作家・貫井徳郎氏の人気ミステリー「症候群シリーズ」を、WOWOWと東海テレビがタッグを組み、連続ドラマ化。4月から東海テレビ・フジテレビ系で放送されたSeason1に続き、WOWOWでSeason2がスタートする。メインキャストの谷原章介(44)、玉山鉄二(37)、渡部篤郎(49)がそろってインタビューに応じた。タイプの異なる3人のトークはいかに?
同ドラマは警視庁と極秘の“特殊任務”に関わる男たちを軸に、誘拐、失踪、殺人の3種類の事件を、2シーズンにわたって描いていく。警察組織が表立って動きにくい特殊任務を調査し、真相を追い求める元刑事の武藤(玉山)、彼の親友で現役刑事の鏑木(かぶらぎ/谷原)、そして特殊任務の指揮を執る環(たまき/渡部)。立場の異なる3人の男たちを通して、復讐の是非と正義を問いかける社会派サスペンス。
――撮影現場でのお互いの印象は?
【谷原】Season1では、渡部さんや玉山さんとの絡みが少なかったのが残念。玉山さんからは武藤の苦しみが伝わってきて、つらそうで、心配に思っていたほど。でも、そんな玉山さんと向き合うことで、僕も鏑木という役に向き合うことができました。
【玉山】自分のことでいっぱいいっぱいになっていましたね。周りにアンテナ立てる余裕もなかった。
【渡部】僕は2人を見ていて、俳優が理想とする形ではないかなと思います。役を操ることはできても、心から役に入るのは難しいことです。キャラクター設定や脚本の元で演じているわけだけど、そういうのを越えて役に近づいて、のめり込める。僕も頑張っていたけどね。朝起きるところから(笑)。
――谷原さんはこのドラマの撮影をしながら、一方で、生放送の番組司会などのお仕事もありましたが…
【谷原】司会をやっていると、出演者や観客、スタッフに目配り、気配りが必要で、現場を俯瞰する癖みたいなものが身についてしまって。ドラマの現場も少し引いたところから見てしまう、というのは実感としてありますが、気持ちの切り替えは、現場に行けば自然とできるんですよね。
【渡部】潔くなるというか、僕も作品を掛け持ちして撮影した経験がありますが、考えても仕方ないですし、やらないといけない、と思えば切り替えられますね。
【玉山】僕、そういうの、全然できないです。だから本当に、すごいなって思う。
【谷原】やったらできるよ。やっていないからじゃない?
【玉山】2、3日は空けないと役を引きずってしまうと思う。だから、おふたりを見ていると本当にうらやましくて。渡部さんは特にリラックスして見える。それがうらやましくて、現場でもよく観察していました。僕らの見ていないところで、どう立ち向かっているかはわからないですけど、僕はよくヘコむし、不安になるし。おふたりの境地に少しでも近づきたいな、と思います。
――渡部さんがいまの境地に至ったのは、何歳くらいだったか覚えていますか?
【渡部】25歳くらいかな。簡単にいうと、玉山くんほど、真面目ではなかったのかもしれないですね。現場を楽しんでいたし、うまくいかないことがあっても楽しめました。
【玉山】いい意味で、いい意味ですよ、渡部さんからは意気込みを感じないんですよね。
【渡部】「意気込みを感じない」をいい意味で言う人を初めて見たね(爆笑)。
【谷原】たしかに、現場に入った瞬間、「きょう何時まで?」と聞いてくる。
【渡部】“帰りたい病”はまた別だから(笑)。
【玉山】いい作品に絶対しようという自分への期待があったり、そのために目に見える努力をしたり、ちょっと過剰に反応したり、肩に力が入ってしまうことってある。そういうの渡部さんはない…ですよね。
【渡部】ないですね。
【谷原】主演でも?
