社会問題となって久しいネットいじめ。誰もが被害者になる恐れがあるだけでなく、軽はずみな気持ちでやったことから簡単に加害者になってしまうことも大きな問題だ。昔からうわさがうわさを呼んでひとり歩きすることも、学校内でのいじめもあったけれど、「SNSなどを使ったコミュニケーションが主流となったデジタル世代の若者たちが直面している現実は、昔に比べてより複雑で、より困難が増している」と語るのは、Netflixオリジナルシリーズ『13の理由』の製作・脚本を手掛けたブライアン・ヨーキー氏だ。
『13の理由』は、米国の作家ジェイ・アッシャーが2007年に発表した同名小説をドラマ化したもの。「10代の自殺」を題材にしたこのドラマは、17年3月よりNetflixで配信が開始され、若者たちを縛るスマートフォンやSNSを通した友情、恋愛、人間関係など、現代社会の抱える闇をリアルに映し出した作品として、SNSや口コミで広がり、世界中で賛否両論の反響を呼んでいる。
シーズン2の製作も進んでいる中、この4月にメインキャスト2人(クレイ役のディラン・ミネット、ハンナの元友人で事件の鍵を握るジェシカ役のアリーシャ・ボー)とともに来日したヨーキー氏。
「僕自身はフェイクニュースに惑わされないよう、ソーシャルメディアは極力使わないようにしているんだけど、自分が携わったドラマの評判がSNSで広がって、人気が出たというのは少し皮肉だね(笑)。たしかに、SNSがなかったら、『#MeToo』のムーブメントは広がらなかったと思うし、フロリダの銃乱射事件後に始まった高校生たちの銃規制運動『#NeverAgain』もSNSで拡大した」。
SNSの良い使われ方も認めつつも、「携帯電話がなかった時代にもうわさやいじめはあったわけですが、例えば学校でいじめられても、家に帰ればいじめは途切れた。ところが、いまのネット社会では、SNSを通して24時間いじめられ、逃げ場がない状況に追い込まれてしまう。悪意ある書き込みも何もかもが残り続けるかもしれない、という不安やプレッシャーも計り知れない」と、今を生きる若者たちに心を寄せる。
これまでに、トニー賞およびピューリッツァー賞を受賞した『Next to Normal(原題)』や『If/Then(原題)』など数々のヒットミュージカルを手掛けてきたヨーキー氏。彼自身も「若い頃、周りから孤立して、誰も自分のことを理解してくれない、と落ち込んだ時期がありました」と打ち明ける。つらい時期を乗り越える支えになったのは、「僕の場合は、音楽を聴いたり、映画を観たり、小説を読んだりする中で、自分と同じような気持ちを抱えている人が世の中にいることに気づき、理解してもらえた気がして救われました」。1980年代を代表する青春映画の名手、ジョン・ヒューズ監督の『ブレックファスト・クラブ』(85年)などを例に上げ、ジョイ・ディヴィジョンやエコー&ザ・バニーメン(どちらも英国のロックバンド)の「歌詞が自分の気持ちにピタッと来た」そう。
このドラマにおいては、今の10代の若者たちにリアルに支持され、絶大な影響力を持つ、米国の歌手で女優のセレーナ・ゴメスが、原作小説に感銘受け、自ら製作総指揮として6年以上の歳月をかけて映像化を実現させたことも特筆すべきことだ。
ヨーキー氏によると、「原作を読んでセレーナは、ハンナと自分を重ね合わせて深く共感し、同年代のファンと共有したいと思った。当初、ハンナ役はセレーナがやるつもりでいたんだけど、実現までに時間がかかってしまって、出演はあきらめたが、この作品を作る情熱が消えることはなかった。
ご存知のように、彼女は世界中で愛されるポップスターだが、ものすごくファンを大事にしているし、ファンに恩返しがしたいといつも思っている。自分がどれほど若者たちに影響力があるか、だからこそ若者たちのために何ができて、何をすべきか、十分に自覚しているんだ。本当に素晴らしいと思うよ」。
『13の理由』は、1話がテープの片面の1人分で、全13話。前回までのストーリーに肉付けしていく手法で、ハンナに何が起きたのか、秘密が明らかになっていく。それが、明らかになったところで、ハンナが生き帰ることはない。自殺は決して報われない、とやるせない気持ちにさせられる。
「残酷な出来事を描くのに手抜きはしないと決めていた。それを食いものにするようなことはしない代わりに真正面からとらえたい、と。信じたくないけど、これが若者の現実。30代以上の親世代、大人たちに、現代の若者がどういう状況にあるかを知ってもらう機会になればいいと思ったし、誰の身にも切実に感じられるものがあると思う」。
