『あなたの番です』Pが仕掛ける、テレビの前に視聴者を呼び戻すチャレンジ
登場人物と謎が多いミステリー、伏線と回収で20話は必要
「企画が立ち上がったのは、同じく秋元先生に携わっていただいたドラマ『愛してたって、秘密はある。』(17年7月期)の終了直後です。海外のミステリードラマのような中毒性と言いますか、次の展開が待ち遠しくなるようなドラマを目指そうという思いが一致して、今回の企画が走り出しました。秋元先生には物語の土台が固まってからは、ストーリーそのものというよりは、主に視聴者をザワつかせる仕掛けや次週への引っ張りといったエッジを立てる部分のアイデアをいただいています」
「マンションの住民会に参加する人たち全員が共犯関係になるドラマなので、必然的に登場人物は多くなります。また、誰が誰の名前をどんな理由で書いたのかというだけでも謎が多いですし、それらの種明かしや伏線を回収していくだけでも20話は必要でした」
日本において3ヶ月1クールという連ドラのサイクルが定着した背景はさまざまあるが、あまり長期で役者のスケジュールを抑えにくいことも理由の1つだと言われている。
「たしかにそこはハードルの1つですが、今回は通常の連ドラよりもかなり早めにプロットを完成させ、役者のみなさんにお声がけすることで乗り越えました。事前に確保できる日程をうかがい、ストーリーの流れ的にも登場シーンを調整しながら、無理なく撮影に参加していただけるスケジュールを組んでいます。ただ、お話をしてみると、『1クールでバタバタッと終わるよりも、役や作品にじっくり向き合える』と、前向きになってくれた方も少なくなかったです。生瀬勝久さんも、『昔はもっと半年くらいかけて作り上げるドラマが多かったよね』とおっしゃってくれました」