背の高いフェラーリ
フェラーリゆかりのハイパワーエンジンを搭載するイタリアンSUV「アルファ・ロメオ・ステルヴィオ クアドリフォリオ」に試乗。その走りは、名だたるスポーツカーブランドの高性能SUVでも得がたい、アルファならではの快楽に満ちていた。
スペックだけでもこころが踊る
アルファ・ロメオ・ステルヴィオのハイエンドモデル、クアドリフォリオの受注が2018年11月から始まっている。日本仕様のステルヴィオは2リッターターボのみだったから、これでグッと華やかさを増した。「ジュリア クアドリフォリオ」のSUV版である。もうメチャクチャ、こころ躍るではないか。
エンジンは、あの3855tのフェラーリV8から2気筒削(そ)いだだけ、という2891tの90度V6ツインターボである。1気筒あたり481.9tの排気量、86.6mm×82mmのボア×ストロークもフェラーリV8とまったく同じだ。最高出力は510ps /6500rpm、最大トルクは600Nm/2500rpmもある。リッター当たりの馬力はフェラーリV8の156psに対してアルファV6は176psと、アルファの方がハイチューンである。ああ、もうメチャクチャ、こころ躍るではないか。
ということで、筆者はこころ躍らせながら、東京・田町にあるFCAジャパンへと向かった。で、タワー式駐車場から、ステルヴィオ クアドリフォリオが後ろ向きに出てきたときには、さほど感激しなかった。エンジンフードの冷却用ダクトとリアのディフューザーにそそるものがあったとはいえ、ごく一般的なSUVのカタチをしていたからだ。後ろ姿はちょっと現行FFの「ジュリエッタ」にも、「マセラティ・レヴァンテ」にも似ている、なんてことを思ったりはしたけれど。
ドアを開けると、いかにもアルファ・ロメオっぽい内装が現れた。運転席はフツウのセダンよりちょっと高い程度で、本格オフロード4WD、例えば、メルセデス・ベンツの「Gクラス」みたいによじ登る感覚ではない。着座して、ふとルームミラーに目をやると、後方視界がかなり狭い。「ポルシェ・マカン」やレヴァンテとその点では同じだ。リアガラスがクーペのように寝ているからである。
でもって、ステアリングホイールの6時と9時のスポークの間に設けられた小さめの丸くて赤いスタート&ストップボタンを押す。マラネロゆかりのエンジンが目を覚ます。...