これぞ大人のクーペ
メルセデス・ベンツが綿々と歴史を紡いできた2ドアクーペ。その最新モデル「CLEクーペ」に試乗した。同じ「MRA II」プラットフォームを用いる新型「Eクラス」や「Cクラス」との違い、そして伝統的な後輪駆動とクーペのフォルムが織りなす走りを報告する。
“官能的純粋”の誘惑
クーペやカブリオレを選ぶうえで一番の基準は、そのエクステリアデザインだと思う。出会った瞬間に視線がくぎづけになり、心が躍ったなら、買う理由としてはそれだけで十分だ。
そういう意味では、近年のメルセデスのクーペはデザインで一目ぼれさせる魅力を備えている。メルセデスでは2018年に4ドアクーペの「CLS」を発表したが、このモデルから新しいデザイン思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を採用。ラインやエッジの少ない、ぬめっとしたボディーがクーペのエレガントさを際立たせ、見た瞬間に「カッコいい!」と思ったことを覚えている。
その後、あらゆるモデルにこのデザイン思想を拡大していったが、なかでもクーペはどのクルマもセクシーなデザインに進化し、日本に上陸したばかりのCLEクーペもお世辞抜きに魅力的。とくに斜め後ろからの眺めはほれぼれするほどだ。40年前、クーペでカーライフを始めた者としては、できることならこんなクーペを“終(つい)のクルマ”にしたいと思うのである。
それはさておき、これまでメルセデスには「Cクラス クーペ」と「Eクラス クーペ」があったが、今回はこのふたつを統合するかたちで新たにCLEクーペを登場させている。「CL」といえば、1990年代なかば、W140型の「Sクラス」をベースとしたクーペのC140型がCLの名で独立したのが始まりで、その後、「CLK」や4ドアクーペのCLS、さらに「CLA」に拡大。CLEクーペは、Eクラス相当のボディーサイズや装備を手に入れたことから、“CL”の2文字にポジションを表す“E”を加えた名前が与えられたのだという。...