テレビCMといえば、多くの人気タレントたちが出演し、需要のバロメーターとして視聴者からも認知されている。インパクトのあるCM作品に完成すれば、タレントと企業双方に有益な影響をもたらす。だが、この“インパクト”という点においては、単にタレントを起用すれば得られるというものではなく、時には“社員”を起用することで、タレント以上の印象を視聴者にもたらすことも多分にあるのだ。
タレントではなく“素人”が登場するCMは、今に始まったことではない。代表的な作品と言えば、稲葉製作所による『イナバ物置』のCMだ。代表取締役社長・稲葉明氏を筆頭に、全国の代理店社長が集まり、100人全員でイナバ物置に乗り「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」と叫ぶCMは、誰でも一度は目にしたことがあるはず。
タレント以上のインパクトを残し、CM発で一躍“時の人”となったのは、『湯川専務』ことセガ・エンタープライゼス(元株式会社セガ)の社員だった湯川英一氏だ。同社のハード機器『ドリームキャスト』のCMに本人役で出演し、その自虐的なCM内容と、湯川氏本人の体を張った演技が反響を呼び、同ハード機の売り上げに多大な影響を及ぼした。近年も多くのCMに“素人さん”が登場。
例えば、資生堂『専科』(2014年)には同商品の開発チームに所属する女性社員である渡邊裕子氏が登場する。同年3月に公開された「美白エブリディ!」篇では、モデル・小池栄子らが美白美容液について女子トークをするのち、渡邊氏が登場、商品の説明後に、小池栄子が商品を体験する内容だ。女子トークにて美白美容液について意識を喚起した後、商品開発チームの渡邊氏自らが商品特徴を解説することで、「美容液からつくった化粧水」というコンセプトがより説得力を増して伝わってくる。
富士フィルムでも社員を出演するCMを公開している。2014年8月の「磁気テープ技術」篇では、研究員が登場する。デジタルデータが一瞬に消えることをナレーションが述べたのち、紹介されるのは研究員の辻本真志氏。ナレーションの製品紹介とともに、辻本氏が開発した製品である磁気テープを手に取ったり、製品採用事例を紹介する姿を見ると、この製品の信頼性が伝わってくる。磁気テープと聞くと、ともすればデジタルデータよりも古い技術に思えるが、磁気テープに信頼性があると感じられるCMだ。
上記に挙げたCMすべてに共通するのは、出演しているのがCMのクライアントである各企業の社員であるということ。商品との親和性を考慮した際、関係性が深い人物が出演することで、より説得力が増す効果がある。つまり、ただの“素人さん”ではないのだ。
3月からは、新たにダイドーが「ダイドーブレンド 泡立つプレミアム挑戦」篇で同社の社員を起用した作品を放映している。俳優・松山ケンイチが滑らかな泡立ちを「缶コーヒーでできませんか?」とカメラ目線で問うと、ひな壇に座る各メーカーの社員とおぼしき面々に映像がチェンジ。各々渋い表情を浮かべる中、ただ1人ダイドー社員のみが「つくります!」と高らかに宣言するという内容。
自信に満ち溢れた表情で高らかに宣言するこのお方、実際に同社のマーケティング部でシニアマネージャーを務める野村恵一氏。コミュニケーション設計から商品開発まで、すべてに携わる人物だ。
実際に手を上げて立ち上がる場面はあるのだろうか? 野村氏本人に話を聞くと、「難しいことにはあえて積極的に関与をして取り組んでいます。これは私だけでなく弊社の社風でもあると思います」と胸を張る。「やはり達成した瞬間は私にとってプレミアムな瞬間です。これからも、CMのように立ち上がり、『できます!』と答えていきたいと思います」(野村氏)
松山ケンイチに勝るとも劣らないインパクトを残したことで、あくまで「主役は商品」であるということを明確に提示した良質な“社員CM”と言えるだろう。
⇒公式サイトはコチラ
タレントではなく“素人”が登場するCMは、今に始まったことではない。代表的な作品と言えば、稲葉製作所による『イナバ物置』のCMだ。代表取締役社長・稲葉明氏を筆頭に、全国の代理店社長が集まり、100人全員でイナバ物置に乗り「やっぱりイナバ、100人乗っても大丈夫!」と叫ぶCMは、誰でも一度は目にしたことがあるはず。
タレント以上のインパクトを残し、CM発で一躍“時の人”となったのは、『湯川専務』ことセガ・エンタープライゼス(元株式会社セガ)の社員だった湯川英一氏だ。同社のハード機器『ドリームキャスト』のCMに本人役で出演し、その自虐的なCM内容と、湯川氏本人の体を張った演技が反響を呼び、同ハード機の売り上げに多大な影響を及ぼした。近年も多くのCMに“素人さん”が登場。
例えば、資生堂『専科』(2014年)には同商品の開発チームに所属する女性社員である渡邊裕子氏が登場する。同年3月に公開された「美白エブリディ!」篇では、モデル・小池栄子らが美白美容液について女子トークをするのち、渡邊氏が登場、商品の説明後に、小池栄子が商品を体験する内容だ。女子トークにて美白美容液について意識を喚起した後、商品開発チームの渡邊氏自らが商品特徴を解説することで、「美容液からつくった化粧水」というコンセプトがより説得力を増して伝わってくる。
富士フィルムでも社員を出演するCMを公開している。2014年8月の「磁気テープ技術」篇では、研究員が登場する。デジタルデータが一瞬に消えることをナレーションが述べたのち、紹介されるのは研究員の辻本真志氏。ナレーションの製品紹介とともに、辻本氏が開発した製品である磁気テープを手に取ったり、製品採用事例を紹介する姿を見ると、この製品の信頼性が伝わってくる。磁気テープと聞くと、ともすればデジタルデータよりも古い技術に思えるが、磁気テープに信頼性があると感じられるCMだ。
上記に挙げたCMすべてに共通するのは、出演しているのがCMのクライアントである各企業の社員であるということ。商品との親和性を考慮した際、関係性が深い人物が出演することで、より説得力が増す効果がある。つまり、ただの“素人さん”ではないのだ。
3月からは、新たにダイドーが「ダイドーブレンド 泡立つプレミアム挑戦」篇で同社の社員を起用した作品を放映している。俳優・松山ケンイチが滑らかな泡立ちを「缶コーヒーでできませんか?」とカメラ目線で問うと、ひな壇に座る各メーカーの社員とおぼしき面々に映像がチェンジ。各々渋い表情を浮かべる中、ただ1人ダイドー社員のみが「つくります!」と高らかに宣言するという内容。
自信に満ち溢れた表情で高らかに宣言するこのお方、実際に同社のマーケティング部でシニアマネージャーを務める野村恵一氏。コミュニケーション設計から商品開発まで、すべてに携わる人物だ。
実際に手を上げて立ち上がる場面はあるのだろうか? 野村氏本人に話を聞くと、「難しいことにはあえて積極的に関与をして取り組んでいます。これは私だけでなく弊社の社風でもあると思います」と胸を張る。「やはり達成した瞬間は私にとってプレミアムな瞬間です。これからも、CMのように立ち上がり、『できます!』と答えていきたいと思います」(野村氏)
松山ケンイチに勝るとも劣らないインパクトを残したことで、あくまで「主役は商品」であるということを明確に提示した良質な“社員CM”と言えるだろう。
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2015/03/13