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『まだ結婚できない男』P語る、前作スタッフが集結して描く“偏屈男”の変化

 13年ぶりに復活した、阿部寛主演の人気ドラマ『結婚できない男』。偏屈さに磨きをかけた主人公・桑野信介(阿部寛)の日常を描き、続編『まだ結婚できない男』(関西テレビ・フジテレビ系/毎週火曜 後9:00)も大きな話題を振りまいている。プロデュースを手がける米田孝氏に、13年による変化を描くうえでのこだわり。また、前作に続き“偏屈男”を好演する阿部の現場での様子について聞いた。

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◆“リアル結婚できない男=スタッフ”の声も活かし、時代感を反映

 2006年7月期に放送された『結婚できない男』は、偏屈な40歳独身の一級建築士・桑野信介が、女性たちとの出会いをきっかけに恋愛、結婚を模索していくコメディドラマ。主演の阿部が憎たらしくも愛らしい桑野をコミカルに演じ、当時大きな話題を集めた。

 続編を作りたいという話は何度となく出ていたものの、なかなかタイミングが噛み合わず、その間に、時代は平成から令和へ。結婚をとり巻く環境や「人生100年時代」と言われるようになったことなど、社会は大きく変化した。プロデュースを手がける米田氏は、続編制作までに13年の時間を要したことについて「結果として良かったのではないかと思っています。13年の間、いったい桑野はどんなふうに生きていたのか。それを想像できる面白さがあると思いました」と話す。

 例えば、第2話では桑野が「婚活アプリ」を使って話題となったが、そのほかにも、桑野の部屋にスマートスピーカーが置かれるなど、脚本作りにおいては自然と今の時代を映すことが考えられている。

「打ち合わせでしょっちゅう出てくるのが『リアリティ』という言葉です。スタッフの中にも何人か“リアル結婚できない男”がいますが、脚本家の尾崎将也さんと共に桑野の13年を想像しながら、彼を生身の人間として描くことを心がけています」

◆チーフカメラマンは管理職から現場に復帰

 本作の一番の肝は、偏屈すぎる桑野のキャラクター。その本質を変えないことは大前提だが、歳を重ねたことによる“変化”も本作では丁寧に描いている。

「人生100年時代と言われるなか、第1話で桑野は1人、部屋で流しそうめんを食べながら『あと50年くらい大丈夫だな』と呟きますが、心のどこかで不安めいたものを感じています。彼は偏屈で独善的ですが本質的には決して人間嫌いではなく、おせっかいだったり、さびしん坊だったり、人間くさい可愛げがあります。歳を重ねたぶん、その部分を少し前に出すことは意識しているかもしれません。脚本を読んだ阿部さんには、桑野の世界観が守られていて安心したとおっしゃっていただきました」

 そんな前作から続く独特な世界観を大切にするために、脚本家はもちろん、監督、カメラマン等スタッフの多くは前作と同じ布陣で臨んでいる。

「これは阿部さんからのリクエストでもありまして、プロデューサーであれば僕以外は全員、前作のメンバーです。チーフカメラマンは、実は管理職になっていたのですが、今回特別に復帰してもらいました(笑)。阿部さんがどう動いたら面白いか、そのフィールドを用意するのが僕らの役目だと思っています」

◆阿部のコメディセンスを絶賛、現場には「完璧に仕上げてやってくる」

 その阿部の魅力を米田氏はこう語る。「道を歩くだけでなぜそんなに面白くなるのか、天才的だと思います。計算しつくしてやっている面もあるとお見受けしているのですが、とにかく毎日、阿部さんは完璧に仕上げて現場にやってくる。その徹底した姿勢はスターだなと思いますし、コメディセンスも本当に素晴らしいです」

 一方、大きな変化となったのは、桑野を取り巻くヒロインたち。弁護士の吉山まどか役に吉田羊、カフェの雇われ店長・田中有希江役に稲森いずみ、マンションの隣人・戸波早紀役には深川麻衣を起用した。

「新しい作品として観てほしいという気持ちもあったので、キャストを変えることに迷いはありませんでした。ヒロインを弁護士役にするのは脚本家の尾崎さんのアイデア。桑野に理解を示せてしまう女性(有希江)が登場するなど、前作にはない新しい空気感が作れているのではないかと思います。このヒロイン3人は、私たちの周りにいてもおかしくない今を生きる人々であることを重視していますので、皆さまにも愛着を持っていただけたら嬉しいです」

 前作の放送当時、高校生だったという戸波役の深川は、作品を「大好きで観ていた」そう。カンテレの入社試験でも前作を好きなドラマに挙げる志望者は多く、米田氏は「若い層からの支持について不安は一切感じていなかった」と語る。それを示すように、第1話の見逃し配信の回数は1週間で238万回を突破。FODやAmazonプライム、Netflixの前作視聴も好調だという。

「監督の三宅喜重と、『前作は<桑野という変な人物の観察日記>、今回は<桑野と愉快な仲間たち>ですね』と言いながら制作にあたっているのですが、今後はその愉快な仲間たちと桑野との関わりがより深まっていきます。桑野が“らしく”生きているところを楽しんでいただけたら」

 前作は最終回で最高視聴率の22.0%をマーク。新しいファンを取り込んで、53歳の独身男性を主人公にしたユニークなドラマが今クール、どこまで奮起するのか、期待したい。

文/河上いつ子

●米田孝(よねだ たかし)
 1981年1月生まれ。法学部卒業後、04年に関西テレビ放送に入社。事業、制作バラエティ、営業外勤を経て、15年より東京制作部へ。念願だったドラマ班所属となる。連続ドラマのプロデュースは、『僕たちがやりました』(17年7月期)、『健康で文化的な最低限度の生活』(18年7月期)に続き、本作で3作目となる。

※なお、本作のチーフプロデューサーは安藤和久氏、東城祐司氏。プロデューサーは米田氏のほか、伊藤達哉氏、木曽貴美子氏が手がける。

関連写真

  • 偏屈さに磨きのかかった主人公・桑野信介を好演中の阿部寛 (C)カンテレ
  • 『まだ結婚できない男』第6より (C)カンテレ
  • (C)カンテレ
  • 『まだ結婚できない男』(関西テレビ・フジテレビ系/毎週火曜 後9:00)第5話より (C)カンテレ
  • 『まだ結婚できない男』(関西テレビ・フジテレビ系/毎週火曜 後9:00)第5話より (C)カンテレ

提供元:CONFIDENCE

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