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「アニメを見るならMX」 TOKYO MXの挑戦

 東京に拠点を置く独立系放送局・TOKYO MXが、4月1日付で同社事業局に「アニメ事業部」を新設した。06年からアニメに注力し、地デジ化の追い風もあって、関東のアニメファンからは“アニメを見るならMX”と言われるほど信頼を得るようになった同社。この春は、新作・旧作50作品以上をラインアップするなどその成果が窺える。

■複数作品の帯編成、MX=アニメのイメージが定着

 来年度に開局20周年を迎えるTOKYO MXが、14年4月1日付で事業局内に「アニメ事業部」を新設。アニメコンテンツ制作や権利ビジネスの拡大など、同社の柱であるアニメ事業の強化を発表した。現在、関東の視聴者から「アニメを見るならMX」と言われるほど、TOKYO MX=アニメというイメージが定着しているが、4月1日付でアニメ事業部長に就任した尾山仁康氏によると、アニメに注力するようになったのは06年10月からで、約7年半ほど経つ。

「当社は在京のTV局では最も新参ですから、まずは多くの方にMXを認知していただき、視聴習慣をつけていく必要がありました。また当時、在京キー局がアニメの編成を縮小しつつあった背景もあり、差別化を図る意味でもアニメは最適なコンテンツだろう、ということになったのです」(尾山氏/以下同)

 まずは親子層を獲得していくため、平日18時半〜20時の時間帯に旧作を中心とした「アニメパラダイス」枠を設置。さらに学生や社会人が在宅している23時〜26時に新作アニメを集中させるという大胆な編成とした。また、在宅率が高い土日は22時台から新作アニメを放送しており、14年4月期は22時から土曜は7本(再放送含む)、日曜も7本を放送している。アニメファンはもちろん、制作サイドとの信頼関係も築いていけるよう、長年にわたり固定枠で地道に放映し続けてきたことで、13年7月期にはすべての曜日で新作アニメが放送されるまでになった。

「視聴習慣をつけてもらうためには、帯編成にすることで“この時間にMXをつければアニメを見ることができる”と認識してもらうことが重要でした。さらにMBSの丸山博雄プロデューサーのアドバイスを受けて、最低でも2段積み、3段積みで編成することで、アニメファンが集まりやすい仕組みを作っています」


■アニメ関連の情報を集約自ら発信する取り組みも

 また、地デジ化により東京スカイツリーへと送信所を移転し、視聴範囲が大きく広がったことや、チャンネル「9」が割り当てられたことも後押ししている。効率良くパッケージ収益につなげる放送形態として、東京1局、関西1局、BS1局という流れがあるなかで、東京ではMXのみで放送される作品も多くなっている。

 こうしたなか、満を持して新設された「アニメ事業部」のスタッフは、営業畑からアニメに対する意識の高い人材が集結した。現在、同社の好調をけん引しているアニメ事業の主な収入源は放送枠の販売、CMスポットが主となっているが、今後はメーカーや出版社とのつながりを深めながら、コンテンツの確保を図る。これまでばらばらに展開していたアニメに関する情報を1ヶ所に集約することも、事業部化の狙いだという。

「今後は収益とは別視点での取り組みも打ち出していきたいと考えています。例えば要望が多い『MX アニメ祭』といったようなイベント開催や、今年から設けたアニメ放送の間のミニ枠で、アニメ情報番組などを自社制作したいですね。こうした構想を実現するためにはアニメ業界の皆様との連携が欠かせませんから、密にコミュニケーションを取ることでより強い関係を築いていきたいですね」

 アニメ事業部の夢は「MXのドラえもん」と称されるような局の象徴となる番組を生み出すことだという。そんな不朽のコンテンツを創出するために、同社のチャレンジがいよいよ始まった。(ORIGINAL CONFIDENCE 14年5月5日号掲載)



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  • 新設された「アニメ事業部」は、アニメに関わる業務を統合的に行うことで効率化を図るとともに、自社で優れたアニメコンテンツを制作し、権利ビジネスなど業務の拡大を図っていく
  • TOKYO MX発行の広報誌『キュートーン』の「アニメはTOKYO MX!」特集
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