シーズン2は、年内には配信が開始される見込み。「いま配信中の『13の理由』は、原作に忠実に、その行間を膨らませて過去に何があったかを描きつつ、ハンナの死によっていまがどう変わったか、変わらなかったかを描いていきました。シーズン2を作ることは当初の考えにはなかったんですが、ドラマを作っていく過程で、ハンナを死へと追い詰めてしまった人たち一人一人にも顔があって、いろんなストーリーがあることに気付き、それも知りたいと思ったんです」と、明かしている。
『13の理由』は、米国の作家ジェイ・アッシャーが2007年に発表した同名小説をドラマ化したもの。「10代の自殺」を題材にしたこのドラマは、17年3月よりNetflixで配信が開始され、若者たちを縛るスマートフォンやSNSを通した友情、恋愛、人間関係など、現代社会の抱える闇をリアルに映し出した作品として、SNSや口コミで広がり、世界中で賛否両論の反響を呼んでいる。
「僕自身はフェイクニュースに惑わされないよう、ソーシャルメディアは極力使わないようにしているんだけど、自分が携わったドラマの評判がSNSで広がって、人気が出たというのは少し皮肉だね(笑)。たしかに、SNSがなかったら、『#MeToo』のムーブメントは広がらなかったと思うし、フロリダの銃乱射事件後に始まった高校生たちの銃規制運動『#NeverAgain』もSNSで拡大した」。
SNSの良い使われ方も認めつつも、「携帯電話がなかった時代にもうわさやいじめはあったわけですが、例えば学校でいじめられても、家に帰ればいじめは途切れた。ところが、いまのネット社会では、SNSを通して24時間いじめられ、逃げ場がない状況に追い込まれてしまう。悪意ある書き込みも何もかもが残り続けるかもしれない、という不安やプレッシャーも計り知れない」と、今を生きる若者たちに心を寄せる。
これまでに、トニー賞およびピューリッツァー賞を受賞した『Next to Normal(原題)』や『If/Then(原題)』など数々のヒットミュージカルを手掛けてきたヨーキー氏。彼自身も「若い頃、周りから孤立して、誰も自分のことを理解してくれない、と落ち込んだ時期がありました」と打ち明ける。つらい時期を乗り越える支えになったのは、「僕の場合は、音楽を聴いたり、映画を観たり、小説を読んだりする中で、自分と同じような気持ちを抱えている人が世の中にいることに気づき、理解してもらえた気がして救われました」。1980年代を代表する青春映画の名手、ジョン・ヒューズ監督の『ブレックファスト・クラブ』(85年)などを例に上げ、ジョイ・ディヴィジョンやエコー&ザ・バニーメン(どちらも英国のロックバンド)の「歌詞が自分の気持ちにピタッと来た」そう。
このドラマにおいては、今の10代の若者たちにリアルに支持され、絶大な影響力を持つ、米国の歌手で女優のセレーナ・ゴメスが、原作小説に感銘受け、自ら製作総指揮として6年以上の歳月をかけて映像化を実現させたことも特筆すべきことだ。
ヨーキー氏によると、「原作を読んでセレーナは、ハンナと自分を重ね合わせて深く共感し、同年代のファンと共有したいと思った。当初、ハンナ役はセレーナがやるつもりでいたんだけど、実現までに時間がかかってしまって、出演はあきらめたが、この作品を作る情熱が消えることはなかった。
ご存知のように、彼女は世界中で愛されるポップスターだが、ものすごくファンを大事にしているし、ファンに恩返しがしたいといつも思っている。自分がどれほど若者たちに影響力があるか、だからこそ若者たちのために何ができて、何をすべきか、十分に自覚しているんだ。本当に素晴らしいと思うよ」。
『13の理由』は、1話がテープの片面の1人分で、全13話。前回までのストーリーに肉付けしていく手法で、ハンナに何が起きたのか、秘密が明らかになっていく。それが、明らかになったところで、ハンナが生き帰ることはない。自殺は決して報われない、とやるせない気持ちにさせられる。
「残酷な出来事を描くのに手抜きはしないと決めていた。それを食いものにするようなことはしない代わりに真正面からとらえたい、と。信じたくないけど、これが若者の現実。30代以上の親世代、大人たちに、現代の若者がどういう状況にあるかを知ってもらう機会になればいいと思ったし、誰の身にも切実に感じられるものがあると思う」。
シーズン2は、年内には配信が開始される見込み。「いま配信中の『13の理由』は、原作に忠実に、その行間を膨らませて過去に何があったかを描きつつ、ハンナの死によっていまがどう変わったか、変わらなかったかを描いていきました。シーズン2を作ることは当初の考えにはなかったんですが、ドラマを作っていく過程で、ハンナを死へと追い詰めてしまった人たち一人一人にも顔があって、いろんなストーリーがあることに気付き、それも知りたいと思ったんです」と、明かしている。
2018/04/30