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「美女と野獣」は女性問題がテーマ? エマ・ワトソンが語る現代女性の窮屈さ

さまざまな愛の形を描きながら、誰もの心を揺さぶるような“真実の愛”を映し出すことで幅広い層から注目を浴びている実写『美女と野獣』。そんな同作で、男性社会における葛藤や窮屈な生き方から抜け出そうともがく女性主人公・ベルを演じるのは、フェミニストとしても話題になるエマ・ワトソン。野獣役のダン・スティーヴンスとともに、現代にも通じる作品の社会的なメッセージについて語ってくれた。

ただ単に女性に対する性差別を描いているのではない

――劇中のベルが男尊女卑の社会で生きる窮屈さには、現代を生きる女性がアメリカ社会で感じていることに通ずるところもあるのではないでしょうか。ひとりの女性としてどう感じましたか?
エマそうね。この映画の内容自体もそうだし、映画プロモーションをしているときですらそれを感じることがあったから、間違いなく今も女性だからということでの窮屈さを感じるし、葛藤もあると思う。この映画がテーマとして取り組んでいるのもそこだと思うしね。
 だけど、ただ単に女性に対する性差別を描いているのではなくて、この映画では男性とはどうあるべきなのか? 男らしさとは本来どういうものなのか? ということもテーマとして描いていると思うのよね。そして、それを間違えるといかに人間性を傷付けることになるのか、ということも。
 だから、この映画は、女性と男性の両方をしっかりと分析していると思う。女性に対して男性はどういうことをしているのか? そして女性はどういうことをしようとしているのか? ということを描いている。興味深いのは、野獣は、本当の野獣のような見た目をしているけど、映画の終盤には、ガストンのほうが内面的な面で野獣のように見えているということ。この映画はすごく興味深い方法で、女性と男性を探求していると思うわ。
――スティーヴンスさんは、べルというキャラクターとエマさんご本人が重なるところはありましたか?
スティーヴンスエマとベルにすごく共通するところがあったから、おもしろいと思ったよ。たとえば、ふたりとも好奇心と知性がある。勉強が好きで、想像力が豊かなところも似ている。それはすごくエマらしい部分でもあるから。それからベルは、自分が今いる環境の外にもっと大きな世界があるんだ、もっと大事な何かがあるんだと感じ取っている。自分が今の世界になじめなくても、その外にもっと大きな世界があると思えることは、この映画の大事なメッセージでもあるからね。エマだったからベルを上手く演じられたような気がするんだ。
――べルは周囲の視線を気にせず自分をつらぬく強い女性だと思います。エマさんはご自身と似ていると感じるところはありますか?
エマベルと似ているところはあると思うけど、正直言って映画のなかのベルは、怖いもの知らずなのよね。私も彼女くらいの勇気があったら嬉しい(笑)。実際の私も、怖いと思うようなことに挑戦してみたりするんだけど、そういうときは明らかにナーバスになるし、恐怖感も思いっきりある。でも、ベルは怖じ気づいたりするようなことがほとんどない。そこが違うところだわ。だからベルの堂々とした勇気をうらやましく思う。それ以外のことは、私自身にはよくわからないわ。むしろ、他の人から見てどう思うか知りたい。でも、本がすごく好きなところは似ているわ。それって良い部分よね(笑)。
スティーヴンスそれから、ナチュラルなファッションセンスがあるところも似ているよね。
エマそうね。あと毛むくじゃらの男性が好きなところかしら?(笑)

