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なぜ座っているだけで疲れるのか? 体力を削るデスクまわりの意外な原因


疲れが抜けない。集中できない。やるべきことはあるのに、思うように動けない――。「体力がない」と感じる人ほど、実は自分の周りの環境を管理できていないかもしれない。自分のコンディションではなく、周りのコンディションを整えるとどう変わるのか。1万人以上の患者を診てきた医師が、医学的根拠に基づいて執筆した『鍛えるよりも「使い方」 体力がすべて』から、一部を抜粋・編集しそのヒントを紹介する。

自分をとりまく環境が、頭の働きの邪魔をする

夏の蒸し暑さ、空気のこもった会議室、絶え間ない話し声、まぶしい照明。

私たちの思考や判断は、こうした環境の影響を常に受けている。環境が整っていないと、どれだけ集中しようとしても、頭の働きは鈍りやすく、エネルギーの消耗も増えやすい。一方で、それらを少し整えるだけでも、頭の働きは安定しやすくなる。

同じ仕事でも、見やすい光の下では目の負担が抑えられ、確認ミスややり直しを減らせる場面が多い。一方で、暗すぎる環境や、まぶしさや反射で画面や紙面が見えにくい環境では、視覚情報を処理するために余計な労力が必要になりやすい。

こうした負荷が積み重なると、集中を保ちにくくなり、思考も浅くなりがちだ。

研究では、明るさが不足する環境では、ミスや労働災害が増えることが報告されている(*1・2)。また、まぶしさが強すぎたり、場所によって明るさの差が大きかったりする環境では、疲労感が増す傾向も示されている(*3)。

つまり、照明で重要なのは、ただ明るいかどうかではない。対象物が無理なく視界に入り、脳が余計な補正をしなくて済む、そんな自然に見える状態が保たれているかどうかである。

●適切な明るさ

手元が十分に見える明るさにしておくことは、目の負担を減らし、ミスを減らす助けになる。

暗すぎる環境ではコントラストが落ち、細かな文字や図形が見えにくくなるため、目と脳が補正に余計な労力を使いやすい。逆に、光が強すぎたり、まぶしさや反射があったりする場合も問題だ。反射を避けようとして視線や姿勢が崩れ、首や肩に余計な緊張がかかりやすくなる。

●明るさのムラを減らす

手元だけが極端に明るく、周囲が暗い環境では、視線を動かすたびに、明るさの差に順応するための負担が増えやすい。この調整が繰り返されると、眼精疲労や疲れの一因になりうる。理想は、手元がしっかり明るく、周囲はほどよく明るいというバランスである。

●まぶしさと反射を抑える

強い反射やまぶしさは、視覚的なストレスを増やす代表的な要因である。画面に窓や照明が映り込んだり、白い机や壁が光を強く反射したりすると、視覚情報を正確に捉えるために、視線やピントの微調整が増えやすい。この負担が積み重なると、目の疲れが増え、集中の維持や作業の正確さにも影響が出やすくなる。

作業の安定性を高めるには、まぶしさを抑えつつ、必要な明るさを確保できる照明配置が重要だ。光源が直接視界に入らないよう位置や向きを工夫し、均一な補助光を組み合わせる(*4・5)。

また、机のレイアウトを調整して、窓からの光が直接画面に当たらないようにするなど、配置を見直すだけでも視覚的ストレスは軽減しやすい。

●ちらつきの影響を減らす

LED照明では、電源回路や調光方式によって、肉眼では気づきにくい明るさの変動、つまりちらつきが生じることがある。多くの人に明確な悪影響が確認されているわけではないが、敏感な人では、不快感や頭痛のきっかけになりうると指摘されている(*6)。

負担を減らすには、照明器具を選ぶ際に、ちらつきが少ないことが示された製品を目安にするとよい。特に調光を使う場合は、暗くしすぎるとちらつきが目立つことがあるため、気になるときは明るさを少し戻すなどして、見え方が安定するように調整したい。

照明は数ある環境要因の1つにすぎないが、ここを整えるだけでも、無意識に生じていた疲労や集中のロスを抑えやすくなる。

(本稿は『鍛えるよりも「使い方」 体力がすべて』から一部抜粋・編集したものです。)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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