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竹内涼真が明かす、飛躍の1年の心中「満足はできていない」

昨年、大きな飛躍を遂げた俳優としてまず名前が挙がるのが竹内涼真だろう。朝ドラ『ひよっこ』、『過保護のカホコ』、『陸王』と出演作すべてが話題になり、そこでしっかりと爪あとを残すことで自らの存在感を世の中に示した。そんな竹内に昨年のドラマ出演を振り返りながら、“その次”について語ってもらった。

新しい自分になっていかないといけない

──俳優として大きな飛躍を遂げた昨年、ご自身は何を考えて走ってきましたか?
竹内涼真世の中に自分を知ってもらうチャンスの年だ、という意識はありました。16年に朝ドラ『ひよっこ』のオーディションに受かっていたこともその理由で、世代を問わず多くの方が観る朝ドラへの出演は、デビュー当時からの目標の1つでもありました。

──昨年は出演作が軒並み人気を博し、知名度も確実に上がりました。
竹内涼真でもまだまだですね。たしかに街中で声をかけられることは増えましたけど、「名前が出てこなくて……」と言われることもあるので、自分としては17年を完走しきったという実感はなくて、満足はまったくできていないです。たぶん、何気なくテレビを観ている方って多いと思うんです。「この人を観たい」という動機からではなく。それでもやはり俳優としては、ふと目に入ったときに「またこの人を観たい」と思ってもらいたいなと。そのためには、やはり芝居で印象を残すしかないと思っています。
──『ひよっこ』から『過保護のカホコ』は、まさに「次も竹内涼真を観たい」という流れを作ったのではないでしょうか。
竹内涼真『ひよっこ』の島谷を、『カホコ』の麦野初で超えたいという気持ちで臨んだところはありました。まったくタイプが違う役だったのでその点は助けられましたが、『カホコ』の撮影に入った頃は苦戦しました。役がすんなりと入ってこなくて……。作品のテイストや演じるキャラクターはもちろん作品によって違いますし、毎現場ごとにちょっとずつ新しい自分になっていかないといけない。変なクセはつけないほうがいいと思いますし、自分のお芝居はこうというのは決めないほうがいいと考えています。

──男らしさと脆さ、爽やかさが同居した麦野は、まさにハマり役だと視聴者から熱い注目が集まりました。
竹内涼真自分でも驚きだったんです。決してカッコいいと思ってもらえる役だとは思っていなかったので。脚本の遊川和彦さんが作り上げたキャラクターを、いかに忠実に表現するかが自分の役割だと考えていました。それでも監督から「もっとこうしてほしい」と指摘されることも多くて、自分の力不足を痛感させられました。僕1人が現場を止めるわけにはいかないですし、そういう意味ではその場の指示を少しでも早く芝居に反映させる、反射神経が鍛えられた作品でもありました。メンタル的な部分でも強くなったと思います。

演じてきたすべての役に自分の素の面も出ていた

──竹内さんと麦野を重ねる視聴者も多かったようです。
竹内涼真麦野と僕とでは共通点はほとんどないんですが(笑)、どこか自分の素の面も出ていたとは思います。これまで演じてきた役、全部そうです。それがいい場合もありますけど、素の部分を出すことなく別の人間を演じるスキルも養いたいです。昨年はベテラン俳優の方々とも多く共演させていただきましたが、みなさん芝居の選択肢が本当に広くて、長く活躍されている理由やすごさを垣間見ることができました。とにかく「何をやっても竹内涼真だよね」と言われないようにしたいですし、そのためにも役者としての引き出しをもっと増やしていきたいです。

──これまで爽やかな役が多かったところ、今年公開の主演映画『センセイ君主』では違う顔を見せてくれそうで、期待も高まっています。
竹内涼真先生という役どころも冷徹でひねくれ者というキャラクターも、初めて挑戦させていただく要素が多いのが楽しみです。何より今は演技の幅を広げたいんです。今年は、昨年よりさらに多くの方に顔と名前を一致して覚えてもらうこと。そして昨年、僕を知っていただいた方の期待を超える芝居を見せることを目標にしているので、『センセイ君主』のクランクインから俳優活動をスタートできて、いい1年の始まりだと思っています。
──『カホコ』では2人の恋を、『陸王』ではランナーの再起を視聴者が応援するように観ていた印象があります。熱い注目を集める作品にはどんな要素があると思いますか?
竹内涼真現場の雰囲気の良さというのは確実に画にも表れていたんではないかと思います。撮影以外の時間にも、キャストもスタッフも全員が一丸となって作品を盛り上げていこうという意気込みがみなぎっていました。そういう熱い想いがあふれている現場だから、よい作品が生まれてくるんだと思います。

──たしかにどちらの作品も、SNSでの活発な発信が視聴者を楽しませていました。
竹内涼真SNSも現場の良い雰囲気が出ていましたよね。それも現場のコミュニケーションがよくなかったら単なる宣伝と見られて終わってしまうと思うんです。とくに時間がタイトだったり、環境的に過酷だったりする現場は、お互いの信頼関係こそが大事だと実感した場面がたくさんありました。『センセイ君主』では主演という立場なので、現場の距離感を縮めていい関係性を生みだせるように、自分から働きかけています。
(文:児玉澄子/写真:逢坂聡)

提供元: コンフィデンス

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