大ヒットした主演ドラマシリーズ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』のイメージを変えるべく、昨年、髪を切って、全く新しいキャラクター(『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』)に挑戦した女優の米倉涼子。それでも“失敗しなかった”という無敵ぶり(2018年10月期の平均視聴率15.8%、ゴールデン・プライム帯の連続ドラマ全局1位)で、大門未知子の決めぜりふ「私、失敗しないので」を地で行くイメージはますます強まっている。
こうした世間の評価に対し、米倉の心情は複雑なようだ。「そもそも私はネガティブな人間。自分をあまり信じていないですし、何年後にはこうなっていたい、というのも特にないです」「人の力を借りて、いままでなんとかやってこれた。一人でどうにかしようとも、できるとも思ってないですね」。
「自分を持っていそうで持っていない」。なのに、「お芝居では、その時々の気持ちを大事にしたい。だから自分が出すぎて、『芝居が変わらない』と言われちゃうのかもしれないけど」とも。
米倉が何と言おうと、彼女の周りには人が集まってくる。面白い企画を考えるプロデューサーや思いがけない演出をする監督、印象的なせりふを生み出す脚本家、一緒に芝居を楽しむ共演者たち。そして、昭和の戦後から平成をまたいで読みつがれる人気ミステリー作家・松本清張の作品をも引き寄せる。スターの素質というのは、そういうものなのではないだろうか。
昨年の『リーガルV』の前に、撮影していたドラマスペシャル『疑惑』(テレビ朝日系で2月3日放送 後9:00〜11:05)は、岩下志麻・桃井かおりによる映画(1982年)をはじめ、何度も映像化されている清張作品の名作。『黒革の手帖』をはじめ、『けものみち』『わるいやつら』『熱い空気』といった清張作品で、名だたる悪女を演じてきた米倉が、“悪女に手を差し伸べる敏腕弁護士”佐原卓子を演じる。
「いつか『疑惑』の球磨子を演じて見たいと思っていたので、そっち? と、自分でも意外でした。撮影時には、次に“元弁護士”をやることが決まっていたので、どうやって役のギャップをつけるか、というのが自分の中ですごくテーマでした。弁護士が出てくるドラマや映画も多いですし、いろんな役者さんが弁護士役をやられている中、自分らしい弁護士の役作りができたら、究極なのかな、とも思いましたが、あまり得意ではないなって(笑)。やっぱり悪女がやりたい、と思いました」。
正直すぎる数々のネガティブ発言の中、「安全パイでいくのも好きではない」という。これまでも勇気を奮って一歩踏み出してきたのもまた事実。初めて松本清張作品で悪女を演じた『黒革の手帖』、ブロードウェイ・ミュージカル『シカゴ』への挑戦、自ら新作を希望した『リーガルV』も。他の追随を許さないいまの“米倉涼子”を築いている。
「悔しさや劣等感があるからいままで頑張れてこれたのかもしれないですね。昨年、いろいろチャレンジして、大門未知子のような、一匹狼で、いつも元気で、力強い女性の役が自分には合っているな、と思うと同時に、それだけじゃないものが自分の中にまだあるんじゃないか、とも思いました。人頼みなところはありますが、新しいことへの挑戦はしていきたいです」。
『疑惑』では、保険金目的で夫を殺した…との疑惑が囁かれる女・白河球磨子(黒木華)の弁護することになった卓子が、球磨子のエキセントリックな言動に振り回されながらも、決してクロとは決めつけず対峙し、真相を追求していく過程をスリリングに描く。「私が演じた卓子、球磨子、そして検事・小田秀子(余貴美子)と3人の女性が出てきますが、女の怖さっていろいろあるんだな、というのも楽しんでいただけると思います」と、アピールしていた。
■ドラマスペシャル『疑惑』あらすじ
どんな手を使ってでも真実を追求し、その有能ぶりとは裏腹に「最低の弁護士」とも揶揄される佐原卓子(米倉)。彼女のもとに弁護士・原山正雄(津川雅彦)から直々の依頼が舞い込んだ。体調が思わしくないため、ある女性の弁護を引き継いでほしいというのだ。その女性とは、疑惑に満ちた事件の渦中にいる白河球磨子(黒木)――世間から「鬼クマ」と呼ばれ、好奇の目に晒されている悪女だった。
その事件は激しい雨の日、熱海港の岸壁で起こった。球磨子は夫・白河福太郎(中村梅雀)と2人でドライブに出かけたのだが、車ごと海へ転落。泳げない福太郎はそのまま車内で溺死し、脱出に成功した球磨子のみが生き延びたのだ。球磨子は夫の運転ミスによる事故を主張したが、まもなく不審な点が散見し始める。車内からスパナが発見された上に、球磨子が夫にDVを振るう動画がなぜかSNSで拡散。周囲の人々からも日頃の悪行を糾弾する声が浮上し、前科四犯という過去を持つ球磨子にとっては、すこぶる分の悪い状況だった。
それでも無実を主張し続ける球磨子。業を煮やした警察はついに、別件逮捕という強硬手段に。だが、それで折れるタマではない球磨子は、留置場に入るや看守をたぶらかし、いきなり襲われたと話を捏造して騒ぎ立てる。連絡を受けた卓子が駆けつけると、甘えるように感謝する球磨子。だが、卓子が真正面から、福太郎を殺したのかと問いただした途端、貝のように口を閉ざしてしまう。
