日本でのヒットを確信、空前のブームを巻き起こした韓国ドラマ『トッケビ』高額買い付けの舞台裏
脚本家主義の韓国ドラマ界 物語が良ければ人気作になる
「今作は韓国でいまもっとも注目されているキム・ウンスクさんが脚本を手がけていることで、企画段階から話題になっていましたが、斬新な設定や個性的なキャラクターが視聴者に受け入れられるかどうか、韓国でも疑問視する声も多くありました。しかし、作家の実力と、キャラクターを演じる俳優たちの絶妙かつバランスのとれたキャスティングに注目し、いち早く手を上げました」
「作家主義の韓国では、制作会社と作家がテーマと企画を練りながら、半年から1年ほどをかけて脚本を数話ぶん作り、それをテレビ局に持ち込みます。俳優側も作家と脚本内容を重視してオファーを受けるかを決めます。良い作家が書いた良い脚本の作品ならば、それに合った俳優が出る。作品と俳優がピッタリ合えば視聴者に支持され、どんな俳優が主演でも人気作になります」
「韓国ドラマを観る層は安定していて、市場がしっかりできており、映画などに比べてリスクの少ないビジネスです。主な展開は、テレビ放送、DVD・BDのレンタルとセル、そして配信となりますが、弊社配給作品のなかで最高買付額となった『トッケビ』には、高い目標を掲げて準備しています。具体的には、これまでの韓流専門誌への出稿を中心とした宣伝を、新聞全国紙、駅貼り広告などにまで規模を拡大し、さらに韓流ドラマ初となる航空会社との大型タイアップ企画も現在進行中です」
韓流ブームの頃と変わらないファン層と喫緊の課題
「もちろん、10年以上前の当時の状態はバブルだったと思います。どんな作品でも、DVDセルBOXが上下巻で1万セットは売れていましたからね。それがはじけて、今は安定期と言えなくもありません。このジャンルを手がけている会社が、韓流から撤退したという話はほとんどありませんから」
「韓流ドラマは、今でもレンタルで観られる方がたくさんいて、韓流ブームの頃から変わりません。そんなレンタルのお客さまに支えられていることが大きいのですが、一方で次の世代へと年代を超えたファンをどう作っていくか。将来的には配信が主流になっていくのは間違いないでしょう。そのときに、今のような額での買い付けは難しくなってくると思います。これらをどうしていくかは喫緊の課題です」
(文:西森路代)
トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜
Blu-ray1&DVD-BOX1 2月2日レンタル 2月16日発売
Blu-ray2&DVD-BOX2 3月2日レンタル、発売
発売元:コンテンツセブン
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト:http://tokkebi.jp(外部サイト)
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