東京・築地の「新喜楽」で17日に発表された『第146回 芥川賞・直木賞』(日本文学振興会主催)の受賞作は、芥川賞が円城塔氏の『道化師の蝶』と田中慎弥氏の『共喰い』の2作品、直木賞は5度目のノミネートとなった葉室麟氏の時代小説『蜩ノ記』に決定した。2作同時受賞となった芥川賞作品について選考委員の黒井千次氏は「現代的で知的な作品と、いささか古めかしい作品」と両極性を語り、“現代的”とした円城氏の『道化〜』の選考過程を「その新しさの面白さという点に注目が集まって、評価された」と伝えた。 先に発表された直木賞について、選考委員を代表し会見に登場した浅田次郎氏は過去の4回のノミネート作品と受賞作を比べ「これまでにない完成度の作品」と称賛。「今までの選考では私が、葉室さんの作品をけなしてきた急先鋒でしたが、今回は誠実に勉強されて書き改めたものを出され、頭の下がる作品でした」と続け、“5度目の正直”となった葉室氏を「“小説家かくありき”というお手本のような作品」と大絶賛した。
2012/01/18