まもなく、卓子の中でひとつの疑問が浮かび上がる。そもそも球磨子は本当に世間で言われるような“悪女”なのだろうか――。卓子は球磨子の本性と、事件の真相を解明するため、巧みな話術でゴシップ記者・秋谷茂一(板尾創路)らから情報を収集。不透明な球磨子の生い立ちをひとつずつひも解いていこうとする。一方、何が何でも球磨子を有罪にしたい検事正・小田秀子(余貴美子)は、卓子を陥れようと画策する。
こうした世間の評価に対し、米倉の心情は複雑なようだ。「そもそも私はネガティブな人間。自分をあまり信じていないですし、何年後にはこうなっていたい、というのも特にないです」「人の力を借りて、いままでなんとかやってこれた。一人でどうにかしようとも、できるとも思ってないですね」。
米倉が何と言おうと、彼女の周りには人が集まってくる。面白い企画を考えるプロデューサーや思いがけない演出をする監督、印象的なせりふを生み出す脚本家、一緒に芝居を楽しむ共演者たち。そして、昭和の戦後から平成をまたいで読みつがれる人気ミステリー作家・松本清張の作品をも引き寄せる。スターの素質というのは、そういうものなのではないだろうか。
昨年の『リーガルV』の前に、撮影していたドラマスペシャル『疑惑』(テレビ朝日系で2月3日放送 後9:00〜11:05)は、岩下志麻・桃井かおりによる映画(1982年)をはじめ、何度も映像化されている清張作品の名作。『黒革の手帖』をはじめ、『けものみち』『わるいやつら』『熱い空気』といった清張作品で、名だたる悪女を演じてきた米倉が、“悪女に手を差し伸べる敏腕弁護士”佐原卓子を演じる。
「いつか『疑惑』の球磨子を演じて見たいと思っていたので、そっち? と、自分でも意外でした。撮影時には、次に“元弁護士”をやることが決まっていたので、どうやって役のギャップをつけるか、というのが自分の中ですごくテーマでした。弁護士が出てくるドラマや映画も多いですし、いろんな役者さんが弁護士役をやられている中、自分らしい弁護士の役作りができたら、究極なのかな、とも思いましたが、あまり得意ではないなって(笑)。やっぱり悪女がやりたい、と思いました」。
正直すぎる数々のネガティブ発言の中、「安全パイでいくのも好きではない」という。これまでも勇気を奮って一歩踏み出してきたのもまた事実。初めて松本清張作品で悪女を演じた『黒革の手帖』、ブロードウェイ・ミュージカル『シカゴ』への挑戦、自ら新作を希望した『リーガルV』も。他の追随を許さないいまの“米倉涼子”を築いている。
「悔しさや劣等感があるからいままで頑張れてこれたのかもしれないですね。昨年、いろいろチャレンジして、大門未知子のような、一匹狼で、いつも元気で、力強い女性の役が自分には合っているな、と思うと同時に、それだけじゃないものが自分の中にまだあるんじゃないか、とも思いました。人頼みなところはありますが、新しいことへの挑戦はしていきたいです」。
『疑惑』では、保険金目的で夫を殺した…との疑惑が囁かれる女・白河球磨子(黒木華)の弁護することになった卓子が、球磨子のエキセントリックな言動に振り回されながらも、決してクロとは決めつけず対峙し、真相を追求していく過程をスリリングに描く。「私が演じた卓子、球磨子、そして検事・小田秀子(余貴美子)と3人の女性が出てきますが、女の怖さっていろいろあるんだな、というのも楽しんでいただけると思います」と、アピールしていた。
■ドラマスペシャル『疑惑』あらすじ
どんな手を使ってでも真実を追求し、その有能ぶりとは裏腹に「最低の弁護士」とも揶揄される佐原卓子(米倉)。彼女のもとに弁護士・原山正雄(津川雅彦)から直々の依頼が舞い込んだ。体調が思わしくないため、ある女性の弁護を引き継いでほしいというのだ。その女性とは、疑惑に満ちた事件の渦中にいる白河球磨子(黒木)――世間から「鬼クマ」と呼ばれ、好奇の目に晒されている悪女だった。
その事件は激しい雨の日、熱海港の岸壁で起こった。球磨子は夫・白河福太郎(中村梅雀)と2人でドライブに出かけたのだが、車ごと海へ転落。泳げない福太郎はそのまま車内で溺死し、脱出に成功した球磨子のみが生き延びたのだ。球磨子は夫の運転ミスによる事故を主張したが、まもなく不審な点が散見し始める。車内からスパナが発見された上に、球磨子が夫にDVを振るう動画がなぜかSNSで拡散。周囲の人々からも日頃の悪行を糾弾する声が浮上し、前科四犯という過去を持つ球磨子にとっては、すこぶる分の悪い状況だった。
それでも無実を主張し続ける球磨子。業を煮やした警察はついに、別件逮捕という強硬手段に。だが、それで折れるタマではない球磨子は、留置場に入るや看守をたぶらかし、いきなり襲われたと話を捏造して騒ぎ立てる。連絡を受けた卓子が駆けつけると、甘えるように感謝する球磨子。だが、卓子が真正面から、福太郎を殺したのかと問いただした途端、貝のように口を閉ざしてしまう。
まもなく、卓子の中でひとつの疑問が浮かび上がる。そもそも球磨子は本当に世間で言われるような“悪女”なのだろうか――。卓子は球磨子の本性と、事件の真相を解明するため、巧みな話術でゴシップ記者・秋谷茂一(板尾創路)らから情報を収集。不透明な球磨子の生い立ちをひとつずつひも解いていこうとする。一方、何が何でも球磨子を有罪にしたい検事正・小田秀子(余貴美子)は、卓子を陥れようと画策する。
2019/02/03