アニメ&ゲーム カテゴリ
  • ホーム
  • 映画
  • 怖いぐらいに人間の本音を浮き彫りにするドラマ『夜行観覧車』

怖いぐらいに人間の本音を浮き彫りにするドラマ『夜行観覧車』

 本作では高級住宅地で起きた殺人事件を軸に、3組の家族の軌跡がスリリングに描かれていく。キャストには、TBSの連続ドラマ出演は5年ぶりという鈴木京香に加え、石田ゆり子宮迫博之夏木マリなど個性的な顔ぶれが選りすぐられた。

 「女性たちに支持されている湊さんの作品を手がけたいという気持ちがあり、原作が家族を題材にしている点にも魅力を感じました。湊さんの作品はどれも、怖いぐらいに人間の本音を浮き彫りにし、人間関係の芯を突いています。描写のリアルさ、棘のある展開にも惹かれました」(ドリマックス・テレビジョン ドラマ本部 新井順子氏/以下同)

 最近、数が少なくなった重厚感のあるドラマで勝負したいとの思いもあったという。原作に描かれる女性たちの本音や機微に共感しうるように、スタッフも、脚本に女性の心理を描かせたら抜群の奥寺佐渡子、演出に塚原あゆ子を配するなど、女性主導で編成したと、新井氏は続ける。

 「奥寺さんとは映画『八日目の蝉』のセリフの凄味に圧倒され、いつか仕事でご一緒したいと思っていました。この企画は即座にやりたいとのお返事をいただきました。その時点で、きっちり原作を読み込んでいただいたので、素晴らしいプロットにまとめられていました。全10話のプロットは奥寺さんがつくり、脚本にする段階で3話分だけ清水友佳子さんにお手伝いいただきました」

 奥寺氏がテレビ用に原作に加筆し、原作者も了承の上で製作を進めた。演出に山本剛義を加え、女性目線だけではない部分にも配慮している。

■ありきたりにしないドラマを目指していく

 「原作は、登場人物の誰を主人公にしても成立するのですが、ストーリーの広がりを考えて、40歳代の主婦、遠藤真弓を中心に据えました。私の頭のなかでは鈴木京香さんのイメージしかありませんでした。恰好のいい鈴木さんが物語の進行とともに壊れていく姿を見たかったのです」

 このほか、夫役に宮迫博之を配した点もチャレンジだったという。

 「もちろんキャストそれぞれにチャレンジする部分がある設定なのですが、もっともイメージを投げうって挑戦してくれたのが遠藤彩花役の杉咲花ちゃんでしょう。オーディションで選んだのですが、演技の参考になるように映像資料を渡して特訓した成果が演技に表れています。感情をむき出しにするシーンなど、目を見張る成長ぶりです」

 サスペンス風で力強いイメージを、是非とも女性に歌ってほしいとの思いから、主題歌はAIを起用した。

 「何事も、ありきたりにはしたくない気持ちがあります。発想したことを推し進める前に、まず客観的に見直すことを心がけています。それも小さい頃からテレビを見込んできたことに起因しています。とにかくテレビ業界に入ることだけを目的に、大阪から東京に出てきましたから(笑)」

 ドラマ制作に携わりたいとの一念から、専門学校卒業後に製作プロダクションVSOに入り、6年間、AD、APを経て、現在のドリマックス・テレビジョンの所属に至る。

 「プロデューサーは、ひとりで企画を売り込むことから始め、編成、脚本家という風に人が増えていき、最終的に100人を束ねることになる。やはり、第1話の放映時にはプロデューサーとしての醍醐味を感じます」

 また、重厚なサスペンスでありながらも、女性を意識し、“キラキラ”したテイストも盛り込みたいと語る新井氏。今後も、テーマやジャンルにかかわらず、女性目線にこだわったドラマ作りを目指していく。(オリジナル コンフィデンスより)



オリコントピックス