未来はこれからやってくる
「レクサスRZ」のマイナーチェンジモデルが登場。その改良幅は生半可なレベルではなく、電池やモーターをはじめとした電気自動車としての主要コンポーネンツをごっそりと入れ替えての出直しだ。サーキットと一般道での印象をリポートする。
一充電走行距離が599kmから733kmに
2025年3月15日に「新型」としてグローバル発表されたレクサスRZは、RZそのもののデビューからわずか3年というタイミングでの登場だった。また、上屋や内装のデザインは基本的に変わっていないので、一般的にはマイナーチェンジということになるだろう。
いっぽうで、BEVのキモとなる三元系リチウムイオン電池はセル数を積み増して総電力量を約8%アップ(71.4kWh→76.96kWh)したほか、充電システムも新しくなり、モーターや減速機、インバーターを一体化したeアクスルも刷新。そのために電池パックの内部構造も変え、電池重量増を相殺するために基本骨格の一部を軽量化。さらには、話題の新機軸「ステアバイワイヤ」のための操舵システム周辺部も設計変更されて、つまりはプラットフォーム部分にまで大きく手が入った。ある意味では、下手なフルモデルチェンジより手間がかかっている。これらの変更点は、DNAを共有する「トヨタbZ4X」や「スバル・ソルテラ」の最新型と共通のところも多い。
さらに注目すべきは、新しいRZのBEV性能は単純にバッテリー総電力量が増えただけのレベルではないことだ。BEVの性能を語るうえではいまだ欠かせない一充電走行距離(WLTCモード)は、ラインナップ中で唯一のFWD(ほかは全車4WD)の「RZ350e“バージョンL”」で733kmに達した。その前身モデルにあたる「RZ300e」が599kmだったから、じつに22%強の延伸だ。また、近年の上級BEVでは常識化しつつある、充電前にバッテリー温度を最適化する“プレコンディショニング機能”も加わり、急速充電性能も最大140kWから150kWに引き上げられた。
これはbZ4Xの開発陣も認めていたことだが、デビューから短期間でこれだけの大手術を強いられたのは、つまりはトヨタ(≒レクサス)が、BEV界における進化のスピード感を見誤っていたということだろう。...