担当者が明かす、漫画『ぴよちゃん』ヒットの理由 王道4コマは新聞の「窮屈さ」が生んだ?
新聞10社の校閲から届くチェック「猫の関西弁風のセリフはご了承ください」
「当初は念のため、事前にネームチェックを行なっていましたが、すぐに完成原稿でいただく形になりました。新聞は書籍以上に、多様な読者への配慮とコンプライアンスが求められるので、そういう意味での制約はあります。身体的な特徴をあげつらうような表現は避けるなどセリフの配慮はもちろん、色の塗り漏れや、手描き文字の漢字のトメハネなど含めて、細かく見ながら場合によっては修正をお願いしていきます。
ひとまず三社連合さん側のチェック後に納品しますが、そこで終わりではありません。その後、全国10紙に配信されるわけですが、各紙にも当然、校閲がいらして。あちらの新聞社は指摘してくるけど、こちらには何も言われない、ではどこかもう1紙が指摘してきたら直そうとか、調整を続ける…。作品自体がほんわかした4コマですし、きっと気楽に作ってるんだろうと思われているかもしれませんが、そんなことはまったくありません(苦笑)」
重要キャラクターである猫の又吉が話す関西弁風のセリフに対し、「関西弁として正しいのか」といった指摘が入ることもあるのだという。
「これはあくまでも又吉語ですのでご容赦ください、と丁寧に説明したりしています(笑)」
高度な4コマ技術が生む「ノスタルジック感」に全世代が反応
「連載開始前に、もしもネタに困ってきたら、ブレスト的なミーティングを開きましょうと青沼先生とは話していたのですが、結局いまだ一度も行なっていません。そもそも4コマという表現フォーマットには、かなり職人芸に近い面があって、情報を削ぎ落としつつ、きちんと起承転結を展開する必要があります。メジャーでずっと活躍してこられた青沼先生だからこそ、非常に卓越したテクニックで、とても完成度の高い作品を継続できているのだと思います。実際に、小学校の授業で教材として使われたり、中学の入学試験で取り上げられたりしているのは、その完成度の証でもあると思います」
『ほのぼの君』『サザエさん』など、王道の新聞4コマ漫画を愛してきた作者ならではの、ノスタルジーさえ感じさせる人情話や昭和感。だがそれだけにとどまらず、現代でも共感できる魅力的な要素を、絶妙のバランスで織り交ぜていることがすぐに納得できるはずだ。