電動化時代のハイパフォーマンスカー
強力なV8ツインターボエンジンとプラグインハイブリッド機構を搭載した「ポルシェ・パナメーラ ターボS Eハイブリッド スポーツツーリスモ」。走りと環境性能という“本音と建前”を技術の力で両立させた、新世代ポルシェの旗手を試す。
カッコで選んで問題ない
「カイエン」でプレミアムSUV市場をけん引してきたポルシェが、そのブランドイメージを生かしてフルサイズサルーン市場に参入したのは2009年のこと。初代パナメーラはこの保守的なセグメントにおいても一定の成功を収め、2016年に第2世代へとバトンタッチした。
ポルシェが開発を主導したMSBモジュールを採用し、シャシーをはじめとするメカニズムは完全刷新。それに加えて大きなウリとして仕込まれていたのが、もうひとつのボディーバリエーションとなるこのスポーツツーリスモだ。思い起こせば2012年のパリサロンで登場したコンセプトカーは、パナメーラのフルモデルチェンジを予兆していたのみならず、このバリエーションの存在自体をほぼ違わぬ形で示していたことになる。
ともに5ドアハッチバックの体を取りつつも、キャビン形状を微妙に違えることでアストンマーティンの「ラピード」やフェラーリの「GTC4ルッソ」あたりと対峙(たいじ)できる2つのキャラクターを成立させている……と言うとひいき目になるのかもしれない。そのくらい、標準車とスポーツツーリスモの物理的な差異は微妙だ。
後席が独立2座、つまり4人乗りの標準車に対し、スポーツツーリスモは後席中央部をオケージョナルユースとした5人乗り。シートバックは40:20:40の独立可倒式とするなど、荷室の使い勝手も高めている。とはいえ、後席使用時の荷室容量の差は20リッターというからバックパックひとつ分くらいのもの。これをもって「居住性も積載能力も似たようなもの」と判断できる人、日常的に長尺物を積むでもない人にとっては、選択の基準はカッコのみで問題ないだろう。...