脚本家・北川悦吏子氏が描く大人の恋愛ドラマ『月に祈るピエロ』がCBC・TBS系で5日(後2:00〜3:24)に放送される。ネットオークションで絵本を売買した男女が、一度も逢うことなく心を通わせていくストーリー。女性が憧れる恋愛や女性の本音が、ただ描かれているだけではない、なんだかキラキラして見える“北川ワールド”は健在だ。
大ヒットドラマ『愛していると言ってくれ』『ビューティフルライフ』の主演女優と脚本家がタッグを組み、時代の変化と年齢に応じた大人の恋愛ドラマを作る――女優の常盤貴子が演じる主人公は、故郷の小さな町で介護が必要な祖母と母と3人で暮らすアラフォー独身女性。かつてのトレンディドラマのようなライフスタイルではないけれど、何気ないメールのやりとりから始まる、運命を感じさせるような恋物語は、「いつもの私だなぁ〜。『恋愛道』(ベストセラーになった自著のエッセイ本)から、ちっとも変わっていない(笑)」と北川氏。
ほかにも『ロングバケーション』や『オレンジデイズ』など、数々の恋愛ドラマのヒット作を生み出してきたが、「私は一生、恋を書き続けるのだろうな、と思いました。結婚して、子どもができても、流れている血は変わらない。どこを切り取っても金太郎飴みたいに、出てきてしまうんですね…」。
主人公のメールの相手は、東京在住の男性。それが、年齢も同じくらいで、彼も彼なりの人生の岐路に立たされていて…。しかも、谷原章介が演じている、つまりイケメン。そんな奇跡みたいな話、ありえないと思うかもしれないが、北川氏は「最近の創作物が『現実』寄りになって、少し寂しいという気持ちもありつつ、どこか夢を見られる部分もあったほうがいいんじゃないかと思う。ドラマを観たら、観る前より3センチでいいから元気になってほしい」と話す。
■3・11以降、故郷を描きたくなった
変わらない個性がある反面、「変わったな」と自覚しているところもある。何より、今回のドラマが北川氏の出身地、岐阜県を舞台にしていることだ。「いままで気恥ずかしさもあって、故郷を避けていた部分もあったんですが、3・11以降なんとなく考え方、心境が変わってきたのかな。私が、その土地で生まれ、18年間暮らしていたという純然たる事実は、自分にとって大きな意味があるんじゃないかと思い始めました。大人になってきたのかな(笑)」
また、今回の物語は現代のネット社会でなければ、生まれてこなかったと言える。「ネットのつながりは希薄とも言われるけど、そればかりじゃないと思っていました。そこから本当の付き合いが始まることもあると思う。ネットがなかった時代には、1回会って気が合うなと思っても、それでおしまいということも多かったと思うし。ネットのやりとりでずっとつながっていられる。それはものすごく大きな変化だと思うんですよね。後は、相手次第、自分次第ですけどね」。
つまらない八方塞がりの生活をしていても、ある日、誰かと巡り合って、何か自分の支えを、光を見つけて、あすを夢見られるような、奇跡を信じてみたくなる話。土曜日の昼下がり、「単館ロードショーを観るつもりで、楽しんでいただけたら」と話していた。
大ヒットドラマ『愛していると言ってくれ』『ビューティフルライフ』の主演女優と脚本家がタッグを組み、時代の変化と年齢に応じた大人の恋愛ドラマを作る――女優の常盤貴子が演じる主人公は、故郷の小さな町で介護が必要な祖母と母と3人で暮らすアラフォー独身女性。かつてのトレンディドラマのようなライフスタイルではないけれど、何気ないメールのやりとりから始まる、運命を感じさせるような恋物語は、「いつもの私だなぁ〜。『恋愛道』(ベストセラーになった自著のエッセイ本)から、ちっとも変わっていない(笑)」と北川氏。
ほかにも『ロングバケーション』や『オレンジデイズ』など、数々の恋愛ドラマのヒット作を生み出してきたが、「私は一生、恋を書き続けるのだろうな、と思いました。結婚して、子どもができても、流れている血は変わらない。どこを切り取っても金太郎飴みたいに、出てきてしまうんですね…」。
主人公のメールの相手は、東京在住の男性。それが、年齢も同じくらいで、彼も彼なりの人生の岐路に立たされていて…。しかも、谷原章介が演じている、つまりイケメン。そんな奇跡みたいな話、ありえないと思うかもしれないが、北川氏は「最近の創作物が『現実』寄りになって、少し寂しいという気持ちもありつつ、どこか夢を見られる部分もあったほうがいいんじゃないかと思う。ドラマを観たら、観る前より3センチでいいから元気になってほしい」と話す。
■3・11以降、故郷を描きたくなった
変わらない個性がある反面、「変わったな」と自覚しているところもある。何より、今回のドラマが北川氏の出身地、岐阜県を舞台にしていることだ。「いままで気恥ずかしさもあって、故郷を避けていた部分もあったんですが、3・11以降なんとなく考え方、心境が変わってきたのかな。私が、その土地で生まれ、18年間暮らしていたという純然たる事実は、自分にとって大きな意味があるんじゃないかと思い始めました。大人になってきたのかな(笑)」
また、今回の物語は現代のネット社会でなければ、生まれてこなかったと言える。「ネットのつながりは希薄とも言われるけど、そればかりじゃないと思っていました。そこから本当の付き合いが始まることもあると思う。ネットがなかった時代には、1回会って気が合うなと思っても、それでおしまいということも多かったと思うし。ネットのやりとりでずっとつながっていられる。それはものすごく大きな変化だと思うんですよね。後は、相手次第、自分次第ですけどね」。
つまらない八方塞がりの生活をしていても、ある日、誰かと巡り合って、何か自分の支えを、光を見つけて、あすを夢見られるような、奇跡を信じてみたくなる話。土曜日の昼下がり、「単館ロードショーを観るつもりで、楽しんでいただけたら」と話していた。
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2013/10/04