エンタメシーンに見る“バブル”事象を探る リアル世代から若者に波及するか?
トレンディドラマ、ディスコetc…バブル期を彩った音楽
80年代はポップな洋楽ナンバーがもてはやされ、バナナラマの「I Heard A Rumour」やカイリー・ミノーグの「I Should Be So Lucky」、ペットショップボーイズの「It’s a Sin(悲しみの天使)」、デッド・オア・アライヴ「You Spin Me Round [Like A Record]」などユーロビートがヘビーローテーションされた。
90年代に入り、バブル景気も終焉を迎える時期にオープンしたジュリアナ東京では、ジュリアナの象徴といわれていたMAXIMIZERの「Can’t Undo This!!」や、吉本印天然素材のテーマ曲でも使用されていたUnlimitedの「No limit」、スター・ゲイザーの「Are U Wake Up?」などテクノ系の曲がもてはやされた。
一方、テレビシーンでは、トレンディドラマと呼ばれるバブルを背景に女性の願望を具現化したポップな恋愛を中心とした物語が数多く制作された。主題歌も、作風にマッチした耳になじみやすいキャッチーなメロディが幅広い世代へリーチし、多くのヒット曲を産んでいる。
さらに同年放送の『101回目のプロポーズ』主題歌のCHAGE&ASKA「SAY YES」は週間ランキング13週連続1位を記録し282万枚のモンスターヒット。消費欲の旺盛なバブル期にマッチしたおしゃれなトレンディドラマは、音楽という側面においても大きな効果をもたらした。
ドラマ以外でも、売り手市場だった当時の新卒採用を描いた映画『就職戦線異状なし』主題歌の槇原敬之「どんなときも。」や、バブル絶頂期の人気バラエティ番組『邦ちゃんのやまだかつてないテレビ』挿入歌のKAN「愛は勝つ」、バブルガム・ブラザーズの「WON’T BE LONG」などがこの時代にヒットした名曲として挙げられるだろう。
そのほか、当時のランキング上位常連だったアーティストを振り返ると、中森明菜、長渕剛、光GENJI、南野陽子、中山美穂、少年隊、工藤静香、プリンセス・プリンセス、Wink、槇原敬之らが挙げられる。