級の相手と戦う感じがありましたからね。どんな状況でもなんだって順応できるのが芸人だと思う。

【上出P】くっきー!さんはYou Tubeチャンネルもやっていらっしゃいますが、今回の番組はけっこうYou Tuberがやりそうなことだと思うんですよね。

【くっきー!】たしかに!

【上出P】やりたいことはYou Tuberと同じだけど、くっきー!さんに出ていただいて、タレントさんのお宅に侵入するというのは、やはりテレビが培ってきた人間関係があるからできることなんじゃないかと。テレビだからできることも意識して番組作りをしました。もちろん、テレビバラエティーの文法は踏襲しながら、壊せる部分は壊しています。テレビ好きな人にも楽しんでもらいたいし、くっきー!さんとこういう番組を作ることで、最近テレビをあんまり見ていないという人にも見てもらえたらいいな、と思っています。

【くっきー!】ぜひ、レギュラー化してほしいですね。

【上出P】1回だけでは、四輪ドローンを購入した元が取れない。むしろ、やらないと。やりましょう

【くっきー!】いろんなところに行けますよ。サファリパークとか。ライオンから逃げ切る自信ありますよ。

 『電気ネズミとチーズ泥棒 〜泥棒くっきー!地上10cmのお宅訪問〜』は、7月20日午後10時からテレビ東京系で放送。

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