大人のためのSUV
キャデラックのエントリーレベルを担うプレミアムコンパクトSUV「XT4」。大幅改良後のモデルは内外装のブラッシュアップが話題だが、乗ればやはり、走りでも見どころの多い一台となっていた。ライバルとは一味違う“大人なSUV”の実力を報告する。
捲土重来もエンジン車が売れてこそ
キャデラックは、先日先行販売が開始された「リリック」を皮切りに、2025・2026年の2年間で、計4台の新型電気自動車(BEV)を日本に導入する計画を発表した(参照)。しかも、その全車種を右ハンドルで持ってくるという。この野心的な戦略を、ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン)は日本における「キャデラックブランドの再始動」と定義する。
というのも、キャデラック正規輸入車の国内登録台数は、昨2024年の数字で449台にまで落ち込んでいるのだ。これは前年比22%のマイナスで、ピーク時(1998年)の約1割にすぎない。しかも、国内の公式ウェブサイトに記載されるキャデラックの現行モデルには4台のSUVがそろうが、「カマロ」の最終限定車と「コルベット」しかないシボレーの同年登録台数より、100台以上も少ないのだ。
つまり、キャデラックのBEV戦略はその苦境からのV字回復を期したものだが、今の日本市場で地盤を固めるには、まだまだ「エンジン搭載車もしっかり売れてこそ」が現実だろう。そんな現状を踏まえたリリックの援護射撃のためか、あるいはただの偶然か、GMジャパンは2024年末に、新しくなったXT4の国内導入に踏み切った(参照)。
XT4は米本国では2018年に2019年モデルとしてデビューして、国内には2021年初頭に導入されている。ご承知の好事家もおられると思うが、アメリカ本国ではイヤーモデル制が浸透しており、この内外装デザインに手が入ったXT4は、本国では2024年モデルとして2023年秋に登場している。日本仕様はそこからほぼ1年遅れの導入ということになる。...