『ぎぼむす』『高嶺の花』など多数、“章立てドラマ”増加の理由
テレビ朝日系の木曜ドラマ『ハゲタカ』は、第1話〜3話まで、日光みやびホテル買収にまつわるドラマが展開されたが、8月9日放送の第4話から第2部として、大手電機メーカー・あけぼのの買収に関する物語が描かれている。また、TBS系の日曜劇場『この世界の片隅に』では、8月19日放送の第6話から後編がスタート。広島への原爆投下と、その後の日々が描かれる。
18年7月期ドラマで“章立て”を謳っている主なドラマ
ほかにも、2016年1月クールのTBS系金曜ドラマ『わたしを離さないで』(3部構成)、2017年1月クールの火曜ドラマ『カルテット』、2017年4月クールの日曜劇場『小さな巨人』、2017年7月クールの日曜劇場『ごめん、愛してる』というように、“ドラマのTBS”得意のパターンとなっていて、それぞれ「なぜ2部構成なのか?」の理由が分かりやすくなっているが、フジテレビも2016年1月クールの『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』や、2018年1月クールの『海月姫』を2章立てで展開。『いつかこの恋を〜』は、全話終了後の視聴者満足度を100Pt満点中66.9Ptまで上げ、“質の高いドラマ”を表彰する『第3回コンフィデンスアワード・ドラマ賞』で作品賞を受賞。『海月姫』はそれには及ばなかったものの、100Pt満点中64.2Ptとまずまずの成績を残した。
ここ最近の主な“章立て”ドラマの「ドラマバリュー」推移
「連続ドラマの場合、第1回放送時には大きく宣伝できますが、それ以降なかなか告知することができません。しかし、“第2章スタート”と銘打つことができれば、視聴者に対する注意喚起になる。視聴者も新しい物語が始まるとなれば、『ここから見始めてもいいんだ』と考える人も出てくるでしょう。また、制作サイドに対する刺激にもなります。ここからネジを巻き直し、巻き返す意味があるのではないかと思います」
月9ドラマ『海月姫』も第3話まではかなり苦戦していたが、第6話からの第2部スタートを機に満足度を上げ、前半5話のドラマバリュー平均55.4Ptを、後半73.0Ptまで上げることに成功している。『高嶺の花』の本領発揮はこれからと期待したい。