新時代の覇者
いま勢いに乗っている中国BYDから、新型電気自動車(BEV)「シーライオン7」が登場。他を圧倒するコストパフォーマンスを実現する電動クロスオーバーは、乗っても文句ナシの仕上がりなのか? BEVマーケットの覇権を握りつつある彼らの、今日の実力に触れた。
日欧系は相手にならない
日本経済新聞を購読しているが(旧世代なので紙です)、BYDの記事が載らない日はない。これだけ記事が載るってことは、読者の関心が大変高いに違いない。実際BYDは、飛ぶ鳥を落とす勢いで進撃を続けており、いつのまにか世界販売でホンダも日産もブチ抜き、あのテスラすら追い落とした。関心が高いのも当然か。
しかしここ日本で、実際にBYD車の購入を検討している人は、まだ多くはない。BYD車を買ったのは、ある意味「怖いもの知らずの勇者」だけ。今後欲しいと思っている人もごく一部にとどまる。それでも、BYDが自動車業界の超新星であることを否定する人はいまい。
日本におけるBYDのラインナップは、SUVの「ATTO 3」と、コンパクトカーの「ドルフィン」、そしてセダンの「シール」の3本立てだったが、今回そこに、シーライオン7が加わった。シールをクーペSUV化したスタイリッシュなモデルで、バッテリーは安全性や耐久性が高い、BYD得意のリン酸鉄リチウムイオン。総電力量は82.56kWh、カタログ航続距離は590km(RWDモデル)となっている。
この数字は、「日産アリアB6」の66kWh・470kmと比較して、明確に1クラス上だ。それでいて価格は495万円と、アリアB6 FWDの659万円より約25%安い。航続距離が20%長くて、価格が25%安いんだから、コスパの差は圧倒的。補助金はアリアのほうが多いけれど、それくらいじゃこの差は埋められない。乗る前から勝負はついている。アリアがボロ負けなのだから、欧州勢も当然ボロ負け。対抗可能なのは、テスラとヒョンデくらいだ。
テスラは独自の専用充電ネットワーク「スーパーチャージャー」のアドバンテージが非常に大きい。いっぽうのBYDはCHAdeMO頼み。2024年の販売台数(テスラが恐らく約5600台、BYDが2383台)は、コスパ+急速充電インフラ+ブランド力を合計すると、順当に思える。...