悩みを内面に抱えてしまう女性に伝えたいこと

――現代女性にベルから感じてほしいこととは?
エマ自分が今いる社会に上手く適合できなくても大丈夫なのよ、というメッセージがこの映画にはあると思う。人は自分が所属している場所になじめないとすごく悩んでしまうものでしょ。今周りにいる人たちや、自分の所属するコミュニティの人たちと同じような考えを持っていなかったり、同じような考え方ができなかったりすると、すごく落ち込むだろうし、悩みを抱えるようになってしまうかもしれない。
 なぜなら、そういう状況になったら自分のなにかが間違っていると思ってしまうものだから。とりわけ若い女の子は、その恐怖や悩みを自分だけで内面に抱えてしまいがちなの。私がそういう女の子たちに言いたいのは「あなたが悪いわけではない」ということ。「あなたが今いる場所が、世界が、男性に支配された社会である、ということなのよってね(笑)。
 私たちは、男性に支配されたシステムのなかにいる。それは、あなたが少しバランスを崩してしまうように作られているの。もちろん、それがわかっていたところで、あなたたちの人生が素晴らしいものになるとは限らないんだけど。でも、少なくとも客観性が持てれば、自分を責めたりしなくなると思う。そうやって考えるのは本当に難しいことだけどね。
 というのも、私自身がこう言いながら、頭ではしっかりとわかっているつもりなのに、そういう状況に置かれた瞬間に、自分が悪いんじゃないかって自分を責めて、悩んでしまうようなことがよくあるから。悩みを抱えこまないようにするのは、すごく難しいわ。今自分がいる場所よりも、もっと大きな世界が外にあるんだと感じることは、すごく難しいことでもあるから。だからそういうときは、やはり良い友だちを持っていることが大事だと思う。私の周りには、何が正しいのかを教えてくれる、客観性を与えてくれる友だちがいるの。
 この映画でベルにとってその役割を果たしているのは父親のモーリス。彼女の母親が、そもそも環境になじめなくて、もっと進んだ考えを持った人だった。モーリスはそれをベルが生まれる前から見ていたわけよね。だからモーリスは、ベルに「君は変わり者ではないんだ。少しだけ他の人とは違うだけだ。他の人より少し心を開いているんだ」って言ってあげられる。そう言ってくれる人がいれば、きっと大丈夫だと思える。

ベル役に起用された理由は「私が最高だからでしょ!」

――エマさんは今作のべル役に起用された要因をどう思っていますか?
エマそれは、私が最高だからでしょ!
エマスティーヴンス(爆笑)

――それは誰もが知るところですが(笑)、それ以外には?
エマそうね……たぶん一番大きかったのは、私が歌えるとは誰も思っていなかったと思うから、歌えることに驚いたというのはあったかもしれない。私の歌声が映画にふさわしいレベルかどうかわからなかったから、歌のオーディションテープを送ったの。それが決め手だった気がする。でも、ビル(・コンドン監督)に聞かないとわからないわ(笑)。
――スティーヴンスさんがこの物語を通して観客に感じて欲しいことは?
スティーヴンスこの映画にはいろいろなメッセージが込められているけれど、最終的には誰もが楽しめるファミリー映画だと思うんだ。それがこの映画の素晴らしいところだと思う。みんなが楽しめる要素がたくさんあり、スリリングなところもあって、それから、少しの悲しみもある。だけど、突き詰めていくと楽しくて、それからロマンチックな作品でもある。そういうことを感じてもらえたら嬉しい。

美女と野獣

 魔女によって野獣の姿に変えられてしまった美しい王子。呪いを解く鍵は、魔法のバラの花びらが全て散る前に誰かを心から愛し、そして愛されること。だが、野獣の姿になった彼を愛する者などいるはずがなく、独り心を閉ざして暮らしていた。そんな絶望の日々に変化をもたらしたのは、聡明で美しいベルという女性だった。  自分らしく生きながらも、周囲から「変わり者」と呼ばれ心に孤独を抱えていた彼女は、外見に囚われ本当の自分を見失っていた王子を少しずつ変えていくが……。  果たして、その出会いは王子の運命を変えることができるのか?
監督:ビル・コンドン 出演:エマ・ワトソン ダン・スティーヴンス ルーク・エヴァンス ケヴィン・クライン
 ジョシュ・ギャッド ユアン・マクレガー スタンリー・トゥッチ イアン・マッケラン エマ・トンプソン
原題:Beauty and the Beast
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
2017年4月21日(金)全国公開 【公式サイト】(外部サイト)
(C)2017 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

提供元: コンフィデンス

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