納得の力作
「トヨタ・カローラ クロス」のマイナーチェンジに合わせて追加設定された、初のスポーティーグレード「GRスポーツ」に試乗。排気量をアップしたハイブリッドパワートレインや強化されたボディー、そして専用セッティングのリアサスが織りなす走りの印象を報告する。
カーマニア待望の「GRスポーツ」
2020年7月のタイでの発売を皮切りに、翌2021年9月に国内発売されたカローラ クロスは、現行カローラシリーズでは最後発で、内装もほかよりちょっと安普請だった。しかも、それまでのカローラでは全車ダブルウイッシュボーンだったリアサスペンションが、クロスではシンプルなトーションビーム(FWD車のみ)に変更されていたこともあって、当初のクロスは、どこか、新興国市場向けの廉価商品っぽかったのは否定しない。
こうして最初は“主流じゃない感”がただよっていたカローラ クロスだが、フタを開けてみれば大ヒット。今や日本でもカローラ全体の半分以上を占める。しかも、現在は日本にアジア、北米、中南米、アフリカ、中東でも販売中で、欧州では、実質同クラスの「C-HR」(の2代目)と並行販売されるカローラ クロスは、すっかりカローラの大黒柱である。
そんな大黒柱が安普請のままではマズいということか、あるいは望外のヒットで開発予算が増えたのか、“クロス”の市場投入後の改良メニューは、ほかのカローラより明らかに手厚い。国内デビュー後で初となる2023年の改良では、高減衰接着剤や高剛性アクスルベアリングの採用、サスペンションの低フリクション化と再調律などがおこなわれたと思ったら、国内2度目となる2025年5月の改良ではさらに大きく手が入って、カーマニア待望のGRスポーツも追加されたわけだ。それが今回の試乗車である。
同じGR物件でもガチ勢といえる「GRヤリス」や「GRカローラ」などの開発は、基本的にGRカンパニーの専門部隊が担当する。しかし、今回はGRカンパニーのシェフでもある「凄腕技能養成部」の大阪晃弘さんの助言を得ながら、直接的な開発作業はベースモデル=カローラ クロスのチームが手がけたという。...