すべてが心地いい
デビューから間もなく10年を迎える、ジャガー・ランドローバーのエントリーSUV「ディスカバリー・スポーツ」。同門の「ディフェンダー」などと比べるとイマイチ影の薄い存在だが、乗ってみればすべてが絶妙に調律された、じつに心地よいSUVとなっていた。
改革が進む“JLR”のブランド体制
ご承知の向きも多いように、英ジャガー・ランドローバー社は、昨2023年6月からロゴを「JLR」をかたどったものに変更した(社名そのものは変わっていない)。と同時に、もともとの出自となる自動車メーカー名による2ブランド戦略から、JLRの下にジャガー、レンジローバー、ディフェンダー、ディスカバリーという4つのブランドが同列でぶら下がる「House of Brands(ハウスオブブランズ)」という新しいアプローチに取り組んでいる。
このうち、ジャガーのセダンやステーションワゴン、クーペの生産は終えており、ジャガーは来年にも完全な電気自動車(BEV)ブランドに生まれ変わる予定とされている。もっとも、欧州のBEVを取り巻く現状(参照)を考えると、「Fペース」と「Eペース」のプラグインハイブリッド車(PHEV)はもう少し生き延びるかもしれない。
いっぽう、レンジローバー名義には現在「ヴェラール」や「イヴォーク」も含めた3車種、ディスカバリー名義のそれには2車種があり、ともに今のジャガーに劣らない数のラインナップを持つ。また、現在は1車種のみのディフェンダーにも、2027年ごろに小型BEV版が追加されるとのウワサだ。
この記事の主題はディスカバリーブランドのエントリー車種であるディスカバリー・スポーツ(以下、ディスコスポーツ)である。同車は2015年発売で、 JLRとしては最古参機種ということになる。
今回の試乗車となったのは、2023年6月に受注が開始された2024年モデルの最上級となる、PHEVの「P300e」である。トリムグレードは「ダイナミックHSE」の1種類のみ。従来と比較するとディスコスポーツのラインナップも整理されたが、2024年モデルの日本仕様では、これ以外に2リッターディーゼルターボの「D200」が1グレード、同ガソリンターボの「P250」が2グレード存在する。...