優美なハイウェイスター
「トヨタ・アルファード」がフルモデルチェンジ。歴代モデルが紡いできた快適性の進化もさることながら、新型の最大の特徴は走りの質感を大幅に高めているところだ。もはやミニバンの運転は退屈な行為ではなくなった。
誰もが知るミニバン日本代表
話題沸騰である。トヨタの「アルファード/ヴェルファイア」が8年ぶりにフルモデルチェンジされたことは、一般メディアでも大きなニュースになった。高級ミニバンのジャンルで一人勝ちを続けてきたモデルであり、注目を集めるのは不思議ではない。今や「クラウン」などのセダンに代わり、ショーファードリブンとして日本を代表する存在なのだ。さまざまなトピックが取り沙汰されている。出来のよさが称賛されるだけでなく、今注文しても納車は1年以上先という情報がさらなる飢餓感を呼んでいるようだ。
クルマ好きでなくても、アルファードの名前は誰もが知っている。テクノミュージシャンBubble-Bの『爆走ミニバン〜Highway Star〜』では、歌詞の最初に名前を挙げられているのがアルファードなのだ。「エルグランド」「ノア」「セレナ」と続き、5番目にはヴェルファイアも顔を出す。Bubble-Bは特にクルマに関心があるわけではないらしいが、それでもミニバンといえばアルファードというイメージを持っているのだろう。
試乗したのは、アルファードの最上級グレードとなっている「エグゼクティブラウンジ」である。最上級といっても、ほかには「Z」というグレードしかない。パワーユニットは2.5リッターガソリンエンジンと、それをベースにしたハイブリッドの2種類だ。駆動方式はFFと4WDがあり、その組み合わせで6種類がラインナップされる。試乗車はFFで、価格は850万円。4WDなら872万円である。前モデルから大幅にアップした車両価格もちょっとした驚きだったが、注文が殺到しているのだからそれだけの価値があると受け止められているのだろう。
実物と対面すると、迫力に圧倒される。大きなグリルを持つ押し出しの強いキャラクターは、立派さやゴージャス感を求めるユーザーを引きつけた大きな要因なのだ。それはうっかりすると品位に欠ける俗臭をまとう危険を持っていたのだが、新型アルファードには野卑な印象がない。フォルムは野性的な力強さを増しているが、それが悪趣味にならず、むしろ優美さと品格をもたらしているように感じられる。...