【渡部】ないね。
【玉山】だから意気込みを感じない(笑)。
【渡部】脚本を1回読んで、だいたいこんな感じになるのかな、とイメージしている時が一番楽しい作業で、その時のイメージを例えて言うなら、きれいな丸。でも、現場に行くといろいろあって、自分の頭の中で思い描いたきれいな丸がどんどん崩れて、形が変わっていくじゃない? その中で、もともときれいな丸に近づけるために自分はどうすればいいか、臨機応変にやっていくしかないですね。だからあんまりせりふを覚えていかないというか、なるべく相手のせりふを初めて聞く状態にしておくわけ。そうしておけば、よく聞くし、どう動くのかよく見て、それが自分のお芝居のやり方なのかな、と思いますね。
【谷原】僕も同じ。けっこう覚えない。ガチガチに覚えていかないと周りに迷惑がかかる場合は覚えますが、なるべく決めつけないようにしています。こういう話を聞くと、もっと現場でご一緒したかったなって思う。
【玉山】怪しかったですよね。二番手なのになんでこんなに出番が少ないんだろう、って。僕も思っていました。
【谷原】Season1では、1シーンも出ていない回が数回あったし。それがミスリードになってしまったら嫌だなって思っていた。出ないことで視聴者に「あの人怪しいんじゃない?」と思われて、本当に怪しかったらつまらないでしょう。
――武藤は親代わりにかわいがってきた妹が未成年の少年に殺され、鏑木はその妹の恋人だった。Season1では、復讐心に苦しむ武藤が主人公でしたが、Season2では鏑木を主人公に物語が展開します。愛する女性を殺された2人は、連続少年死亡事故を機に、復讐をめぐる互いの決意の違いに葛藤することになる。
【谷原】Season2では、木村多江さん、野間口徹さん、手塚理美さん、板尾創路さんが演じる新たな登場人物たちが、それぞれの正義や善悪、復讐の是非と向き合っていく様を観ていただきたいですね。手塚さんが演じる和子さん(臓器移植が必要な息子のためにドナーを探している)について理解できる面もあるけれど、理解できないところもある。木村さん演じる響子さん(未成年者に恋人を殺害された過去がある)は鏑木と境遇は同じだけれど、見ている方向は全然違っている。ご覧になる方にもそれぞれ、共感できること、できないことがあると思います。そこを楽しんでいただきたいですね。
WOWOW×東海テレビ共同製作連続ドラマ『連続ドラマW 犯罪症候群Season2』はWOWOWで6月11日スタート(毎週日曜 後10:00、全4話※再放送 12日 後11:00、13日 深1:00〜、18日 前10:00※第1話はいずれも無料放送)。
同ドラマは警視庁と極秘の“特殊任務”に関わる男たちを軸に、誘拐、失踪、殺人の3種類の事件を、2シーズンにわたって描いていく。警察組織が表立って動きにくい特殊任務を調査し、真相を追い求める元刑事の武藤(玉山)、彼の親友で現役刑事の鏑木(かぶらぎ/谷原)、そして特殊任務の指揮を執る環(たまき/渡部)。立場の異なる3人の男たちを通して、復讐の是非と正義を問いかける社会派サスペンス。
――撮影現場でのお互いの印象は?
【谷原】Season1では、渡部さんや玉山さんとの絡みが少なかったのが残念。玉山さんからは武藤の苦しみが伝わってきて、つらそうで、心配に思っていたほど。でも、そんな玉山さんと向き合うことで、僕も鏑木という役に向き合うことができました。
【玉山】自分のことでいっぱいいっぱいになっていましたね。周りにアンテナ立てる余裕もなかった。
【渡部】僕は2人を見ていて、俳優が理想とする形ではないかなと思います。役を操ることはできても、心から役に入るのは難しいことです。キャラクター設定や脚本の元で演じているわけだけど、そういうのを越えて役に近づいて、のめり込める。僕も頑張っていたけどね。朝起きるところから(笑)。
――谷原さんはこのドラマの撮影をしながら、一方で、生放送の番組司会などのお仕事もありましたが…
【谷原】司会をやっていると、出演者や観客、スタッフに目配り、気配りが必要で、現場を俯瞰する癖みたいなものが身についてしまって。ドラマの現場も少し引いたところから見てしまう、というのは実感としてありますが、気持ちの切り替えは、現場に行けば自然とできるんですよね。
【渡部】潔くなるというか、僕も作品を掛け持ちして撮影した経験がありますが、考えても仕方ないですし、やらないといけない、と思えば切り替えられますね。
【玉山】僕、そういうの、全然できないです。だから本当に、すごいなって思う。
【谷原】やったらできるよ。やっていないからじゃない?
