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平野ノラはなぜ“バブル”を手に入れたのか?
トークバラエティが主の時代、短時間で確実に笑いが取れる強さ
「見た目にインパクトがあって、はじめは“色物枠”で起用されるケースが多かったと思いますが、意外にトークも上手で、それぞれのネタも簡潔でリズム感があって面白く、今では“頼れる存在”になっていると思います。トークバラエティが主の時代、平野さんは短時間の出演でも確実に結果を残すので、制作側も重宝してまた平野さんを呼ぶ…という好循環が生まれています。それに、“クロマティの噛んでたガムあげるわ”“もっと端っこ寄りなさいよ、バースが座れないじゃない!”“チェッカーズの鶴久と寝たわ”といった『バブルの女が言いそうな50音』のギャグは、人選の絶妙さといい、(藤井)フミヤさんじゃ無理めだから、鶴久(政治)さんかよ!と、当時を知る人間なら思わずクスッと笑えるリアリティがたまりません。そうした平野さんのセンスは、それこそバブル時代を謳歌した(明石家)さんまさんやとんねるずさんなど、大物芸人さんにもハマって評価されているようですよ」(バラエティ番組制作会社スタッフ)
エンタメ界もバブルネタブーム? タイミング良く時代性にマッチ
「バブル後の長い不況の影響で、“バブル=悪”“バブル時代の流行=ダサい”といった風潮が続いていたこともありますが、バブル終息期からほぼ四半世紀経った今、ようやくバブルを振り返る余裕ができてきたということでしょう。そもそも今のテレビのメイン視聴者層は40代後半〜50代のバブル世代ですから、平野さんのネタもよく響くんですね。そのネタも当時の浮かれっぷりや小恥ずかしさが分かるような、微妙なところを拾って上手く“あるある系”の笑いに昇華しています。若い層の反応を見ていても、あの平野さんのインパクトあるルックスや踊り、意味がよくわからないネタでも、何だか押し切られてウケていますからね。平野さんの活躍はまだまだ続いていくんのではないでしょうか」(前出・スタッフ)
過去の平野のインタビューを見ても、「今、みなさんが生活している…つまり立っている場所、そこがお立ち台だゾ!」といったコメントもあり、平野にはお笑いセンスのみならず、どこか人生経験を経てきたゆえの哲学的な深みすら感じられ、そこがまた視聴者の関心を微妙に引いているのかもしれない。彼女のDVDに『バブルは、そこまで来ているゾ!』という作品があるが、まさにお笑い芸人の“バブル期”を迎えている平野。バブルはいつか弾けるものだが……来年以降も“平野バブル”が続くか否かは、今後の彼女の本領次第だ。