電気でもポルシェ
ポルシェの電動化戦略の試金石として、先陣を切って登場した100%電動モデル「タイカン」。プレミアムブランドの電動サルーンといえばさまざまなライバルが存在するが、ポルシェならではの“強み”はどこにあるのか? 4WDモデルの「4S」に乗って確かめた。
“ポルシェのBEV”という絶妙な存在
2023年、ポルシェの100%電気自動車(BEV)であるタイカンは、世界で4万0629台を売り上げたという。同年におけるポルシェ全体の販売台数は32万台強なので、全体の12〜13%がタイカンという計算になる。ちなみに2023年のタイカンは、「カイエン」「マカン」「911」に次ぐ4番目に売れたポルシェで、タイカンとしては2021年の4万7291台に次ぐ台数だそうである。2023年の業績について、ポルシェ自身は「911とタイカンの堅調な成長による安定した販売台数」と評している。
ネットかいわいには「タイカンを購入すると、せまき門である911や718ケイマンの高性能モデルのオーダーでも優遇される?」といった販売現場でのウワサ話も散見されるが、残念ながらポルシェの購入経験のない筆者に、その真偽のほどはよく分からない。ただ、欧州スーパースポーツカーやラグジュアリーSUVを何台もガレージにならべられるような富裕層が「さて、話のタネにBEVでも買ってみようか」と考えたときに、タイカンが好適な一台であることは間違いない。“ポルシェのBEV”なら、クルマに興味のない友人・知人たちにも興味をもたれやすいだろうし、ひとりのクルマ好きとしても、純粋に好奇心が刺激されるはずだからだ。こうした魅力がタイカンの販売台数に結びついている面もあろう。
個人的にタイカンを試乗したのは2021年秋(日本上陸は2020年冬)以来。仕事がらBEVを試乗する機会は年々増え続けているが、少なくとも操縦安定性や快適性については、タイカン(と共通のDNAをもつ「アウディe-tron GT」)がいまだにBEVとしてはアタマひとつ抜けた存在といっていい……と、あらためて再確認できたことは今回の収穫だった。...