今夏、認知症をテーマにしたスペインの長編アニメーション『しわ』が劇場公開され、話題を呼んだ。テーマはもちろん、スタジオジブリの高畑勲監督が同作を絶賛したことも追い風になった。
同作は、スペイン人イラストレーター、パコ・ロカ氏の漫画が原作。原作者が入念にリサーチを行い、ある養護老人施設に集い、さまざまな行動をとり、さまざまな思い出を持つ老人たちの日々を描く。
高齢化時代を迎え、「認知症」や「終(つい)の住処」が社会問題としてクローズアップされているのはスペインも日本も同じ。その時、どうやって向き合えばよいのか。本当に必要なのは「家族」か「友達」か。重い内容の映画だが、同国の実力派アニメーターで初めて長編アニメーションの監督を務めたイグナシオ・フェレーラスは、自身の知人や親戚の特徴を思い浮かべて、温かな手書きアニメーションの手法でさりげなく、コミカルに仕上げた。
フェレーラス監督はスタジオジブリの高畑監督の大ファンで、『アルプスの少女ハイジ』などを観てアニメの世界に入ったという。今回の初監督作を高畑監督に観てもらうためだけに日本語字幕版を作って届けるという“逸話”も作った熱い男でもある。
11月6日に同作のBlu-ray&DVDがウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンから発売されるのを前に、来日したフェレーラス監督に話を聞くことができた。
――高畑監督の大ファンなんですね。
「高畑監督はアニメーション業界で絶対的な影響力を持った監督。すごく尊敬しています。映画監督でいえばオーソン・ウェルズ監督をはじめ、1930年、40年代に活躍した監督たちの影響を何かしら受けているように、アニメーション監督は高畑監督の作品の影響を受けていると思うんです」
――日本のアニメが好きなのですか?
「もともと日本に関心があったというより、実写でもアニメでも好きな映画に日本人監督の作品が多かったんです。なので、高畑監督、宮崎駿監督の作品はもちろんですが、黒澤明監督や是枝裕和監督の作品も大好きです。日本のアニメならなんでも好きというわけではありませんが、総じて日本のアニメは優秀だと思います」
――今作が初の長編監督作とのことですが…
「『しわ』という作品に出会う前は、もう少しファンタジーの要素が入った企画を用意していました。プロデューサーからこの作品の監督をしないかと誘われ、作品の構想をすぐにイメージできました。もう少し若い頃に同じ依頼を受けていたら、ファンタジーのものを作りたいと思い続けていたかもしれませんが、私も40代、ドキュメンタリータッチのものを作りたいと思うようになりました。現実の世界を注意深く観ていると、ファンタジーよりも面白い時があります。新しい発見があります」
――この作品をどのように観てもらいたいですか?
「自分が同じような状況に置かれた時にどうするか、どう感じるか、ということを考えて描きました。老人は養護施設に入れられて、誰も面会に来てくれなくても平気なのか、深刻な病気に直面しても怖いと思わないのか。そんなことはないでしょう。老いて肉体と精神が弱っても、感情はある。視聴者にも登場人物たちの気持ちを感じてほしいと思います。この作品を見てくださった方から、観終わってすぐに、年老いた両親、祖父母に電話をしなくてはと思ったという感想を何度も聞きました。私にとってはそれが最高の反応だと思っています」
映画『しわ』Blu-ray&DVDは11月6日発売 Blu-ray:4935円(税込み)/DVD:3990円(税込み) 発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン (C)2011 Perro Verde Films - Cromosoma, S.A.
同作は、スペイン人イラストレーター、パコ・ロカ氏の漫画が原作。原作者が入念にリサーチを行い、ある養護老人施設に集い、さまざまな行動をとり、さまざまな思い出を持つ老人たちの日々を描く。
フェレーラス監督はスタジオジブリの高畑監督の大ファンで、『アルプスの少女ハイジ』などを観てアニメの世界に入ったという。今回の初監督作を高畑監督に観てもらうためだけに日本語字幕版を作って届けるという“逸話”も作った熱い男でもある。
11月6日に同作のBlu-ray&DVDがウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンから発売されるのを前に、来日したフェレーラス監督に話を聞くことができた。
――高畑監督の大ファンなんですね。
「高畑監督はアニメーション業界で絶対的な影響力を持った監督。すごく尊敬しています。映画監督でいえばオーソン・ウェルズ監督をはじめ、1930年、40年代に活躍した監督たちの影響を何かしら受けているように、アニメーション監督は高畑監督の作品の影響を受けていると思うんです」
――日本のアニメが好きなのですか?
「もともと日本に関心があったというより、実写でもアニメでも好きな映画に日本人監督の作品が多かったんです。なので、高畑監督、宮崎駿監督の作品はもちろんですが、黒澤明監督や是枝裕和監督の作品も大好きです。日本のアニメならなんでも好きというわけではありませんが、総じて日本のアニメは優秀だと思います」
――今作が初の長編監督作とのことですが…
「『しわ』という作品に出会う前は、もう少しファンタジーの要素が入った企画を用意していました。プロデューサーからこの作品の監督をしないかと誘われ、作品の構想をすぐにイメージできました。もう少し若い頃に同じ依頼を受けていたら、ファンタジーのものを作りたいと思い続けていたかもしれませんが、私も40代、ドキュメンタリータッチのものを作りたいと思うようになりました。現実の世界を注意深く観ていると、ファンタジーよりも面白い時があります。新しい発見があります」
――この作品をどのように観てもらいたいですか?
「自分が同じような状況に置かれた時にどうするか、どう感じるか、ということを考えて描きました。老人は養護施設に入れられて、誰も面会に来てくれなくても平気なのか、深刻な病気に直面しても怖いと思わないのか。そんなことはないでしょう。老いて肉体と精神が弱っても、感情はある。視聴者にも登場人物たちの気持ちを感じてほしいと思います。この作品を見てくださった方から、観終わってすぐに、年老いた両親、祖父母に電話をしなくてはと思ったという感想を何度も聞きました。私にとってはそれが最高の反応だと思っています」
映画『しわ』Blu-ray&DVDは11月6日発売 Blu-ray:4935円(税込み)/DVD:3990円(税込み) 発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン (C)2011 Perro Verde Films - Cromosoma, S.A.
2013/11/06