電気仕掛けのアメリカンラグジュアリー
ゼネラルモーターズが満を持して日本に投入する、新世代BEV(電気自動車)の「キャデラック・リリック」。すべてがBEV専用設計で、しかも日本などのマーケットのために右ハンドルも用意……と、GMとしても気合の入った注目の一台に、いち早く試乗した。
キャデラックのBEVがいよいよ日本に
アクセラレーターに軽く足を載せると、全長がギリギリ5mを切る大型SUVはスルスルと走りだし、そのまま静かに滑らかにスピードを上げていき、しかしその静粛性の高さが仇(あだ)となって気がつかないうちにとんでもない速度になっていて……。安心してください、クローズドコースですよ。
キャデラックのBEV SUVたるリリックのプレス向け試乗会が、千葉県のサーキット、袖ケ浦フォレストレースウェイで開催された。前後モーターのアウトプットを合わせたトータル出力は522PS、スタンディング状態からわずか5.5秒で100km/hに達するというスポーツカー顔負けの動力性能を存分に堪能してください。というわけではなく、日本で正式に発売する前のクルマのため、一般公道ではなくサーキットが試乗場所に選ばれたのだ。
本国アメリカでは2020年に発表(参照)。翌2021年から市販車の受注が始まった(参照)キャデラック・リリック。同ブランド初の量産電気自動車として、既存車種のプラットフォームを利用するのではなく、バッテリーをフロアに敷き詰めたBEV専用の新しいアーキテクチャー(当時は「アルティウム」と呼ばれていた)をベースに開発されたことが話題となった。バッテリーの効率的な配置はもちろん、搭載するモジュールの自由度が高く、高剛性、低重心にして、モーター搭載位置を前後から選ぶ、または前後両方に置くことによって、車種によって駆動方式を最適化できるのも強みとなる。
北米では後輪駆動と4WDが用意されるリリックだが、日本には前後2つのモーターを備える後者のみが輸入される。フロントモーターの最高出力は231PS(170kW)、最大トルク309N・m、リアのそれらは328PS(241kW)と315N・m、システム全体では522PS(384kW)と610N・mとされる。ガソリンSUVの中堅モデル「キャデラックXT5」では、3.6リッターV6エンジンで最高出力314PS、最大トルク368N・mだから、EVリリックのマッチョぶりがうかがえよう。ただしリリックのウェイトは2650kgと、いささか重量級だが。...