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ムロツヨシ、恋愛ドラマに反響 “人たらし”が生んだ説得力

 戸田恵梨香、ムロツヨシが出演するドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系)が10月12日よりスタートし、初回平均視聴率は10.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と好調な滑り出しを見せた。同作は“ラブストーリーの名手”と称される大石静氏によるオリジナル作品で、若年性アルツハイマーにおかされる女医の主人公(戸田)と、その彼女を明るく健気に支え続ける元小説家(ムロツヨシ)による“愛の奇跡”を描くラブストーリー。これまで“3枚目”のイメージが強かったムロは、本作で新たな魅力を開花している。

■ 前評判も上々、“コメディ俳優でないムロツヨシ”にネットがざわつく

 『大恋愛〜僕を忘れる君と』(TBS系、金曜よる10時〜)は放送開始前から注目度が高く、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が放送前に実施した「ドラマ期待度調査」(プライムタイム枠)では、TBS系『下町ロケット』、テレビ朝日系『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』に続く3位をマーク。脚本家・大石氏による完全オリジナル作品という点もさることながら、福田雄一作品の常連組でもあるムロツヨシが、純愛物語でしかもヒロインの恋人役を務めるとあって期待度が膨らんだようだ。

 期待度調査では「ムロさんの恋愛ドラマを観たことがないので期待したい」(10代女性/北海道)、「真面目なドラマでどんなムロさんが観られるのか楽しみ」(10代女性/広島)、「今までにない感じの役柄なので期待している」(20代女性/静岡)、「ムロさんが恋愛をどう演じるのか興味深い」(40代女性/千葉)とのコメントが目立っていた。

 そして、第1話の放送をうけて視聴者からは、「なんかすごく良い」「どうなることかと思っていたけど、すごくハマっている」「『大恋愛』と『今日から俺は!!』のギャップがすごい」との好意的な声が多数Twitter上でも見受けられた。さらに第一話はキスシーンにも“初挑戦”したことも話題に。コメディ俳優としてのイメージが浸透している今、「ムロツヨシってこんなかっこよかったっけ?」と戸惑う視聴者もいたようだ。

■遅咲きの苦労人…恋愛ドラマ初ながら自信の半生と重なるはまり役

 『大恋愛』でムロが演じる間宮真司は、親に捨てられた過去を持つ男性。不幸な境遇を自分で癒やすために小説を書きはじめ、21歳で小説家デビューするも、2作目以降がヒットに恵まれず引越し業者のアルバイトをして生計を立てている。若年性アルツハイマーに侵されてしまった女医・北澤尚(戸田恵梨香)を明るくけなげに支え続けるという役柄だ。

 今回の役はムロツヨシの半生と重なる部分も多い。ムロツヨシ自身も、幼いころに両親が離婚していることを度々公言している。2016年に『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演した際には、両親が4歳で離婚し、父親とはそれ以来会っていないと告白。「嘘偽り無く1ミリもオヤジを恨んでいません。この家庭環境があるから喜劇役者になりたいと思えたし、他のことも考えず20年やれていると思います。感謝しています」と語り、“芸人殺し”との異名を持つ黒柳徹子にまさかの涙を流させたこともあった。

 俳優の下積み時代には、数々のアルバイトを経験。今春のORICON NEWSのインタビューでは、「役者として食べられるようになってからまだ5年くらいしか経っていない」と危機感を明かし、そんな遅咲きで苦労人の姿を知ってか、脚本の大石静氏は今回の役をムロツヨシにあて書きで作ったと明かしている。

■“新境地”ではなく“人たらし”が生んだ説得力、二枚目役こそが真骨頂?

 普段のコメディ俳優の一面とは異なる姿に驚きの声が上がり、“新境地”と評されているが、恋愛ドラマが初めてなだけで、刑事ドラマや大河ドラマにも出演し、コメディを封印した芝居を過去に披露している。

 過去の例を見ても、喜劇俳優=シリアスの名優といった例も多い。「光」や「陽」、つまり「笑い」は人間の本質を理解してこそ描ける。コメディ俳優として知られるようになったムロツヨシもしかり、辛い過去があったからこそ喜劇俳優の道を選んだと公言している。柄本明や竹中直人など、喜劇俳優として知られる名優たちは狂気をはらんだ役柄、シリアスな役でもその存在感を発揮していることからもわかるように、人間の「闇」や「影」とコメディは表裏一体ともいえよう。

 そして反響を生んだ今回の役の“説得力”を支えているのは、ムロツヨシの人間力にほかならない。今年のORICON NEWSのインタビューでは、その人間力の源について次のように明かしていた。「『僕はあなたを信用してます』からスタートします。飲み屋で話しかけたおじちゃんでも、お姉ちゃんでも、年下の男の子でもね。“信用すること”から始めます」

 俳優の小泉孝太郎や小栗旬、嵐の松本潤など、芸能界の“交友”は広いことでも知られる。特に福田雄一監督との出会いは大きく、度々福田作品に起用されている。「僕の友達の定義は、“裏切られてもいい人”。何かしらの形で裏切られるようなことや陰口をたたかれたりしても、友達だったら、きっと何か理由があるんだろうな、何かあったのかな、と思うようにしています」と語り、人付き合いの考えにおいても懐の深い一面が垣間見える。

 壮絶な過去を持ち、人を笑顔にすることを考えて生きてきたムロツヨシの“人たらし力”、そして“受け止める力”が今回の役柄の説得力になっているのだろう。今回の反響は、ムロツヨシの新境地ではなく、人生の引き出しの数を増やしてきた俳優としての“地力”だ。内面からにじみ出るムロツヨシの慈愛あふれる芝居は、二枚目役こそ映えるのではないか。

 「カメラに映っているのはまだ6分の1ほど。まだまだ見せていない一面あります」と本人が明かしていたとおり、ムロツヨシの“新境地”はまだこの先にありそうだ。

提供元:CONFIDENCE

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