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野沢雅子、ポケモン映画出演で感じた“続ける”“協力”の美学「作品は声優だけじゃ作れない」

 声優の野沢雅子が、現在公開中の映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』にゲスト出演している。「悩み」を抱えたキャラクターが登場し、周りと協力しながら一歩を踏み出す姿が描かれる今作。「みなさんの力がなければ私たちの仕事はない」「周りの支えがなければ、同じ役を続けることはできない」と語る芸歴70年以上の彼女に、20年以上続いているポケモン映画の魅力や声優論を語ってもらった。

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■愛犬亡くした自分と重なったキャラとの共感「一つの子を愛し続ける美学」

 ポケモンの作品に出演したのは初めてではなく、アニメ版の方ではポケモントレーナーとして出演しています。それ以来となるので映画のお話をいただいた時はとてもうれしかったです。最初、今回演じるキャラクターであるお婆さんのヒスイを見る前に、ワニノコを見てしまい「私は人間じゃないだろうな。ワニだな」と勝手に思っていました(笑)そうしたら、「ヒスイ役ですよ」と言われて。ヒスイという名前は“綺麗な女性”というイメージを持っていたので、「えっ! 私がそんな綺麗な女性を演じていいの?」と驚きました。ですが、キャラクターの画像を見て「あー、やっぱりね」と(笑)今まで綺麗な女性を演じたことはないので、「綺麗な女性役の話を持ってきてもいいのよ?」と冗談で言ったりしているのですが、実際オファーがありましたら「いやいや、イメージがかけ離れているから、これは私じゃないでしょ」と遠慮しそうです(笑)

 今回の映画には、さまざまな種類のポケモンが出てきます。私自身、生き物が大好きなんです! 昆虫も好きでカブトムシを捕まえたら飼育しています。なのでカブトムシの形をしたポケモンを見た時は興奮しましたね(笑)ただ、爬虫類が苦手。あ、ワニノコちゃんはかわいいので別ですよ! 私の推しポケモンなので(笑)ニョロニョロしたのが苦手なんです。

 映画に出演するキャラクターは、それぞれ悩みを抱えていて一歩を踏み出せない姿が描かれています。演じたヒスイも過去のポケモンとのある出来事がきっかけで、ポケモンを避けるようになった。この気持ちが、すごくわかりましたね。私の場合は飼っていた愛犬が亡くなった時の姿が目に焼き付いているので、そこから犬が飼えないんですよ。新しく飼って同じ目に合うのは嫌ですし、前に飼っていた愛犬の思い出が薄れるのも嫌。忘れたわけじゃない、浮気したわけじゃないけど、フッと前の子を思い出して「悪かったかな」と感じてしまう。私にとって生き物は家族なので、一人の子を愛し続ける美学というのがあるのかも知れません。ベッドにぬいぐるみを三列くらい並べていますが、この子たちも家族。寝る時、一人の子に「おやすみ」と触れたら、全員に触れなきゃいけなくなるんです。愛情は公平に与えなきゃいけないと思ってしまって。

 家族ってとても素敵だと思います。一人っ子なので大勢の家族ってうらやましいですね。ポケモン映画は家族で楽しく見れる作品で、帰宅してからも「あの場面よかったよね!」「ピカチュウかわいかったね」など会話ができる。今の社会は親子の会話が失われがちでお母さんも忙しくしている世の中。子供任せにする部分もあると思っているので、アニメを通して仲良く会話ができるというのは、素敵ですよね。少しだけでも、家族の間で共通の話題が増えるといいと思います。

■同一キャラを長年やれる環境に感謝「私とキャラクターの関係性だけでは続けられない」

 ヒスイは悩みを抱えていますが、私自身は悩みを抱えるのではなく悩みを忘れないようにしています。忘れてしまうというのは、絆を断つって感じがする。それは寂しい。世の中にはたくさん悩んでいる方がいて、解決するための一歩を踏み出す勇気ができないことが多い。そんな時、生き物や家族、友人など周りの人が背中を押してくれるといいですよね。そうすれば「世の中はもっと良くなるのにな」と思います。一人で問題を解決したと感じていても、実は見えないところで周りの人が助けていたりするんです。

 それは、声優という仕事で実感します。一人でアニメの登場キャラクター全部を演じられるわけではない。キャラクターに命を吹き込むまでに、裏でどれだけの人たちがいるのか。アニメの一話だけでも、みなさんの力がなければ私たちの仕事はないですし、協力し合う美しさをこの映画で自然と学んでほしいと思います。

 アニメも含めて20年以上続いているポケモン映画ですが、サトシ役の松本梨香さん、ピカチュウ役の大谷育江さんは、同じ役をやり続けていますよね。これは同業者から見て、本当にすごいこと。私自身も長年演じ続けているキャラクターがありますが、同じキャラクターを長年やるには、演じるのではなく、自分の分身でないと難しいと思います。ただ、強く言いたいのが、私とキャラクターの関係性だけで続いているわけじゃないこと。周りのキャストとスタッフがいるからなりきれる。会話のキャッチボール、掛け合いがあってはじめてキャラクターに命が入る。周りの支えがなければ、続けることはできないのです。

■声優の立場で見どころは“全部”「個人より作品が評価されることが一番うれしい」

 あと、アニメや映画に出演した際、よくインタビューなどで「今作の見どころはどこですか?」と質問されるのですが、毎回必ず「見どころは全部です! それぞれが決めてください」と答えます。私が例えば「見どころは、ココです」と言ってしまったら、観に来る方はそこが気になってしまう。それだと「野沢さんが言っていたシーンはそろそろかな」と集中せず、その前のお話に100%の気持ちで楽しく観られない。せっかく良いお話があるのに流されることが多々あります。声優としては作品全体を見てほしいので、それはもったいないことなんです。私たち声優だけで作っている物ではない、スタッフ全員で作り上げた物なので、個人より作品が評価されることが声優として一番うれしいことです。



関連写真

  • 映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した野沢雅子 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した野沢雅子 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した野沢雅子 (C)ORICON NewS inc.
  • 映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に出演した野沢雅子 (C)ORICON NewS inc.

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