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宮藤官九郎、19年大河ドラマ『いだてん』「笑えるところ、あると思います」

 2019年にNHKで放送される大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の脚本を手掛けるのは同局の連続テレビ小説『あまちゃん』を生んだ宮藤官九郎。3日に、タイトルとドラマの主役が2人いること、それを中村勘九郎阿部サダヲが演じることが発表された。少しずつ具体化しはじめた今回の作品について宮藤は「笑えるところ、あると思います」ときっぱり。「いいのかなっていうくらい。(期待して)大丈夫だと思います」と余裕の笑みを浮かべた。

2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で脚本を担当する宮藤官九郎 (C)ORICON NewS inc.

2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で脚本を担当する宮藤官九郎 (C)ORICON NewS inc.

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■金栗四三と田畑政治を主役にした理由

 同作は、中村が“オリンピックに初参加した男”金栗四三(かなくり・しそう)役、阿部が“オリンピックを呼んだ男”田畑政治(たばた・まさじ)を演じ、2人の主役リレーで、1912年「ストックホルム」から、1936年「ベルリン」、1964年「東京」までの3大会を中心に、“知られざるオリンピックの歴史”と激動の52年間を描く。

 金栗は、いまから105年前、日本人初のオリンピアンとしてストックホルム大会に出場したマラソン選手。日射病で失神し、“国辱”を味わうが、その生涯をマラソンにかけた。箱根駅伝をはじめ数々のレースを作った伝説の韋駄天(いだてん=とても足の速い人)。

 田畑は、新聞社の政治記者で、自身は泳げないが水泳の指導者としても活躍。1932年のロサンゼルスとベルリンの両大会に日本選手団を率いて参加した。「東京オリンピック」開催に執念を燃やし、戦後の逆境にひるまず、アジア初のオリンピック開催をもぎ取った。

 「僕は何かを達成した人より、その人の影で活躍していたパイオニアや、何かを達成できなかった人に興味が湧く。オリンピックのドラマといったら1964年の東京オリンピックをやろうとするのが普通かもしれないけれど、オリンピックの歴史をさかのぼっていったら、日本で最初にオリンピックに出たのは、たった2人だった。何ヶ月もかけて海を渡ってスウェーデンのストックホルムに行ったという話を知らなかった。でも、その一歩がなかったら2020年のオリンピックもなかったかもしれないな、と考えると、オリンピックが開催される前年に、オリンピックに初参加した頃のドラマを観るのもいいんじゃないかなって、思いました」

■『あまちゃん』チーム再集結への期待

 大河ドラマで主役がリレー形式で交代するのは『炎立つ』(1993年)、『葵 徳川三代』(2000年)以来。主役を2人にした理由は…。

 「オリンピックは4年に1回しか開催されず、一方で選手生命は短い。頑張っても3大会くらいしか出られない。ある人が頑張ってきても、次世代に託すときが来る。聖火リレーじゃないけど、何かをつないでいく物語はどうかと。4年に1回の大会に託してきた夢が、連綿と続いて64年の東京大会、そして2020年につながる話にしたいな、と思った時、どうしても1人では無理だった。金栗さんと田畑さんは7歳しか年が離れていいないけれど(田畑さんが年下)、金栗さんから田畑さんにバトンが渡るドラマにしたいなと思い、あえて2人にさせてもらいました」。

 ドラマの語りを“落語の神様”古今亭志ん生とすることも決まった。架空の落語『東京オリムピック噺』の軽妙な語りにのせ「笑いの絶えない」日曜8時のドラマを目指す。さらに、志ん生自身の波乱万丈な人生もドラマに挿入。 生粋の江戸っ子である志ん生の目線で、明治から昭和の庶民の暮らしの移ろい「東京の変遷」を映像化していく。志ん生の落語設定も宮藤から提案したアイデアだ。

 「現代劇以外は全部、時代劇。明治から戦後、東京オリンピックまでは僕の認識では時代劇のつもりでやろうと思っています。オリンピックに対して前のめりじゃない人にも、オリンピックをこう見たら面白いかも、というのを見せられたらいいな、と思って。落語を取り入れることで、どこまで本当で、うそなのか。作り話なんじゃないか。そんな遊びの部分を用意しておくと、僕も作りやすいと思ったので、そういう設定にさせてもらいました」。

 今作のチーフプロデューサーは訓覇圭氏、演出を担当するチーフ・ディレクターは井上剛氏と、『あまちゃん』スタッフも集結。存分に官九郎節をさく裂させてもらいたいものだ。

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  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で脚本を担当する宮藤官九郎 (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に主演する阿部サダヲ&中村勘九郎と脚本を担当する宮藤官九郎(右) (C)ORICON NewS inc.
  • 中村勘九郎が演じる金栗四三(左)と阿部サダヲが演じる田畑政治 (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』に決定 (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の発表会見に出席した(左から)中村勘九郎、阿部サダヲ (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の発表会見に出席した(左から)中村勘九郎、阿部サダヲ (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の発表会見に出席した中村勘九郎 (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の発表会見に出席した(左から)阿部サダヲ、中村勘九郎、宮藤官九郎 (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の発表会見に出席した阿部サダヲ (C)ORICON NewS inc.
  • 2019年大河ドラマが『いだてん〜東京オリムピック噺〜』の発表会見に出席した宮藤官九郎 (C)ORICON NewS inc.

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