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窪田正孝、今も抱く理想の芝居への苦悩「型にはまらない表現ができるのが理想」

 若手きっての演技派俳優との声も高い窪田正孝が、30歳を迎えるまでの約3年を費やして初のフォトブック『マサユメ』を制作。絶対的な信頼を寄せる写真家・齋藤陽道とのタッグで、俳優としての顔を超えた1人の人間としての進化を納めた1冊が完成した。タイトルに込められたのは、俳優という職業への決意。ときに繊細に、ときに大胆に、振り幅の広い役を演じ分ける秘訣にも迫るインタビュー。

バカみたいな夢でも「自分はできるんだ」と突き進む

──まずは初のフォトブックが発売される直前の今のお気持ちを聞かせてください。
窪田正孝普段、表に出るときは役があっての自分という形なので、(フォトブックのオファーがあったときには)誰が求めているんだろう? なんて思ったりもしたんですけど(苦笑)。ただ、やっぱり12年仕事をしてきたなかで、応援してくださる方の存在はずっと感じていましたし、30歳の節目にお返しできるものとしては一番シンプルでダイレクトな形だとも思いました。またハルさん(写真家・齋藤陽道)という、僕にとってのある意味、人間的な理想の存在が写真を撮ってくれるということも、決め手でしたね。

──撮影に費やした28〜30歳の約3年間は、窪田さんにとってどんな期間でしたか?
窪田正孝体は大人になっていくけど、脳みそは子どもに戻したい。そんな理想を追い求めていたように思います。芝居でもなんでも、表現するときに一番ノイズになるのは理性だと思うんです。それこそ写真を撮られるときに、写り方を気にしたりとか。3年前の写真を観ると、すごくカッコつけていて気持ち悪い(笑)。本当は子どものように純粋で、水のように型にはまらない表現ができるのが理想なんですけど、大人になるとだんだんそれが凝り固まってしまってしまうじゃないですか。実は今も少し、そこに悩んではいるんですけど──。

──先ほど齋藤さんを“理想”とおっしゃったのは、そこにも通じるんですか?
窪田正孝そうなです。ハルさんは誰よりも目の前にあるものを楽しむ、何かにつけて想像の上を行く人で、あの無邪気さには本当に勝てないです。この仕事を長くしてると、写真を撮られていても「これは仕事」という感覚が自分でも気付かないうちに染み付いてしまって、それを取り去る作業はすごく難しいんです。だけど「ああなりたい」というビジョンを持ったときに、人間って変われる方向に回路が切り替わると聞いたことがあって。そんなビジョンを見せてくれた意味でも、ハルさんの存在は大きかったです。人に笑われても、バカみたいな夢でも「自分はできるんだ」と突き進もうというイメージを持てたのは、今回この撮影をしてよかったと思えたことのひとつです。

自分にとって意味がある “仕事”であそこまで解放された写真

──夢と言えば、『マサユメ』というタイトルに込めた想いについても教えていただけますか。
窪田正孝仕事を始めてしばらくした20代前半の頃かな。おじいちゃんになっている自分が芝居をしている夢を見たことがあったんです。子どもの頃の写真とかを載せたページもあるんですけど、過去を振り返っているなかでそんなこともあったな、あれを正夢にできたらいいなと思ってこのタイトルにしました。

──撮影を経るにつれて、子どもに戻るというか、それこそ理性から解き放たれていくのは感じられましたか?
窪田正孝そうですね。全編について言えることなんですが、「よし、撮ろう」と撮り始めたカットってあまりないんです。とくにLAでの撮影は飛行機で着替えをして降り立って、「あそこのハンバーガー屋さんおいしいらしいよ」「じゃあ行ってみようか」というふうに、目に飛び込んできたもので遊んでいるなかで撮ったものがほとんど。撮影している感覚がまったくなかったです。

──齋藤さんだからこそ、この表情が出たなと思ったことはありましたか?
窪田正孝ハルさんと会ったばかりの頃は筆談でやりとりしていたんです。だけどこのフォトブックを撮る頃には、変に確認作業みたいなことをしなくても、お互いの感覚がなんとなく合っていて。僕自身、言葉を交わすのがあまり得意ではないので、そういうところもマッチしていたのかな。全裸で撮影したときは、とくに息が合っていたなと思います。最初はハルさんも後ろから撮っていたんですけど、男同士だしいいやってバーッと丸出しにしたら、ハルさんもノリノリで撮ってくれて。“仕事”であそこまで解放されたところを写真に納めてくれたのは、自分にとっても大きな意味があることでした。

潜在していた破壊衝動が爆発しているのかもしれない(笑)

──30歳の誕生日に最後の撮影を行ったそうですが、29〜30歳の1年間はいかがでしたか?
窪田正孝自分は芝居が好きだ、ということを改めて自分で認めてあげられた。そういう意味で、悔いのない1年だったと感じています。自分は陰陽五行思想でいうところの車騎星という星の元に生まれていて、常に働いていることが精神の安定に繋がるらしいんです。一昨年や昨年はけっこう仕事が詰まってるなかでこの撮影もしていたので、いいテンションだったのかもしれない。一方で、今年はわりとゆったりしているなかでの撮影だったんですけど、仕事も数やればいいということもないし、大小関わらずおもしろそうだと思うものに飛び込んでいけているのは、自分でもいい傾向だなと思ってます。

──窪田さんが「大小関わらずおもしろいと思える」作品とはどういうものですか?
窪田正孝やったことがない世界観や役を提案されると、前のめりになりますね。ただ最近は“テレビなるもの”がどんどん表現しづらくなっているというか、できることが狭まれていっているのを感じています。「えっ、これダメなんですか?」ということが本当に多くて。自分は子どものように自由になろうとしてるのに、システムは反比例するように不自由になっていて──。いや、放送に載せるためにはそれも必要なことだと思います。だけどもう少し自由であってもいいのになあ、と思うことはよくありますね。

──窪田さんなりに自由に揺り戻すために、試みることはありますか?
窪田正孝目の前の扉が開かなかったら、すぐに違う入り口を探します。答えがひとつではないのが芝居のおもしろさなので。今やってる『ヒモメン』も、コメディって答えがすごく広いんです。だからこそ、これだ! という入り口が見つかるとすごく心地よくて。それも変に笑わせようとしてやるんじゃなくて、一生懸命やってる翔ちゃんと世間の価値観のズレがこのドラマの醍醐味。理性だとか常識だとかいろいろなものを壊したいと思って取り組んでます。潜在していた破壊衝動が爆発しているのかもしれないですね(笑)。
(文/児玉澄子)

窪田正孝×写真家・齋藤陽道 フォトブック『マサユメ』

発売日:2018年9月2日(日)
発行:SDP
ISBN:978-4-906953-64-6
価格:2778円+税(税込価格:3000円)
サイズ:A4
ページ数:全160ページ
【公式サイト】(外部サイト)

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