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連載開始から22年、ファンが“卒業”しない『名探偵コナン』

5年連続シリーズ最高興収を更新した劇場版21作目『名探偵コナン から紅の恋歌』(C)2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

現在公開中の劇場版第21作『名探偵コナン から紅の恋歌』が、4月15日の公開から8週目で動員500万人、興収65億円を突破。第17作『絶海の探偵』(2013年)から5年連続でシリーズ最高興収を更新した。その強さの要因はどこにあるのか。テレビアニメ、劇場版と同シリーズを手がけてきた読売テレビの諏訪道彦プロデューサーに話を聞いた。

シリーズ第6作、第10作、第17作での転機

  • 5年連続シリーズ最高興収を更新した劇場版21作目『名探偵コナン から紅の恋歌』

    5年連続シリーズ最高興収を更新した劇場版21作目『名探偵コナン から紅の恋歌』

 同シリーズの第1作『時計じかけの摩天楼』(1997年/興収11億円)からの軌跡を辿ると、2年後の第3作『世紀末の魔術師』(1999年/興収26億円)で早くも興収は当初の倍以上になり20億円を突破。第6作『ベイカー街の亡霊』(2002年/33.8億円)では30億円台にのせている。

 その後も毎年4月に新作が公開され、20億後半から30億円台をキープ。第13作『漆黒の追跡者』(2009年)が35億円で歴代最高を記録し、さらに2013年の第17作『絶海の探偵』(36.3億円)から第18作『異次元の狙撃手』(41.1億円)、第19作『業火の向日葵』(44.8億円)、第20作『純黒の悪夢』(63.3億円)、そして今作と5年連続でシリーズ最高興収の更新を続けている。

 その快進撃について、諏訪プロデューサーは「これまでのシリーズどの作品もチャレンジをしているつもりなので、毎回が転機ではありますが、個人的には第6作『ベイカー街の亡霊』、第10作『探偵たちの鎮魂歌』、そして第17作『絶海の探偵』が大きい。たくさんの苦境を乗り越えて作った作品ですので心に残っています。内容もそれぞれの時代ならではの挑戦をしています」と振り返る。

 第1作から20年。この間、毎年4月に公開され、すっかり春の風物詩とも言えるアニメ映画となった劇場版だが、その認知の拡大には「映画の宣伝に関しては、テレビシリーズとはひと味もふた味も違い、毎年テーマに沿ったユニークな手法で工夫を凝らしています。それにより、年に一度の映画公開時にしっかりとお祭り感を出せていると思います」。積み重ねてきた経験値に自信をのぞかせた。

難しいと思われていた周年記念作の興収を超えた理由

 昨年の第20作という節目の作品で、それまで40億円台だった興収を大きく上回る60億円台にのせてシリーズ最高興収を樹立。その周年記念作での興収記録を超えるのは難しいかと思われた今作で、見事にそれを上回る興収をあげて最高興収の更新を5年連続と伸ばした。

21作の主題歌を歌う倉木麻衣とコナンのコラボイラスト

21作の主題歌を歌う倉木麻衣とコナンのコラボイラスト

 そんな今作について諏訪プロデューサーは「とにかく“原点回帰”を目指しました。かなり前から第21作は『平次と和葉のラブコメで、百人一首を使ったミステリーにしよう』と決めていたんです。舞台が大阪と京都であり、人気投票1位の第7作『迷宮の十字路』のイメージを守りつつ、14年という月日がたったからこその違いや成長を意識しました。倉木麻衣さんの主題歌「渡月橋 〜君想ふ〜」もその意識がしっかりと反映されていて、すばらしいものになったと思っています」と制作秘話を明かす。

 連載開始から22年を迎えた『名探偵コナン』。その人気は作品を重ねるごとにますます勢いを増している。諏訪プロデューサーは「『名探偵コナン』は、ラブコメもミステリーもあり、大人の方にも楽しんでいただけるような作品作りを目指してきました。今ではそのことがかなり浸透してきたように感じています。子どもの頃に好きになってくださったファンの方々が、成長されてもコナンを“卒業”しなくなったことも大きな要因だと思います」と拡大し続けるコナン人気の裏側を語る。

提供元: コンフィデンス

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