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木村昴“ジャイアン”デビュー振り返る 「一度捨てた」ミュージカル俳優とラッパーの夢

 アニメ『ドラえもん』のジャイアンこと剛田武役などで知られる声優・木村昴(28)。ジャイアンという大役を射止めてから来年で15年を迎える彼がこのほど、『ミニオンズ』シリーズを手掛けた原作・音楽スタッフがおくる音楽ファンタジー映画『スモールフット』(12日公開)の主人公、イエティのミーゴ役で吹替えを担当する。元は「ミュージカル俳優とラッパーになりたかった」と型破りな夢を描いていた彼。声優としての成功を手にし、「一度捨てた夢」に今一度向き合い実現させた現在の心境を語ってもらった。

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■イエティ役挑戦は“リトル木村”に問いかけ「未知なる自分に出会う楽しみに」

 自分はドイツ出身で雪国ということもあり、銀世界が好きなんです。劇中ではイエティ役として人里離れた雪山でみんなと協力、冒険をするのですが、その姿がかわいらしく感じました。イエティという存在は、子どもの時からおとぎ話などで聞いていて、ドラえもんより先に知っていましたよ(笑)。お国柄もあってか桃太郎や金太郎より馴染み深いものがありました。演じがいがあって心置きなく楽しめる役、コミカルな一面があるので、自分の性格的にそういうキャラクターが好きなんですよね。オーディションに合格できて、うれしかったです。

 過去の出演作品を振り返っても、声優界を見わたしても、おそらくイエティ声優はいないので(笑)、その第一人者になりたいなとも思いました。今まで演じたことのない役で、そこが楽しみで。自分に対して「さぁ木村、どうでるんだ。どう、演じるんだ?」と、リトル木村に問いかけるみたいな、未知なる自分に出会う楽しみがありました。

 ミーゴは無邪気で天真爛漫なのですが、シーンによっては若者の少し暗い一面も出たりする。テンションが高すぎたり、大人っぽくなりすぎたりしないようにバランスを考えながら演じました。人里離れた雪深い山頂の村に住むミーゴが、生まれて初めて“スモールフット”(=人間)と出会う物語なのですが、損得を考えずに「スモールフットを見つけた!」という純粋な感情を大事にしました。単純な性格といえば簡単なのですが、欲がない嫌らしさを感じさせない点は気を付けました。

■ジャイアン役の選考で感じた声優業の可能性 ミュージカル俳優、ラッパーの夢捨てる

 今作はミュージックファンタジーですが、これがすばらしい。ストーンキーパーというキャラクターがいるのですが、オリジナル版ではコモンというレジェンド的なラッパーが声を担当しています。コモンが個人的に大好きで、テンションが上がりました。日本語版の吹き替えは、立木文彦さんが担当してラップも披露するのですが、もうお腹がいっぱい(笑)。この熱量はどれくらいの人に伝わるかわかりませんが、ラップ好き木村としては注目ポイントです。アニメ、声優ファンもそうですが、ラッパーにも観ていただきたい作品です。

 来年、声優デビューから15年目を迎えるのですが、元々はミュージカル俳優になりたかったんです。その勉強をしているうちに、ラッパーになりたいなと(笑)。人前に立って、「面白かった」「良かったよ」など評価をもらう喜びというのは、表現方法は違いますが、子どものころからありましたね。

 声優になるきっかけは、14歳の中学2年生の時。ミュージカル俳優になる、ラッパーになるための必要なことだと思って「今できることは、全部やってみよう」から始まりました。それが『ドラえもん』のジャイアン役のオーディションなのですが、悪い言い方をすれば記念受験みたいな感じに聞こえるかも知れませんね。子役だらけの環境でいたせいもあるのですが、オーディションを受ける人は、中学生か高校生くらいだろうと。「どこ中(ちゅう)のやつが来ているかな〜」程度の気持ちで会場に向かったら、制服を着ているのは僕だけで雰囲気に圧倒されました。「これ、記念でやるもんじゃない!」とビビったのを覚えています。

 オーディションを経験して、何かを感じて次に活かそうという軽い気持ちで挑みましたが、選考を通過するうちに覚悟というのが若いなりに生まれていきました。そこで「中途半端な気持ちはダメだな」と。選考に残していただいているということにも、メッセージ性を感じましたね。「ここまで残れたってことは、声優としての可能性はゼロじゃないんだ」と思い始めました。そこで初めて「ちょっとでもチャンスがあるんだったら、本気で取り組んでみよう」と意識を切り替えて。自信というのが生まれたのかも知れませんね。

 自分が会場に行った時は8人の方がいて、合同でオーディションを行いました。一人ひとり順番に、それぞれのジャイアンの声を聴いていくうちに「ここまで来たら、負けたくないな」と。そんな感情も生まれてきましたね。オーディションに合格して初めて「声優業はミュージカル俳優、ラッパーの片手間でできないな。きょうから自分は日本一の声優になる」とそこで決心がつきました。

■ジャイアン役の影響で巨大キャラのオファー多数?「長男役で妹がいる設定が多い」

 今回の作品で、自分はラップではないですが劇中歌を担当しています。うまく歌うことは考えずに、「天真爛漫なミーゴだったら、こう歌うだろうな」ということを念頭に置いてやりました。別のお仕事になるのですが、今『ヒプノシスマイク』という作品でラップソングを歌う活動もしていて、最近は歌の機会が増えています。でも最初は「声優は歌を歌うべきではない」という抵抗があったんです。最初から声優を志していなかった分、声優さんが歌うイメージを持っていなかっただけだと思うのですが、ミュージカル俳優を目指していたので、声優になる覚悟を決めた時に歌を一度捨てた気持ちがあるんです。なので自分はもう歌わない、しかもジャイアンだったので上手に歌うことは二度とないなと(笑)そういうケジメをしました。

 ですが、時代や環境が変わって「声優さんは歌ってもいいんだ! じゃ頑張ろう」と。今考えると、声優になってからラップもやれて歌うこともできて、劇団も作ってやりたかったことが全部できている。デビューから振り返ると、こんな道もあったんだなと。特にラップの仕事に関しては言葉では表せないほど感謝しています。声優になれて光栄ですし、今作は現在の“木村昴の集大成”と言っても過言ではないかも知れません。

 面白いことに自分の代表作でもあるジャイアンと今回のイエティのミーゴは、巨大で歌を歌うキャラクターという共通点があります。仕事のオファーも、そういう設定のキャラが多いかな?という印象はありますね(笑)でも実はそれよりも、長男役で妹がいる設定のキャラクターが非常に多いんです。自分の核を持っているキャラクターで、長男で家族の中心に居るお兄ちゃん役。それらの役が多いから困っていることはありませんし、イメージが付くことはうれしい。「お兄ちゃん役は任せておけ!」って感じです(笑)。



関連写真

  • アニメ映画『スモールフット』主人公・ミーゴの吹き替えを担当する木村昴 (C)ORICON NewS inc.
  • アニメ映画『スモールフット』主人公・ミーゴの吹き替えを担当する木村昴 (C)ORICON NewS inc.
  • アニメ映画『スモールフット』主人公・ミーゴの吹き替えを担当する木村昴 (C)ORICON NewS inc.
  • アニメ映画『スモールフット』主人公・ミーゴの吹き替えを担当する木村昴 (C)ORICON NewS inc.
  • アニメ映画『スモールフット』主人公・ミーゴの吹き替えを担当する木村昴 (C)ORICON NewS inc.
  • アニメ映画『スモールフット』主人公・ミーゴの吹き替えを担当する木村昴 (C)ORICON NewS inc.

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