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なぜ、多くのうどん店では、「うどん」と「トッピング」をあえて別で売るのか?


「どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか」――。この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、同書に収録されている75の事例の中から、特に現場で導入しやすく、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選して紹介していきます。

「つい取りすぎた」と思わせた時点で勝ち

セルフ形式の讃岐うどんチェーンに行くと、「かけうどん390円」などと、圧倒的に安い基本メニューがまず目に飛び込んできます。

そしてそのあとに、天ぷら、おにぎり、いなり寿司、温泉卵といった別料金のトッピングがズラリ。「安いし、これぐらいなら」とトレーに追加していくうちに、気づけば合計800円オーバー。

これこそ、「安さ」で引き寄せて、「選ばせて」、「合計金額を積み上げさせる」ための、計算された販促戦略なのです。

基本メニューの安さは、集客装置

まず注目すべきは、「かけうどん」などの基本メニューが極端に安いことです。

これは、利益を出すための価格というよりも、「この安さなら入ってみようかな」と、お客様の「来店へのハードル」を下げる役割を果たしています。

人は、他の店や商品と「比較」します。牛丼チェーンやコンビニと比べて「安い!」と感じさせれば、それだけで「この店に行こう」という動機になります。

この極端な低価格は、「アンカリング効果」を意図的に利用しています。

基本うどんの低価格(390円)が、お客様の心の中に「この店の価格基準(アンカー)」として設定されます。
その後、トッピング(100〜250円)を追加しても、「ベースが安いから、少々追加しても大丈夫」という心理的な安心感が生まれやすくなります。

選ばせる形式が、
買ってもらう単価を押し上げる

セルフ形式のうどん店で最も大切な工夫は、天ぷらやご飯ものが、お客様が勝手に取れるような陳列スタイルになっている点です。

このスタイルには2つの大きなメリットがあります。

1.心理的な壁が低い:いちいち店員さんに「これをください」と注文しなくていいので、「これも取ってみようかな」と気軽に追加できる。これは、「すすめられるよりも、自分で選びたい」という人の心の性質を利用している

2.選ぶ楽しさがある:人は「自分で決めた」という行為そのものに満足感を得る生き物。目の前で好きなものを自由に選べる快感が、自然と合計金額を押し上げる仕掛けに
なっている

これは、「内発的動機づけ」における「自己決定権」の尊重です。

お客様は、自分のペースで自由に選択できること(自己決定権)を尊重されていると感じるため、満足感が向上します。

「すすめられるよりも、自分で選びたい」という人の心の性質を利用し、この自由な選択が自然と追加購入(単価アップ)という形で表れます。

自分で選んだからこそ、
値段への納得感が高い

もし、うどん、天ぷら、おにぎりがすべてセットで800円だったら、「いらないものまで入っていて高い」と感じるかもしれません。

しかし、自分で別料金で選んだ場合は、どうでしょうか?

・「天ぷらは自分が食べたいから追加した」
・「今日はがっつり食べたい気分だった」
・「つい取りすぎたけど、自分で選んで満足したからOK」

このように、自分の意思で取ったという行動が、「この値段で納得できる」「心も満たされた」という感情に変わっていくのです。

他のお店にも応用できる
「選ばせ型の単価アップ」

この「基本メニュー+オプション選択制」の考え方は、うどん店だけでなく、さまざまな業態で応用可能です。

・カフェ:モーニングコーヒーに、トーストや卵を追加料金で選ばせる
・定食屋:小鉢や、味噌汁をオプションで選択できるようにする
・スイーツ店:ベースのケーキに、フルーツやソースをトッピング方式で選ばせる

共通するのは、「基本は安く、自由に積み上げられる設計」によって、自分でコントロールしている感覚と満足感を両立させている点です。

まとめ

うどん店が「かけうどん + トッピング別会計」スタイルを採用しているのは、単なる業務の効率化ではありません。それは、

・「アンカリング効果」の安い基本メニューでお客様を集客し
・「自己決定権」を尊重し、自由に選ばせることで心の壁を下げ
・楽しみながら自然に単価アップを実現し
・自分で選んだ納得感と満足感を提供する

という、売る側と買う側がどちらも得をするための、非常に優れた販促戦略なのです。

あなたのビジネスにも、この「ベース+選ばせる」設計を取り入れることで、客単価を上げながら、お客様の満足度も一緒に高められる可能性はありませんか?

(本稿は『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』の一部を抜粋・編集したものです)

提供元:ダイヤモンド・オンライン

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