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『SUITS』日本版成立の鍵は配役 Pが明かす織田&保奈美27年ぶり共演は偶然の産物

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

 織田裕二が10年ぶりに月9主演を飾るドラマ『SUITS/スーツ』。原作は現在シーズン8が放送中のアメリカの同名メガヒットドラマで、日本版制作の契約にこぎ着けるまでには7年もの時間を要するなど、同局としてもテレビ業界にとっても挑戦的な作品だ。10月8日放送の第1話は初回平均視聴率14.2%を記録、前クール『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』の初回10.6%に続き2期連続で初回二桁の好スタートを切り(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)、日本版のストーリー展開はもちろん視聴動向についても、今後さらに話題を集めそうだ。本作を企画した後藤博幸プロデューサーに制作の裏側を聞いた。

目指すのは「クールでスタイリッシュ」なドラマ

 本作は大手弁護士事務所に所属する敏腕弁護士・甲斐正午(織田)と、驚異的な記憶能力を持つ鈴木大貴(Hey! Say! JUMP・中島裕翔)の活躍を描くリーガルドラマだが、アメリカと日本では文化が異なることから、制作にあたりさまざまな困難に直面したという。

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

「制作するうえで一番難しかったのは、主人公バディであるハーヴィー(日本版では織田)とマイク(日本版では中島)の関係性。言語の特性が違うということも挙げられますが、上の人間であるハーヴィーにマイクが噛み付くような関係は日本の企業体質上なかなか考えられません。ですがこの感じはぜひ日本版でも表現したかった。

 そこで、真面目な好青年の印象を持つ中島さんがベテランの織田さんに噛み付くという、ちょっと見ていてヒヤヒヤするイメージでいこうと考えた。そうすればあの絶妙な関係が出せるように思ってオファー。奇跡的に快諾していただき結実しました。現場での織田さんはとにかく存在感が素晴らしい。役割を担っているのではなく存在そのものが座長。主役の“器”というものを改めて感じています」(後藤博幸プロデューサー/以下同)

『ONE PIECE』のセリフを引用したやり取りも

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

 アメリカのプロデューサーからの要望は、とにかく「クールでスタイリッシュであること」。後藤氏をはじめ、監督の土方政人氏、脚本の池上純哉氏らを交え本打ちを行ったが、何がクールでスタイリッシュかの意見は十人十色。個々のズレを調整しながら脚本は制作された。
「また、同原作の魅力の1つであるスピーディで洒落た会話を再現できるよう苦心しました。テンポは役者さんのお芝居や演出、編集で最終的にそう見えるよう制作。そのほか例えば、原作は映画『トップガン』など有名映画のセリフを、それらの映画のセリフだとは言わずに会話に組み込んで、キャラクターの人間性や関係の面白さなどを出したりしています。

 これは日本では権利関係などがあって難しいのですが、アメリカでは特に映画サイドに許可はとっていない。エンタテインメントに対する度量が大きな国なんでしょう。ですが私どもも何かできないかと考え、関係者の協力を仰ぎ、アニメ『ONE PIECE』のセリフを引用したやり取りを入れるなどしました」
 そんななか、日本版を制作するうえで特に重要視したのは、「登場キャラクターの根本的なところは変更しないこと」だ。

「原作の最大の魅力は、主要人物たちのキャラクター。リーガルドラマと言いながら法廷シーンはほぼなく、人間ドラマとして観せていきたいので、原作からは変更しなければ成立しない部分だけ変えています」

 その分、キャスティングが重要になる。

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

「本作に限らず、キャストバランスには特に注意を払っています。織田さんと中島さんというベストな布陣を得て、次にジェシカという弁護士事務所の代表の女性を決めていきました。最初は織田さんの10歳くらい上の方を考えていたのですが、歳が近い方が面白いのではないかと考え、イメージに合う鈴木保奈美さんに依頼。鈴木さんにも快諾していただいたのですが、その後に誰かから言われたのです。“そう言えば、織田さんと鈴木さんの共演って『東京ラブストーリー』以来だね”と」

 世間を賑わせた『東京ラブストーリー』コンビの27年ぶりの共演は狙ったものではなく偶然だったのだ。後藤氏は、「“プロデューサーとして、そういうスケベ心がないとダメだろう”とお叱りも受けました」と笑う。

『東京ラブストーリー』の再放送は大反響

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

ドラマ『SUITS/スーツ』より (C)フジテレビ

 そして、再放送された『東京ラブストーリー』。視聴率こそ振るわなかったが、当時ドラマを観ていた視聴者からは大いに懐かしがられ、名前だけ知っていたという若者からは「初めて観たが面白い!」などの声が。また職場で、「若い部下から『東京ラブストーリー』について当時のことをいろいろ聞かれた」という投稿も挙がっており、SNSをはじめネットで大きな反響を呼んだ。この再放送は、結果的に世代間の“断絶”を埋めることとなっただろう。

「社会的意義のための再放送。番宣としての話題性も十分でしたし、それも合わせて今後、再放送についての発想が社内で変わる可能性もあるかもしれません」

 現在の視聴率低迷や、コンプライアンス関連での制作の難しさについても聞いた。

「気遣うことは20年前と比べるとかなり増えていると思います。ですが、今はそれも当然の時代であり、面白いものを作れないという理由にはならない。つまりハネるものはハネるんです。日本中で話題になる状況を生み出せばいいわけで、本作もSNS展開でさまざまな試みを考えています。各局、業界すべてのクリエイターの方々から刺激も受けたいですし、私も本作で奮闘中。今後も業界をあげた全員で、ハネさせられるものを作っていけたら幸いです」

文/衣輪晋一

(『コンフィデンス』10/15号掲載)
●プロフィール/後藤博幸氏(ごとう ひろゆき)
1968年生まれ。93年にフジテレビジョンに入局。99年に『ほんとにあった怖い話』でプロデューサーデビュー。05年の月9『危険なアネキ』で初の連ドラ単独プロデュースを手がけ、以降『CHANGE』(08年)、『任侠ヘルパー』(12年)、『極悪がんぼ』(14年)、『5→9 〜私に恋したお坊さん〜』(15年)など、数々の話題作を手がけている。また、『花ざかりの君たちへ イケメン♂パラダイス』(07年)、『メイちゃんの執事』(09年)など、企画としてもさまざまな作品に携わっている。

Information

『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)
毎週月曜 21:00〜
出演:織田裕二、中島裕翔、新木優子、中村アン、小手伸也、鈴木保奈美ほか
https://www.fujitv.co.jp/SUITS/(外部サイト)

(C)フジテレビ

提供元: コンフィデンス

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