佐々木蔵之介、中山美穂、黒木瞳らが“大人の恋” 『黄昏流星群』P語るフジ「木10」攻めのドラマ作り
男性目線の物語に女性の視点をプラス 性年代超え共感呼ぶストーリーに
「ご出演いただいている黒木瞳さんからも、顔合わせの時、『(不倫問題などに対して風当たりが強い)今、この作品をやるのは変わっていますね』と言われました(笑)。ですが、同じく不倫を描いた他局のドラマ作品なども、時には批判に晒されながらも視聴者を夢中にさせていたりして。そして、本作のキャッチコピー『運命の人なんて、何歳で出会うかわからないから、怖いのだ。』を見ればわかっていただけるように、誰だって歳をとっても恋をしたいという想いは、なくならないと思うんです。ですので、あえて今だからこそ、ドラマ化しようと思いました」(高田氏/以下同)
「50代と言えば、仕事が落ち着き子どももある程度手離れして、そろそろ肩の荷を下ろしてもいい世代。そういった世代が中学生のようにピュアな恋愛をしてしまう滑稽さを描いたらどうか、と浅野さんからご提案いただきました。女性が『男ってバカよね』とツッコミながら観られるような作りにもなっていると思います。実際、ネットでも“ネタドラマ”と言われるなどの反響がありましたが、特に第1話では50代の男性視聴者からの反響が大きかった。佐々木蔵之介さん演じる主人公・瀧沢完治に共感する声が多く、連続ドラマで50代男性からの支持のある作品は非常に稀なことです」
『刑事ゆがみ』の成功が現場の志気を上げた
「『〜ゆがみ』では、視聴率ではないところで世の中に評価されるという現象がありました。それまで木10枠は、女性を主人公に、内容も完全に女性寄りの作品を放送することが多かった。ですが、『〜ゆがみ』では男性を主人公に、スタッフ・キャスト含め、やりたいことを追求したことで、結果的に評価も付いてきて、その手応えが制作陣に勇気を与え、この1年ほどの同枠の評価につながっているのかもしれません」
主題歌など音楽による相乗効果も狙う
「最近はしっかりと作品に合った曲でないといろいろ訝る玄人のような視聴者も増えてきました。星野源さんの『恋』など、ドラマきっかけで曲がヒットしたり、曲が売れることで視聴率も上がったりと、ドラマと主題歌の関係はより親密になっている気がしますし、音楽も含めて盛り上げていけたらいいなと。本作でも音楽による演出が効いていると思います。インターネットの登場でさまざまな変化を見せるテレビ業界ですが、ドラマにおいては録画視聴率も見直され、その勢いは戻りつつあるように感じます。私と同様、30 代の制作陣も共に頑張って新時代を作っていけたらと思います」
文/衣輪晋一
(『コンフィデンス』11/5号掲載)
●高田雄貴(たかだ ゆうき)
1984年生まれ。2009年にフジテレビジョンに入社。2015年に森川葵主演の『テディ・ゴー!』で初プロデュース。以降、『OUR HOUSE 』、『Chef 〜三ツ星の給食〜』、『刑事ゆがみ』などの作品を担当。『刑事ゆがみ』は、本誌発表の第10 回『コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で、17 年10月期“最も質の高いドラマ”として、「作品賞」を受賞した
1984年生まれ。2009年にフジテレビジョンに入社。2015年に森川葵主演の『テディ・ゴー!』で初プロデュース。以降、『OUR HOUSE 』、『Chef 〜三ツ星の給食〜』、『刑事ゆがみ』などの作品を担当。『刑事ゆがみ』は、本誌発表の第10 回『コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で、17 年10月期“最も質の高いドラマ”として、「作品賞」を受賞した
木曜劇場『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした』
出演: 佐々木蔵之介、中山美穂、藤井流星(ジャニーズWEST)、石川恋、礼ニ(中川家)、麻生祐未、八木亜希子、小野武彦、黒木瞳ほか
(C)フジテレビ