【玉山】2、3日は空けないと役を引きずってしまうと思う。だから、おふたりを見ていると本当にうらやましくて。渡部さんは特にリラックスして見える。それがうらやましくて、現場でもよく観察していました。僕らの見ていないところで、どう立ち向かっているかはわからないですけど、僕はよくヘコむし、不安になるし。おふたりの境地に少しでも近づきたいな、と思います。
――渡部さんがいまの境地に至ったのは、何歳くらいだったか覚えていますか?
【渡部】25歳くらいかな。簡単にいうと、玉山くんほど、真面目ではなかったのかもしれないですね。現場を楽しんでいたし、うまくいかないことがあっても楽しめました。
【玉山】いい意味で、いい意味ですよ、渡部さんからは意気込みを感じないんですよね。
【渡部】「意気込みを感じない」をいい意味で言う人を初めて見たね(爆笑)。
【谷原】たしかに、現場に入った瞬間、「きょう何時まで?」と聞いてくる。
【渡部】“帰りたい病”はまた別だから(笑)。
【玉山】いい作品に絶対しようという自分への期待があったり、そのために目に見える努力をしたり、ちょっと過剰に反応したり、肩に力が入ってしまうことってある。そういうの渡部さんはない…ですよね。
【渡部】ないですね。
【谷原】主演でも?
【渡部】ないね。
【玉山】だから意気込みを感じない(笑)。
【渡部】脚本を1回読んで、だいたいこんな感じになるのかな、とイメージしている時が一番楽しい作業で、その時のイメージを例えて言うなら、きれいな丸。でも、現場に行くといろいろあって、自分の頭の中で思い描いたきれいな丸がどんどん崩れて、形が変わっていくじゃない? その中で、もともときれいな丸に近づけるために自分はどうすればいいか、臨機応変にやっていくしかないですね。だからあんまりせりふを覚えていかないというか、なるべく相手のせりふを初めて聞く状態にしておくわけ。そうしておけば、よく聞くし、どう動くのかよく見て、それが自分のお芝居のやり方なのかな、と思いますね。
【谷原】僕も同じ。けっこう覚えない。ガチガチに覚えていかないと周りに迷惑がかかる場合は覚えますが、なるべく決めつけないようにしています。こういう話を聞くと、もっと現場でご一緒したかったなって思う。
【玉山】怪しかったですよね。二番手なのになんでこんなに出番が少ないんだろう、って。僕も思っていました。
【谷原】Season1では、1シーンも出ていない回が数回あったし。それがミスリードになってしまったら嫌だなって思っていた。出ないことで視聴者に「あの人怪しいんじゃない?」と思われて、本当に怪しかったらつまらないでしょう。
――武藤は親代わりにかわいがってきた妹が未成年の少年に殺され、鏑木はその妹の恋人だった。Season1では、復讐心に苦しむ武藤が主人公でしたが、Season2では鏑木を主人公に物語が展開します。愛する女性を殺された2人は、連続少年死亡事故を機に、復讐をめぐる互いの決意の違いに葛藤することになる。
【谷原】Season2では、木村多江さん、野間口徹さん、手塚理美さん、板尾創路さんが演じる新たな登場人物たちが、それぞれの正義や善悪、復讐の是非と向き合っていく様を観ていただきたいですね。手塚さんが演じる和子さん(臓器移植が必要な息子のためにドナーを探している)について理解できる面もあるけれど、理解できないところもある。木村さん演じる響子さん(未成年者に恋人を殺害された過去がある)は鏑木と境遇は同じだけれど、見ている方向は全然違っている。ご覧になる方にもそれぞれ、共感できること、できないことがあると思います。そこを楽しんでいただきたいですね。
WOWOW×東海テレビ共同製作連続ドラマ『連続ドラマW 犯罪症候群Season2』はWOWOWで6月11日スタート(毎週日曜 後10:00、全4話※再放送 12日 後11:00、13日 深1:00〜、18日 前10:00※第1話はいずれも無料放送)。
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2017/06/11