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『いだてん』“脱定番”大河ドラマと思わせる3つの理由

『いだてん』(C)NHK

『いだてん』(C)NHK

 2019年のNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』が1月6日より放送開始された。33年ぶりに近現代が舞台、大河ドラマ初のスポーツ選手が主役ということで、“異色”という言葉が何かと枕詞に付く。そんな本作は、数々のヒット作を手がける宮藤官九郎のオリジナル脚本であることも注目ポイントであり、触れ込み通り第1話からこれまでの大河ドラマイメージを覆すような“脱定番”の要素が散りばめられていた。

「なぜか周囲から愛される」2人を主役に据える

 脱定番の理由は3つ挙げられるだろう。まずひとつはW主演であること。中村勘九郎が「オリンピックに初参加した男」の金栗四三を、阿部サダヲが「オリンピックを呼んだ男」の田畑政治を演じている。大河ドラマと言えば、ひとりの歴史上の人物にスポットを当て、その生涯を追う一代記が定番。ドラマに興味を持たせるもっとも大事な人物をピンでも相棒でもなく、東京オリンピックという共通点のある2人をリレ―式で結びつけていく。主役の選び方からも宮藤官九郎のこだわりが感じられる。

『いだてん』公式サイトには「この2人を主人公にすれば、いいドラマになると感じました」という宮藤官九郎のコメントがある。2人について、「勝ち進んで上りつめていく人よりも、何か大きな目標に向かっていったのに達成できなかった人に親近感がわいてしまうんですよね。金栗さんは期待を背負って出場したストックホルムオリンピックで気を失ってしまったり、田畑さんは失言がもとで64年の東京オリンピックの直前に大事なポストから降ろされたり。でも、そういう部分に人間味をすごく感じました。めちゃくちゃなことをやっているんだけど、なぜか周囲からも愛される人物」と解説している。

 思えば、宮藤官九郎が手がけ、朝ドラブームを作った連続ドラマ小説『あまちゃん』も、「良妻賢母」や「職業婦人」路線ではなかった。朝ドラの定番から脱却した自由度の高さが光り、「なぜか周囲からも愛される」主役だった。そんな『あまちゃん』同様に今回の大河でも、主役に限らず、次々と登場する個性的なキャラクターにも焦点を当てている。

落語を筋にして物語をつなぐ宮藤官九郎ならではの脚本

 ビートたけしが演じる昭和の名人・古今亭志ん生もそのひとりだ。古今亭志ん生がナビゲーター役となり、架空の落語「東京オリムピック」を語りながら、物語を紡いでいく。そんな描き方も「脱定番」の2つ目に挙げられる。

 広くあまねく子どもから高齢者層までが理解しやすいように、順を追って説明する脚本スタイルが大河の定番だったが、『いだてん』は違う。描かれる時代は日本人がオリンピックに初参加した1912年の「ストックホルム大会」から1964年の「東京オリンピック」開催まで。その激動の52年間に起こった出来事を、あちこち時空と場面を飛びながら描かれていく。

 しかしそれは決して混乱させるものではない。先の架空の落語「東京オリムピック」が一本の筋となって展開されていくことによって、一見バラバラにも思える1つひとつのピースが、「東京オリンピック」というひとつの絵を完成させていくような感覚を第1話目から感じ取れた。

提供元: コンフィデンス

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