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“没入感”追求がエンタメシーンのトレンド

日本初上陸した3面映画上映システム・ScreenXで上映されている『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(C)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

日本初上陸した3面映画上映システム・ScreenXで上映されている『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』(C)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 韓国のCGV社が開発した3面(正面+左右両面)映画上映システム「ScreenX」が、東京・お台場のユナイテッド・シネマ アクアシティに7月1日より日本初導入された。通常の正面スクリーンのプロジェクターに加えて、左右それぞれの壁面スクリーンに投影する計8つのプロジェクターが側壁天井に設置され、マルチチャンネル・サウンドシステムと連動し、観客は270度の視界で映画を体感することができる。2015年に韓国で初めて導入され、現在全世界で120スクリーンが稼働している(韓国84、中国26、アメリカ3、トルコ2、ベトナム2、インドネシア1、タイ1、日本1)。

音楽ライブでは専用カメラ撮影によるコンテンツも

 上映される映画は、全編が3面になるわけではなく、通常の本編が映し出される正面スクリーンのシーンにあわせて、両サイドにCGで制作された映像や実際に撮影された本編未使用映像などが流される。現在上映されている『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』では、2時間9分のうち約30分が270度視野の3面上映になる。

 CJ 4D PLEX社のCHOI BYUNG HWAN社長は韓国での観客の反応について「4DX上映とともに若い世代にとても人気があります。韓国では制作の段階からScreenX用に撮影されている作品もありますが、やはり270度からの圧倒的な映像の迫力が楽しめるアクションアドベンチャーや、ホラーなどのパニックムービーが向いています」と語っている。

 ScreenX専用の3面同時撮影カメラは開発されているが、まだこのカメラで撮影され、完成している映画はない。一方、音楽ライブではすでに使用されており、その臨場感あふれる映像体験はファンに好評を得ているという。

VRコンテンツでも広視野角による没入感を追求

パナソニックが広視野角ヘッドマウントディスプレイのデモを行った「コンテンツ東京」ブースには大勢の来場者が集まった

パナソニックが広視野角ヘッドマウントディスプレイのデモを行った「コンテンツ東京」ブースには大勢の来場者が集まった

 昨今、急激にマーケットが広がっているVRコンテンツでも、その要になっているのはヘッドマウントディスプレイを装着した360度の映像世界における没入感だ。先週開催された「コンテンツ東京」では、パナソニックが視野角が通常製品の倍ほどになる220度の広視野角を実現した試作ヘッドマウントディスプレイを出展し、来場者の注目を集めていた。

 すでにVRコンテンツは、さまざまなタイプの作品がシーンに出揃っており、そのなかでの次の新たな一歩になりつつあるのが、広視野角による、より深い没入感の追求だ。視野が広角になればなるほど臨場感や没入感が増していくため、新たなコンテンツの創出のための、その部分の技術開発が急がれている。こうした広視野角による映像体験は、現在のエンタテインメントシーンの1つの潮流になっている。

 1日からScreenXで上映されている『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』は、土日2日間の全上映回のチケットが完売。また、CJ 4D PLEX社によると、同作の次に9月からScreenXで上映されるゾンビパニック映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は、韓国での同スクリーン上映作のなかでもっともヒットした作品になるという。270度スクリーンとの親和性の高いパニックホラーの大迫力映像と、それにリンクしたエンタテインメント性の高い作品内容に、新たな映像体験への期待がかかる。

 映画におけるこの新体験は、VRブームとともに今後広がっていく可能性を秘めている。

提供元: コンフィデンス

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